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人間力を試されたい

こんにちは。高校5年生です。

記事を書いている現在は6月後半に差し掛かったところですが、私はまだ就職活動を続けております。3月、4月に比べると忙しさは落ち着き、選考がない日の方が圧倒的に多くなりました。毎日ZOOMの画面に向かって喋っていた頃が懐かしくもあり、もう戻りたくない気持ちもあります。

終盤に向けて着々と進んでいる就職活動ですが、昨日、対面でとある企業さんの選考を受けてきました。今選考に残っている中ではダントツ1位で入りたい企業さんです。前日の夜は興奮してなかなか寝つけませんでした。

今回は、書類選考→筆記試験→1次面接という流れを通過してきた受験者が集まる選考でした。最初の段階でどれくらいエントリーシートを出した方がいるのかは分かりませんが、誰もが知る大手の企業さんなので何となく想像できます。その中から選ばれた受験者は思ったより少なく、この時点でもうこれだけの人数に絞っているのだとビックリしました。

選考はグループワークでした。3人ずつのグループに分かれ、お題に沿って話し合うものです。内容には触れませんが、ここで1つ私が衝撃を受けた受験者についてお話しします。

それは私と同じグループになった同い年の男の子でした。ビシッとスーツを着て、髪もきれいに固めておりました。しかし私は彼の右手から目が離せなくなります。ついさっきその辺のコンビニで手に入れたであろう、コンビニ袋を提げていたのです。

彼は何食わぬ顔でコンビニ袋をドサッと机に置き、座りました。袋からはおにぎりとペットボトルのお茶が透けて見えております。もう片方の手に持っている黒い鞄は床に置いていたので、「荷物は床に置く」というマナーは知っているようでしたが、コンビニの袋を提げて選考会場に来る、しかもそれを机に置くということに衝撃を受けました。

彼が着席して間もなく、人事担当の方が書類を渡しに来ました。名前を書く欄について指示されます。彼はペットボトルのお茶を出し、片手に握って話を聞いておりました。言葉遣いはきれいでしたが、「せめてペットボトルは置いてから話を聞いた方が良いんじゃ……?いや、そもそもペットボトルとおにぎりは鞄に入れてから来なよ……」と見ていてハラハラしました。さすがにおにぎりを食べることはしませんでしたが、彼はおにぎりの入った袋を椅子の下に置きました。鞄を置くときに「ドスン!」と離れていても聞こえる音がしたので、きっとパンパンで、おにぎりとお茶を入れるスペースがないのでしょう。

「私だったらお茶とおにぎりを入れるスペースくらいは空けておくかなぁ……もし鞄に入らないようだったら、選考が終わるまで買わないようにするかな……。百貨店の紙袋でも提げていたら何だかみっともないと思うのに、コンビニ袋を堂々と提げて選考会場に入るなんて勇気があるなぁ……」
彼を見ながら、私だったらどうするかということを考えておりました。

その後の自己紹介タイムで、彼が誰もが知る名門大学の4年生であること、今回の選考のために東京から飛行機でやってきたことを知りました。大学がどこだから、というのは関係がありませんが、きっと優秀な学生さんなんだろうなということは分かりました。私とは比べ物にならないほど受験を頑張ってきて、私が知らないことをたくさん知っている方なのでしょう。ただ、この選考で彼が通過して私が通過できなかったら悔しいですね。彼が通過したかどうか分かる術はありませんが。

受験者だからこそ分かることはたくさんあります。
選考を終えて他の受験者の方と駅まで一緒に帰るときがありますが、選考会場とは喋り方が全く違っていたり、建物を出た瞬間本音を漏らしていたりする方もいらっしゃいます。選考会場ではすごく良い印象があった分、そういう方に出会うとショックです。もしかしたら未来の同僚、同期になるかもしれない方だからです。
「面接って、どんだけ嘘つくかだよね~」と言われたときは「え……あれ嘘なの??」と悲しかったです。どの場面を指して言ったかは分かりませんが、その方は感動的なお母さまとのエピソードや、熱い志望動機を話していらっしゃったので、「あの中に嘘があったの?!」と信じられませんでした。

私がマナーに対して、また選考に対して厳しく考えすぎなのかもしれません。コンビニ袋を提げて選考会場に入ることくらいどうってことない、人の評価はそんなことでは決まらないし、仕事の出来には関係ないという方もいるでしょう。面接で話を盛っているのは普通だし、嘘をついている可能性があることも面接官は分かっているという方もいるかもしれません。しかし私は、そういう細かい部分に人間性や普段の暮らしぶりが出ると思います。スキルや経験を買われる中途採用者ならともかく、私達はスキルも経験もない新卒採用者です。「TPOに応じて振る舞えるか」「信頼に足る人物か」といった“人間力“をよく見て評価する企業さんに、私は入りたいです。

以上、「人間力を試されたい」でした。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。

また、次の投稿でお会いしましょう!