自分ができることをメンバーに任さないのは、結局、めんどくさいだけなのか?
1.メンバーに仕事を依頼するのは得意ですか?
あなたは自分の仕事をメンバーに依頼するのは得意でしょうか?
仕事ができる人、自分の仕事に誇りがある人、他人の感情に敏感な人は、なかなかメンバーに仕事を依頼できず、自分でやってしまう傾向があります。
どのようにしたら仕事を上手くメンバーに依頼できるのでしょうか?
まずは、「自分ができる仕事」をメンバーに依頼する。そして、
次に、「自分ができない仕事」をメンバーに依頼する。
この順番で説明していきます。
2.自分ができる仕事を、自分で抱え込んでいませんか?
まず、「自分ができる仕事」をメンバーに任せるのは、よくよく考えれば、自分ができる仕事なので、教えるのは簡単なはずです。ただ、多くの人が億劫でやりたがりません。
その理由は、自分の方が上手くできるし、スピードも速いわけです。また、メンバーから出てくるアウトプットも自分よりもだいぶ質が悪いことにイライラしてしまうわけです。
「なんでこんなに遅いの?」「なんでこんなに時間をかけてこの品質なの?」という具合で、自分でやってしまうようになります。
また、自分自身が”プレイヤーとしてのできる感”を担保しておきたいという気持ちを手放せないこともあります。
いずれにしても、めんどくさがって自分がいつもまでも仕事を抱えると、自分自身が忙しくなり、一方で、部下は暇になり、上司や組織の粗探しをし始め、評論家になってしまうのです。このようなチームの業績は上がるはずがありません。
ですから、プレイヤーとしての自分の仕事をいかにメンバーに渡し、気持ちよく仕事をしてもらうかが大切で、その結果、プレイヤーとしての自分の仕事をいかに暇にできるかが重要になるのです。
最初の難関は、この自分ができることをいかに渡せるか、これが一番簡単ですが、一番めんどくさいのでこれをまずは乗り越えましょう。乗り越える方法は、自分ができる仕事を渡すだけですから、めんどくさがらずにやるしかないということです。
3.自分ができない仕事をメンバーに依頼していますか?
自分よりできるプレイヤーを育て、マネジメントするのがリーダーの仕事です。自分の方がチームメンバーよりプレイヤーとして優秀だとすると、チームとしてはまだまだ未成熟と言わざるを得ません。チーム内のそれぞれのメンバーが担当する小さな分野では、メンバーの方がプレイヤーとして優秀であるべきです。
メンバーは、リーダーに比べれば仕事の領域は小さいはずです。それにも関わらず、リーダーよりプレイヤーとして成果を出せないのであれば、余程、リーダーのマネジメント能力が低いのではないかと疑われてしまいます。
ですから、リーダーは、プレイヤーとして自分よりもできる人を育てることでリーダーとして認められるということになります。
難しいのは、メンバーは、全てにおいてリーダーの方が優っているべきだと思っている点です。チームリーダーのマネジメント活動は、その考え方をひっくり返していくのが仕事なのです。
そのためには、どうしたらよいでしょうか?
まずは、相手を認めるコミュニケーションが最も効果的なアプローチになります。「今、こんなところが強みだと思う」「これからもっと〜がよくなるよ」というような、”今”と”未来”に向けた承認をしていくことが大切です。
この承認のエネルギーによって、メンバーは行動ができるようになり、かつ、気持ちよく自ら進んで働いていくようになるので、成長角度も高まっていきます。
以上、3つ視点からメンバーを活かすチームマネジメントについて述べて参りました。少しでも参考になれば幸いです。
本日もお読みいただきありがとうございます。
講師ビジョン株式会社
島村 公俊
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