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腹横筋のエクササイズの疑問

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

腹横筋について

話していきたいと思います。

腰痛といえば

この筋と多くのセラピストが思い浮かべるぐらい

有名な筋肉ですよね。

実際腰痛の勉強をしていても

この筋の重要性が

耳に胼胝ができるほど

わかります。

そしてエクササイズ自体も腰痛に有効なのも

実感しています。

しかしこの筋について触れるなかで

疑問に思う点がありました。

その疑問について

今回は話させていただきますので

よろしくお願いします。

それでは始めます。



腹横筋について

腹横筋は

胸腰筋膜を介してくっついている筋肉です。

詳しい起始停止や支配神経については

解剖学書をご覧ください。

この筋の作用といえば

腹腔内圧を高めることですよね。

別の記事で触れましたが

脊柱の安定性には

水力学的増幅メカニズムが関わっており

この機能に腹横筋の重要性がかなり大きいです。

上記の機能以外にも

様々な機能があり

正直説明の必要はないと思います。


腹横筋のエクササイズの有効性

腹横筋のエクササイズといえば

ドローインですよね。

文献によっては

腹横筋の単独的収縮が可能(私は反対派です)

とも言われています。

このエクササイズが有効なのは

仙腸関節性腰痛と椎間関節性腰痛です。

この腰痛の判別の仕方は

成田崇矢先生の書籍を参照していただければ

わかりますが

患者さんに実践し腰痛の軽減があるなど

効果が実感できると思います。


疑問①なぜ働かなくなったのか

エクササイズの効果は実感できているのですが

ここで疑問がわきました。

まず思ったのは

なぜ腹横筋が働かなくなったのかです。

腹横筋の随意的収縮を学習し

収縮をしたまま

腰痛が誘発される動作を行うと疼痛が軽減する

といった感じなのですが

これはなかなかおかしいですよね。

何がおかしいのかというと

腹横筋の収縮をいきなり意識的に収縮しなければ

いけなくなった点です。

腹横筋は収縮できるのに働かないということは

モーターコントロールの問題だとは思うのですが

なぜそこまで重要な機能が働かなくなったのでしょうか。

腰痛患者は健常者と比べて

腹横筋のフィードフォワード制御のタイミングが遅い

というのは有名な研究ですが

これにも似たような疑問があります。

まとめていうと

腹横筋の機能を落とすメリットが見つかりません。

人間の身体は合理的にできていて

ROM制限や筋力低下にはメリットがあるはずですが

この筋の筋力低下につながる論理的な過程を

私の乏しい頭では想像できません。

誰かいい考察を知っている方がいれば

教えていただきたいです。



疑問② 意識的運動に運動学習効果はあるのか

この部分はしつこく触れている部分のため

あまり長くは書きませんが

意識的に運動をすることは

パフォーマンスの低下につながります。

一般人であれば有効かもしれませんが

アスリートにとっては致命的です。

私の治療の信念として

無意識化で動きを変える

があるので

私の中では少し反するものですね。



まとめ

・腹横筋の随意的収縮は腰痛の病態によっては有効
・腹横筋の機能を落とすメリットが見つからない
・意識的な筋収縮しながらの運動には間違いなくデメリットがある


今回は

これで以上です。

腰痛の治療をしていると

この問題が解決しないため

いつももやもやします。

原因療法につながらないからです。

臨床はわからないことだらけであり

休みでも考え込みます。

おかげで友達に話す話題が理学療法しか

なくなりつつあります。

とてつもない犠牲を払ってしまいましたが

日々精進していこうと思います。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

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