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「痛みをとる」ためだけに20分を使っていけない話

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

痛みをとること

に関して話していこうと思います。

私のような外来でのリハビリを行っているセラピストは

痛みをとることの難しさを実感していると思います。

「なぜ痛みがとれないんだ・・・・」「評価してもわからない、、、」

こんな悩みを抱えている人が

たくさんいらっしゃるはずです。

わたしもいまだにそれに悩んでいます。

しかしいろいろ勉強して気づいたのですが

痛みに悩んでいる時点でリハビリのスタートラインに立てていない

かもしれません。

なぜそのように思うのか私なりに

書かせていただきますのでよろしくお願いいたします。

それでは始めます。


「痛みをとる」はコンディショニング

まず前提として理解しなければいけないのは

疼痛の除去はコンディショニングの域を出ないという事実です。

理学療法はいろいろな手技があるのですが

そのほとんどがコンディショニングなんですよね。

つまり身体の状態を「整えた」ということに過ぎないのです。

こんなことをいうと

「そんなのわかっている」「当たり前じゃん」

となるわけですが

理学療法士の「尊敬される臨床家」の傾向は

「適切な運動療法を処方できるセラピスト」ではなく

「痛みを高確率で減らすことのできるセラピスト」

です。

このような傾向からみても

処方する運動療法の質は割と軽視されているのではないのでしょうか。

こういうと

「運動パターンの修正は行っている」
「運動療法が重要なのはわかっている」

といわれるわけですが

メカニカルストレスや運動パターンの修正、

モーターコントロールの域から

さらに向上させる必要があると考えます。


神経的強度を強める

ここで私からの提案としてあるのは

神経的強度を高める

ということです。

運動的強度を高めることも重要ですが

施設によってはそのような機材やスペースがない場合があります。

しかし神経的強度を高めることは

前庭覚、視覚、体性感覚の評価を行うことができれば

だいたいのプログラムを立案することができます。

ここらへんの評価については

近藤拓人先生が主催している

ASIの「体性感覚・視覚・前庭覚」の受講をおすすめします。

ASI|感覚運動科学に基づいた教育カリキュラム (applied-sensorimotor-integration.com)

このような視点での運動療法も私は必要だと思っているので

現在実践しているところです。

しかしここで大きな壁が立ちはだかりました。



本番は痛みをとってからである

質のいい運動療法の処方を考えると

痛みをとるのを5~10分で行わなければいけないのです。

つまり

痛みをとることに悩んでいるようではお話にならない

ということです。

強度の高い運動を実施することは必須になってくるのですが

患者は間違いなく

自主トレでは行いません。

強度の高い運動を実施するのは

リハビリの時間しかないというのが正直なところです。

私自身この理想が実現できていないことが現状であり

運動療法の処方に関して

かなりの苦戦を強いられています。

質のいい運動療法の処方には

解剖学・運動学・生理学の知識だけでは不十分です。

初回の評価を短い時間でどれだけ正確に行うか

が重要になってきます。

評価も疼痛に関する情報以外の部分の収集も必要です。

「リハビリの時間でしかできないこと」

これは痛みをとることだけではないはずです。

私はまだ3年目のペーペーですが

自分の納得のいく理学療法を実現できるように

努力していこうと思います。





本日はこれで以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。





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