向乃杳

こうのよう です。カクヨムで小説を書いている高校生男子です。

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【映画批評vol.1】人生を変えられた映画がある『あの頃、君を追いかけた』

向乃が小説家を志望するようになったのにはきっかけがある。それこそが今回紹介する映画「あの頃、君を追いかけた」の視聴にあった。 あれは中三の春、向乃は衝撃を受けた。ただ、この時見たのは、厳密に言うと今回紹介するリメイク版ではなくて、原作にあたる台湾版なのだ。そう、今回のnoteの趣旨は、向乃の心を揺るがした台湾版をリメイクした日本版を徹底批評(非難?)することだ。 初めに言っておくが、向乃は台湾版、日本版合わせて35回以上は見ているし、日本語翻訳版の小説も繰り返し読

    • 【映画批評vol.5】戦闘シーンがカッコ良すぎる映画がある『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』

      この度、『仮面ライダー555』20周年記念特別配信と題して、今作がYoutubeで、期間限定で無料配信される運びとなった。配信期間は明日31日までなので、未視聴の方はぜひお急ぎください。 ファイズの放送時、僕はまだ生まれていなかったし、小さい頃に親が借りてきてくれたDVDで全編見たはずが、何も覚えていないので、ファイズへの特別な思い入れはない。しかし、後にYoutube上で変身シーンや戦闘シーンの切り抜きを見て、今ではビジュアル的にかなり好きなライダーの一人となった。そ

      • 【映画批評vol.4】岩本蓮加が主演の映画がある『世の中にたえて桜のなかりせば』

        岩本蓮加が主演の映画があると聞いて、乃木坂ファンの僕は震えた。ドラマやバラエティへの出演を通して、世間の知名度を彼女以上に獲得しているメンバーが、グループ内にはいるからだ。その尖った人選に惹かれて、今作の視聴に至った。 今作のタイトルは、かの有名な在原業平の和歌からとられている。せば〜ましの反実仮想を用いた基本的な例文であり、古典を履修する高校生は、ここを避けては通れない。かくいう僕も、初めてタイトルを耳にしたとき、真っ先に体系古典文法が頭に浮かんで、嫌な気持ちになった

        • 没個性の緑

          高校時代、体育の授業でサッカーをやったことがあった。 「よし、じゃあ各チーム誰か一人、キーパー出してくれ」 クラス内で2チームに分かれたあと、体育教師がそう言った。すると、僕のチームのメンバーが途端にそわそわし始めた。 皆やりたくないんだな。僕はすぐにそう察知した。よく見ると僕のチームは、体育祭の最前線にいるような、動き回りたくて仕方ないやつらばっかりだった。対する僕は運動が苦手だった。中でもサッカーは大の苦手。もし出来ることなら、永遠にグラウンドの中心を彷徨って

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        【映画批評vol.1】人生を変えられた映画がある『あの頃、君を追いかけた』

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          【映画批評vol.3】新海誠の汚点と言われている映画がある『星を追う子ども』

          向乃は新海誠オタク、新海誠フリークである。多分「君の名は。」が流行った時期に、「君の名は。」を観るより先に「秒速5センチメートル」を小説で読んだ稀有な人種だと思う。劇場公開作は全部観ていて、一番好きな作品は「雲のむこう、約束の場所」。だから本当はここまでに挙げた3作から選んで批評するのが筋なんだが、敢えて違う作品を持ってきた。 今作は、新海作品唯一の失敗作として挙げられることが多い。実際、新海誠監督作唯一の赤字らしい。事実は否定しようがないが、今回はファンとしてのメンタ

          【映画批評vol.3】新海誠の汚点と言われている映画がある『星を追う子ども』

          いつか恋しく思わなくなる

          高校を卒業した。言いようもなく、美しい瞬間だった。そして意外だった。自分がこういう類のことで、切なさをおぼえるような人間だったとは。 中学の卒業式と何が違ったんだろうと思った。僕の場合は小学校・中学校と顔ぶれが変化しなかった。そんな長い9年間の終わりよりも、ここ3年間の節目のほうが胸を締めつけるのは、どうしてなんだろうと思った。 もしかしたら各々が、交わることのない、完全に違った道へと分岐していくと、明確に意識し始めたからなのかもしれない。中学校の卒業式は、あくまで

          いつか恋しく思わなくなる

          同人誌で抜いたって言いづらい

          前回小難しい話をしたから、今回下らない話をすることでバランスを取りたい。だが、下らないからといって軽んじてほしくはない。こういう話を真剣に取り合える人でなければ、きっと深刻な話題も理解できないからだ。 男なら誰しも自分磨きをする。自分磨きには興奮材料が必要である。そして男には、互いの興奮材料を知らせ合う習性がある。というか、そんなことばっかりしている。だって楽しいから。 思い返せば中学生の頃、女の子と付き合うということが意味するところを知るより先に、そういう話に花を

          同人誌で抜いたって言いづらい

          戦争がなくならない世界で歴史を学ぶ意味

          学校の歴史の授業において、歴史を学ぶ意義について、こう話す教師がいたのを覚えている。 「先人たちが犯してきた間違いを教訓に、私たちはそれを繰り返さないようにすることが大切だ」 しかし同時にこういった言葉もある。 「歴史は繰り返す」 いつからであったかは思い出せないが、その矛盾がいまいち腑に落ちないと、歴史の教科書をめくる度に思うようになった。この教科を学ぶことが、果たして何かの役に立つのかと考え始めた。これは決して、共テで日本史の点が一番低かったことへの腹いせで

          戦争がなくならない世界で歴史を学ぶ意味

          乃木坂46の日

          今日は乃木坂46の日である。言い換えると、今日は乃木坂46のデビュー12周年にあたる。 向乃が乃木坂46のファンになったのは、なぁちゃんの卒業からまいやんの卒業までの時期である。つまり、ファン歴でいうと5年になる。グループの歴史から見れば半分にも満たないが、この間だけでも、たくさんの試練が降りかかってきた。 昨年の1・2期生全員卒業は、ファンにそれなりの衝撃を与えた。グループの未来を案じたファンも、少なくなかったはずだ。それは例えば、『裸足でSummer』あたりの無

          乃木坂46の日

          【映画批評vol.2】絵に描いたような失速を見せる映画がある『騙し絵の牙』

          前回やった「あの頃、君を追いかけた」批評があまりに楽しくて、すぐまた映画批評をやろうと思った。だが、題材に迷った。というのも、好きな映画は山ほどあるんだが、面白いとだけ思っている作品の批評は、難しい。良くできているところとそうでないところが明確に存在し、かつそれなりの熱量を持って書ける話題。まあ「あの頃、君を追いかけた」に関しては、向乃が見過ぎて欠点が見えてくるっていう熟年離婚スタイルなんだが、とにかくあれ以上に最適な映画なんてないことは承知している。 そこで今回は「騙

          【映画批評vol.2】絵に描いたような失速を見せる映画がある『騙し絵の牙』

          『リアリティーショー』とかまじ笑える

          向乃は「オオカミには騙されない」シリーズを、一作目から見ている稀有な男子高校生だ。女子高生人気ナンバーワンの恋愛リアリティーショーと聞いて、「JKと恋する第一歩だ」と思って見始めた。それなのに、学校の女子はK-POPの話ばかりしていて、その話題を共有することはほとんどなかった。結果、所謂Z世代のモデルや歌手に詳しいだけの、悲しい男が誕生した。ちなみに先に言っておくが、「今日好き」とか「恋ステ」とかは全然知らない。 それにしても、「リアリティーショー」なわけあるか、と思う

          『リアリティーショー』とかまじ笑える

          頑張った僕等へ

          共通テストが終わった。高校時代、僕らがやってきたことの価値を証明するかの如く、その全てをぶつける大一番に臨んだ二日間。僕らは本当によくやったと思う。 大人はよく「歳をとれば、受験の失敗なんて笑い話だ」と言うけれど、やっぱり怖い。たかが学力試験を人生の分岐点と捉えられる純粋さは、やはり僕らの生真面目さゆえなのかもしれない。だからこそ、共通テストというものに好きなだけ意味づけできるというのは、専ら僕ら学生の特権といえる。共通テストによって人生が変わると信じ、その意味が重くの

          頑張った僕等へ

          M-1優勝したから古参アピ

          【⚠ネタバレ注意⚠】 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ようやくm1の熱が収まってきて、冷静に文章が書けそうな頃合いとなった。 令和ロマン、おめでとう!!!!! 向乃はかねてから令和ロマンの大ファンだった。初めて「ネタパレ」で漫才を見て虜になり、そこからずっと追い続けてきた。ネタでいうとファイナルラウンドでやった「町工場」をはじめ、「子ども」「戦国」「秋元先生」「ラーメン」あたりが大好きだ。Youtubeチャンネル「of

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          back numberが大好きで大嫌い

          「ハッピーエンド」は名曲だと思う。中学のときにback number好きの友人に勧められ、初めて聴いたとき、衝撃を受けた。 失恋を描く邦楽は山程あるが、back numberの作る音楽ほど共感できるものは少ない。「ハッピーエンド」には、失恋の悲しみを冗談めかして話すことで薄めようとする、少女の健気さが歌い上げられている。そう、とにかく健気なのだ、この曲は。そして恋の終点に立つ人間もまた、健気なのだ。 何より「ハッピーエンド」というタイトルが健気だ。歌詞を見ると、とても

          back numberが大好きで大嫌い

          卵は一人で仕事してほしい

          液状の卵が苦手だ。 正確に言うと、他の料理と液状の卵が絡み合うのが苦手だ。でも、目玉焼きやゆで卵は半熟がいい。つまるところ向乃は、生卵が他の料理と仕事してるのを見たくないのだ。 月見うどんを思い浮かべると分かりやすい。麺と絡んだ卵が澄んだつゆに浸かった瞬間、二種類の液体が混ざり合う。それを見ると「うわ、汚え」と思ってしまう。つまり、生卵をかけることで、料理を台無しにしている罪悪感をおぼえるのだ。このとき、卵は他のトッピングとは明らかに異質だ。なぜならそれは、ただ上

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          恋するアイドルはバイトテロ

          なにわ男子という、文春砲を3連発で食らっている超ホットな旧ジャニーズグループがある。Xを見ていても、ファンの困惑ぶりと怒りが見える。かくいう向乃の母も大打撃を受けたファンの一人だ。 アイドルの熱愛報道が出る度に論じられるのが、恋愛禁止という掟の妥当性だ。永遠のテーマであるかのように考えられているが、向乃には明確な立場がある。 この問題には、賛成派と反対派、すなわち「アイドルは恋愛をしてはいけない」派と「アイドルも恋愛はする」派がいる。こういう対立が起きると、「価値観

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