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桜の開花宣言

 京都地方気象台が今日、京都市で桜の開花を観測したと発表しました。いやいやちょっと前から桜は咲いてたで。と思う人もいるかもしれませんが開花宣言には決まりがあります。オレの開花宣言なら好き放題に言えばいいですが、公式の記録として開花宣言するのだからそれなりの決まりが必要になるわけです。まず決まりその1が桜の品種。「桜が開花した」というときの桜は「ソメイヨシノ」です。なので早咲きの河津桜が咲いたからといって「桜が開花した」と宣言はできないわけです。いろんな品種の桜がありますが、開花宣言に関していえば桜とはソメイヨシノなのです。※確か沖縄ではソメイヨシノではなかったはず。別にいいんですけど、こういうところにも紋切り型の融通の利かなさが出ているような気もします。気象台のような大きな公的機関なんだから仕方ないとも思いますが。

 さて。決まりその2は標本木です。ソメイヨシノだからといってどこのソメイヨシノが開花しても宣言できるわけではありません。決められた場所の決められたソメイヨシノが開花しないと宣言はできないのです。「開花」とみなす基準にも決まりがあります。標本木の桜の花が「五輪」咲いているのを確認したら「開花宣言」となります。京都地方気象台の標本木は二条城のソメイヨシノです。なぜ二条城のソメイヨシノなのかといえば京都地方気象台から近い場所にあるからだったはずです。確か2011年くらいまでは円町あたりにある京都地方気象台の敷地内のソメイヨシノが標本木だったはずですが、何かしら工事の影響で観測環境が変わったので比較的近い場所の二条城のソメイヨシノを標本木に変更したんだった気がする。

 その二条城の標本木が史上最速の開花となったのが去年で3月16日。この「史上最速」が二条城史上最速なのか、それとも気象台敷地内時代から含めて史上最速なのかによって情報の価値は変わってきますがどっちなのか正解は知りません。なんにせよ去年よりは8日遅くて平年よりは2日早い開花となりました。

 どうやって確認するのか、といえば気象台の職員さんが双眼鏡で確認するらしい。職員さんはまだかまだかと待ち構えてここ数日は毎日二条城に出張っていたんでしょうか。目視で確認しなければならないのは大変だと思ういっぽう、毎日期待に胸を膨らませながら桜の様子を見に行く仕事ってなかなかワクワクする気もする。一昨日は開花した花を確認できず、昨日は二輪、今日の午前には三輪確認したらしい。残り二輪が開花したのは開花してから確認したんでしょうか、それとも双眼鏡で観察し続けてジャスト開花する様子を見届けたのでしょうか。目星をつけてチェックしていたやつが全く開花せず、目を休ませてたら隣の花が開いたのを違う職員が確認してしまった、とか悪夢ですよね。僕は割とそうやって損する人生歩みがちなのでもしそういう職員さんがいたら応援したい。

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