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え?また入院したの・・・?

こんにちは!理学療法士のこうやうです。

患者さんがまた再入院することって結構ありますよね?

「あれ?前も入院してなかったけ」「あーまた骨折したんだ」

病院で働いている医療関係者なら一度は目にしたり思ったりしたことがあるのではないでしょうか。

今回はその理由について触れていきたいと思います。

結論からいうと

それは年齢を重ねたことによる脳機能低下が原因です。

そういう考えに至った理由とアプローチ方法を簡単に説明していきます。

再転倒する人の不思議なこと

まずも一度病院にくるかたはどのような特徴があるのでしょうか。

特徴を上げると
①既往に転倒歴
②顕著な身体能力低下
③認知機能低下      など

いろいろありますよね。

一番注目してもらいたいのは 転倒歴 ですね。

筋力の低下と転倒リスクは強い相関があるといわれています1)。

しかし不思議なことに転倒したことがある方でも強い筋力を持っている方がたくさんいます。

普通に生活できている人でも転倒リスクがどこかに潜んでいるわけです。

どこに転倒リスクがあるのでしょう。

やはりその根本的な原因には 脳 があると思います。

転倒する原因の考察

前述したとおり、現在元気なのに転倒し入院している方が多数います。

いったいなぜこのようなことが起こってしまうのでしょう。

転倒する原因はいったい何なのでしょうか。

私の憶測ではありますが

それは 自分の体の位置 と 実際の体の位置 がずれているのが原因ではないでしょうか。

専門用語でいうとボディイメージのずれでしょうか。

この感覚がずれるとどのように転倒につながるか例を出しましょう。

まず一人の高齢者が歩いています。

歩いているところに段差があるとしましょう。

この段差をよけるためにまず視覚で認識しなければなりません。

しかし「この段差を乗り越えよう」とかいちいち考えているでしょうか。

これは「歩くことを常に意識して歩いている」のと同じことです。

だいたいの方は別のことを考えながら歩いているはずです。

そしていざ乗り越えようとするとき、足を十分に上げたつもりが段差に引っ掛かり転倒・・・となるわけです。

この例から問題点として見えてくるのは
①複数の行動や思考が円滑にいかない・・・・多重課題が困難
②ボディイメージのずれ

このことから高齢者のリハビリで二重課題の重要性がわかりますね。

ボディイメージは前庭覚と視覚で形成されています。

今回は視覚について深堀りしていきます。

視覚とは

視覚はいわゆる五感の一つです。

光のエネルギーが網膜上の感覚細胞に対する刺激となって生じる感覚です。

物体の位置関係の認識だけでなく、自己の運動に関する認識も視覚から得られます。

つまりこの視覚に異常が起こると

物体の位置関係の誤認、自己の動きのずれなど起こります。

そして転倒につながるわけです。

身体機能に対するアプローチではやはり転倒予防には不十分なわけです。

視覚のトレーニング

ここでパスートとサッカードというトレーニングを紹介したいと思います。

①パスート
 パスートとは別名 追従性眼球運動 といわれています。

動く物体を常に見続けて行う眼球運動です。

この動画で詳しく触れられています。

この動画では小児の方、中心に触れられていますが高齢者でも非常に重要なトレーニングです。

②サッケード
 サッケードは,視覚目標を視力の高い網膜中心窩で捉えるための急速眼球運動です。

中心窩は小さいためサッケードには高い正確さが求められます。 

この動画の運動です。

目的が違いますが十分に効果を発揮してくれる運動です。

ちなみにこのサッケードという運動、実践していただければわかるですが

高齢者は首がめちゃくちゃ動きます笑笑

この2つのエクササイズはトレーニングにもなりますし、評価にもなります。

ぜひ使ってみてください!!

今回は以上になります。

拙い文章でしたが見ていただき、ありがとうございました。

参考文献
1)金 憲 経  東京都健康長寿医療センター研究所 転倒リスクと歩行との関連 バイオメカニズム学会誌,Vol. 38,No.4(2014)
2)角 友起、岩本 義輝 サッケード運動学習の脳内メカニズム 視覚の科学 第31巻第1号

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