見出し画像

仙太郎が水無月の時レベルで行列

中秋の名月。
この数日、エレファントカシマシの「今宵の月のように」鬼束ちひろの「月光」はラジオで聴きまくった気がします。

お月見といえば月見だんご。
大丸京都店地下にある和菓子の「仙太郎」は15時頃、月見だんごを求める客が長蛇の列を作っていたそうです。並んだ方によりますと「水無月の時レベルの行列」やったらしいのですが、その例え方が実に京都らしいと笑ってしまいました。「スペースマウンテン並みの行列」とか「ドラクエ発売初日並みの行列」とか言えばわかりやすいでしょうか。6月30日、一年の折り返しで夏越しの祓えの際に食する「水無月」は京都に住んでいないとあまり馴染みのある和菓子ではないかもしれませんが、確かに「水無月」の行列は尋常ではないのです。(とはいえ、スペースマウンテンやドラクエ発売初日ほどではないと思いますが)

20時前くらいに「仙太郎」へ月見だんごを買いに行った方も「めっちゃ並んだ」と言っていましたから、たまたま15時頃と20時頃に混んでたとは考えにくく、おそらく、15時頃から20時頃にかけて、絶えることなく行列ができていたのではないかと思います。「月見だんご程度でそんなに??」と呆れるか、はたまた「季節の行事ですからね」と共感するか、双方が歩み寄ることってそんなに難しいことではないと思うのですが、これが「原発推進」と「原発反対」になると、不思議なことにどちらも全く妥協することがありません。

例年、中秋の名月は仙太郎が大行列になるのかどうか、私は知らないのですが、今年に関していえば、山鉾巡行は中止になるし、送り火も点々灯火やし、イベントごとも軒並み延期や中止になるし、お月見くらい、こじんまりとでもええから楽しませてくれよ!という、市井の悲痛な叫び声のような気がしないでもないのです。

二十何億円で月旅行ができる時代になるみたいですが、そんな大袈裟な夢を語るのも、庶民には現実感はありません。あれも我慢これも我慢のなか、でっかい夢を語るくらいなら、二千円に満たないちょっとした贅沢に舌を喜ばせながら、恋人同士じゃなくっても「月が綺麗ですね」「そんなことより、だんご美味しいね」ってマスク越しにでも笑い合うささやかな幸せを、月を含む夜の星を見上げながら祈っています。雨降ってるけど。

#令和3年9月21日  #コラム #エッセイ
#日記  #note日記 #毎日更新 #毎日note
#中秋の名月  #お月見 #月見だんご
#ジャミロワクイ  #ジャミロ涌井

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?