姿勢で運動療法は決まらない
こんにちは。理学療法士のこうやうです。
今回は
姿勢について
話していきたいと思います。
スウェイバックやカイホロードシスといったような
ケンダルに代表される姿勢分類は多くあります。
理学療法評価でも必ず行われるといっていいほどありますが
私は
姿勢評価で運動療法を考えるのは不可能
と考えております。
なぜそのように考えているのか
わたしなりに書かせていただきますので
よろしくお願いいたします。
姿勢で考える運動療法
私が姿勢から運動療法を考えることが通じないと思っている理由は
結論から言うと
矯正的な概念の治療は通用しないからです。
姿勢で運動療法を考えるとどうなるのでしょうか。
これはだいたい目指す目的は
姿勢をニュートラルポジションに近づけることだと思います。
理学療法はニュートラルポジションを重んじる文化が強いですからね。
しかしニュートラルを目指すと
かなり危うい点があります。
それは運動療法の選択肢が極端にしぼられることです。
これは理学療法士がプログラムを考える上で都合がいいですが
ただの仮説の段階でここまでしぼられるのはまずいです。
例えば円背の患者に対して行う運動療法は
胸椎伸展運動の一択になってしまいます。
しかし実際にやってみればわかりますが
胸椎伸展運動で逆に悪化する方もいらっしゃいますよね。
つまり運動療法の方向は矯正方向とは限らないということです。
矯正方向にしていい結果がでることもありますが
100%ということはありません。
見た目だけで運動療法の方向性はみえない
結局のところ、いえるのは
見かけのみで運動療法を実施してはいけないということです。
例えば肩関節周囲炎患者は患側の肩甲帯が
小胸筋の緊張などにより外転位になっていることが多いので
小胸筋のストレッチが第1選択となることが多いですが
これすらやってみないと何もわからないのです。
姿勢や動作は目に見えますが
脳の中は残念ながら何も見えません。
しかし私たち、理学療法士のアプローチの対象は
どうやっても中枢神経系であり
ここから逃れるすべはないのです。
理学療法プログラムを組むのに
一番必要なのは患者さんに間違いなく良好な変化が出る証明です。
これは実施しないとわからないものです。
効果判定を必ず行ってから理学療法プログラムを決定しましょう。
余談ですが
脳のネットワークという本を読んだのですが
数式や専門用語ばかりが並び
はちゃめちゃに何が書いてあるかわかりませんでした。
しかし実は脳科学の入門書らしいんです。
脳を代表した中枢神経系に私たちはアプローチしていますが
この中枢神経系は謎ばかりです。
実は私たち、理学療法士は人体という
もうひとつの宇宙を相手にしているのかもしれません。
宇宙がシンプルに解明できることは決してありませんよね。
それと一緒で
理学療法が
「結局・・・だな」「・・・は正義」
というシンプルな結論にたどり着くことはないのです。
今回はこれで以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?