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方向音痴日記 大阪編

 一昨日、めちゃくちゃ久しぶりに大阪へ行きまして。JR環状線の弁天町駅の近くで人と会う約束があったので行きはもちろん電車で向かったのですが、帰りは少し時間に余裕があったので、あんまり大阪のことわからないけどちょっと歩いてみようかな、と思い立ち、梅田まで徒歩で向かったんです。地理がまったくわからないんですが、とりあえず環状線で来た方向に向かえば大きくは間違わないだろうと思い、沈みゆく太陽を背に歩きはじめました。

 環状線に沿って歩いていけばよかろうと思い出発したのですが、歩きはじめてすぐ、環状線に沿って歩いてもあんまり景色が変わらんからおもろないな、ということで、ざっくりだいたいあっち方面やろうという感じで歩いていきました。素人のくせに料理はレシピ通り作らずアレンジくわえて失敗するタイプやねん。案の定、環状線は早々と見失いましたが、前へ前へ進んでいくとJRの西九条駅ではなく、大阪メトロの九条駅に辿り着きました。まぁ、別に大きな間違いではないやろがい!と思いながら、大阪メトロの路線図を確認しましたところ、九条駅の右側に阿波座駅とか本町駅とかがあり、本町駅が私にも馴染みのある御堂筋線で梅田駅につながっておりました。この路線図の通りに進んでいけば。つまり、今いる場所からまず右へ進めばやがて本町駅にぶちあたるから、ぶちあたったら今度は左折をすればやがて梅田に着くやろうと思った私がアホでした。路線図の右が私にとっても右なのだと思い込んでしまったのです。いま思えば何故そんなことを思い込んでしまったのか、と思うのですが、魔が差したんでしょうね。しかし、私は昔からよく魔に差されるんです。京都へ引っ越してきた当初も、四条通りから北へ行きたいのに五条通りに辿り着いてしまったことがありました。そういうことを経験していれば同じ過ちは避けられるように行動するものなんですが、私のようなアホにはそれができません。「前も言ったと思うけどな」「何回も言わさんといてほしいんやけど」こういった説教を幾度となく受けてきました。
思えばそんなポンコツをいつまでも見捨てずに育てていただいたものです。いまはもう、そこまで手間暇かけて若手を育てるという土壌がなくなってしまった気がする。

 ともかく私は九条駅から右へ進んだわけなんですが、しばらく歩くと進行方向への矢印に「弁天町」と書いてあるのを確認し、おや?おかしいぞ、と思ったんですが、私はかつてJR新宿駅で同じ方向に西口と東口があったことがあるので、そういうことやろうと思いながらぐんぐん進んでいきました。あれが世にいう「正常性バイアス」もしくは「コンコルド効果」ではないのか。しばらくすると西日が眩しいのに気付きました。おかしい、私はさっき、太陽を背にして弁天町を出発したはずだ。太陽が過ちに気づかせてくれました。大事なことを確認できたような気がしました。

#令和4年3月13日  #コラム #日記 #エッセイ
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