見出し画像

膝伸展制限①膝前面

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

膝伸展制限について話していきたいと思います。

この話は長くなると思うので何個かに分けて書きたいと思います。

また熱中して書くので

丁寧語ではなくなりますが

ご了承ください。

よろしくお願いします。

それでは始めます。


膝伸展制限の事前の評価

まず制限因子を見つける前に

評価が必要である。

私は評価として

膝関節の他動的な伸展を推奨する。

理由として

上から押した場合の制限を感じる部分を問診することで

ある程度の部位の区分けができるためである。

ちなみに私の病院では膝の強制伸展を行うと怒られるため

私は上司の目に入らないように隠れて実施している。

今回は制限因子として

膝前面だった場合に着目し

制限因子を紹介する。


①膝蓋下脂肪体(IPF)

画像2

この部分は膝前面の中でも

膝蓋下だった場合に該当する可能性が高い制限因子である。

IPFは疼痛を訴える症例が多いことでも有名な部位であり

膝OAの治療では避けては通れないものである。

また私の中では

上司に疼痛部位の候補として挙げたところ

「それはないんじゃない?膝蓋下脂肪体が痛いなんて聞いた事がないよ」

と衝撃的な発言をされたことでも非常に有名である。

このIPFの柔軟性を獲得する方法を紹介する。


(1)IPFのモビライゼーション

IPFは膝蓋腱周囲に存在するため、触診が非常に容易である。

触診する中でまず硬いところを見つけて徒手的に柔らかくする。

IPFはゼリー状のため、徒手的に操作しただけでも非常に柔らかくなる。

私の少なすぎる経験のため参考にならない可能性が高いが

膝蓋骨を下制した状態でモビライゼーションを行うと効果的である。

画像3

(2)IPFの上下運動

IPFは膝蓋腱に付着しているため、膝蓋腱と同時に動く。

すなわち膝伸展運動を行うことで

柔軟性を獲得することが可能である。

林典雄先生や園部俊晴先生はパテラセッティングを推奨しているが

私は口頭指導が鬼のようにへたくそなため、私なりにアレンジしたものを紹介する。

①患者の対象下肢の膝窩にセラピストの膝(またはクッション)を入れて、膝の軽度屈曲位を作る。

画像4

②膝軽度屈曲位でセラピストが患者の膝蓋骨を下制する。膝屈曲位での下制は難しいため、手掌で膝蓋骨を動かすのを推奨する。

画像5

➂膝蓋骨を下制させた状態から手掌を膝から離し、自動介助で膝伸展運動を行う。自動介助で行う理由は患者に膝を伸ばすタイミングを伝えるためである。

画像6

④②~➂を繰り返す。


(3)IPFの経路作り

膝OAの患者は膝蓋骨下制位が多く、IPFが窮屈な状態にある。

IPFが入り込むスペースを作るため、これを実施する。

方法は非常に簡単で

対象の膝蓋骨を他動的に挙上させた状態で膝屈曲運動を繰り返す。

画像7


②膝蓋上脂肪体(SFP)・膝蓋上嚢

画像2

膝前面でも膝蓋上に制限を感じた場合

これらの組織が考えられる。

原因として、

SFPの線維化や膝蓋上嚢の滑走障害が挙げられる。

それぞれの制限因子の解消法について紹介する。

(1)SFPの徒手的マッサージ

SFPは大腿四頭筋と膝蓋上嚢の間に存在する。

改善方法としてIPFと同じような

徒手的マッサージが挙げられる。

膝蓋骨を挙上させた状態で行うとさらに効果的であると考える。

キャプチャ

(2)膝蓋上嚢の滑走操作

膝蓋上嚢の滑走障害が制限因子として挙げられるが

これも徒手的に滑走操作をすることが効果的であると考える。

方法としては

膝蓋上嚢を触診した状態で上下左右に徒手的に滑走運動する。

これだけである。

キャプチャ


最後に

以上が膝前面に制限因子がある場合の

改善方法である。

しかし重要なのは

仮説検証を行った上で実施することである。

膝伸展制限の解消で動作が悪化する場合が多々あるため

制限があるからという

短絡的な思考でROMexを行わないように注意していただきたい。

ROMexを行うことで動作が悪くなる可能性があることを

理解したうえで実践していただきたい。

また今回は

私の手作りのイラストという形で記載しており

大変わかりにくくなっている。

実際の動作のほうがわかりやすいため

動画で撮るべきだったと思うが

残念ながらそれはかなわなかった。

なぜこのような形になったかというと

面倒くさいのと

単純に協力してくれる友達がいなかったからである。

以上のようなことを理解したうえで

過去またはこれからの記事を読んでいただきたい。


今回はこれで以上です。

次は膝後面に着目していきます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?