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読書の記録 島﨑今日子『ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒』

去年の秋に沢田研二主演の映画『土を喰う十二ヶ月』を観て、沢田研二の演技が見事で、やっぱりこの人すごいんやな、と思っていたところ、『ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒』なんていうタイトルの本が出て、最近なんかちょっとした沢田研二ブームですか?ってことで読んでみたらこれが実に面白い。

なんせバンドメンバーからマネージャー、プロデューサー、その他諸々、沢田研二界隈の人たち総勢69人の証言や膨大な資料をもとに沢田研二の魅力をノンフィクションライターの島﨑今日子さんが紐解いていくわけなんですが、界隈の人といっても、もうお亡くなりになられている人もいるし、ご高齢のため、記憶と事実が噛み合ってないこともあったでしょうし、一つひとつを入念に裏どりして文章に仕上げていく仕事というのはネットの切り抜き記事を間に受けて簡単に拡散してしまう我々(僕はそんなことしないけど、っていう僕みたいなのがいちばん危ない)へのアンチテーゼのようでもあります。おまえら文筆業を舐めるなよ、というアドレナリンが分泌されているようでした。

全8章からなる本作、どこから読んでも面白いし、1章から読めばいいと思うし、その1章というのが「沢田研二を愛した男たち」というタイトルでいきなり一気に引き込ませるんですが、あえて一つだけ選ぶとするなら、第4章「たった一人のライバル」がオススメ。ジュリーのライバルといえば、43歳の私にはピンとこなかったんですが、少し上の方ならわかりますよね、ショーケンこと萩原健一、その人です。本でも紹介されていますが、二人が新宿の地下鉄に乗ってる映像がYouTubeにアップされていて、これがめちゃくちゃかっこええんです。この動画に引き合わせてくれただけでもこの本読んでよかった。

これ読んで以来、すっかりジュリーにハマってしまった私です。もう、あんなスターって出てこないんでしょうね。美しすぎる。

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