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世界史

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記事一覧

ヨーロッパ君主血脈ヒストリー②:スペイン

1.はじめに連載企画「ヨーロッパ君主血脈ヒストリー」第2弾はスペイン王室です。以下、連載の基本的なルールです。

①基本的には現在の君主から遡って最大7代前まで(重複が無ければ128人)の祖先について、調べます。

②2代前(祖父母)までは詳細に、それ以前の祖先は血脈の濃い祖先のみ紹介する。

③調査項目は、どこの王公家に由来するか、どこの王公家の血脈が濃いのかなどです

④現在の君主の片親が民間

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ヨーロッパ君主血脈ヒストリー①ルクセンブルク:ハプスブルク家、ブルボン家にベルギー王室、祖先は意外に名門のヨーロッパの小国

1.はじめに今回より、連載企画として「ヨーロッパ君主血脈ヒストリー」をシリーズでアップすることにします。以下、簡単な概要です。

①基本的には現在の君主から遡って最大7代前まで(重複が無ければ128人)の祖先について、調べます。

②2代前(祖父母)までは詳細に、それ以前の祖先は血脈の濃い祖先のみ紹介する。

③調査項目は、どこの王公家に由来するか、どこの王公家の血脈が濃いのかなどです

④現在の

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デンマーク王室に受け継がれたプロイセン王室の血統

プロイセン王国とは「プロイセン」を名乗る国家が出来たのは、神聖ローマ帝国の諸侯であるブランデンブルク選帝侯アルブレヒト・アヒレスの孫にして、ドイツ騎士団長であったアルブレヒトが宗教改革の最中にルター派のプロテスタント国家としてプロイセン公国を建国したことに始まる。

ブランデンブルク選帝侯は代々ホーエンツォレルン家が務めており、初代プロイセン公アルブレヒトの男系子孫が途絶えた後は、ブランデンブルク

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ヘッセン家の二系統(カッセル、ダルムシュタット)について【金融ユダヤ・ロスチャイルド陰謀論】

1.はじめにロスチャイルド家と言えば、聞いたことが無い者はいないだろうとも思われる世界トップの金持ちであるが、「彼らとて欧州貴族の手下にすぎず、特に初代のマイアー・アムシェル・ロートシルトを取り立てたヘッセン家は、ロスチャイルドの主人」であると、まことしやかにささやかれている。

そのヘッセン家であるが、カッセルとダルムシュタットの主要二系統に分かれることは意外と知られていない。どちらもドイツ・ヘ

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トンデモ科学フラットアース説と大航海時代(世界史再検証)

トンデモ科学フラットアース説と大航海時代(世界史再検証)

1.フラットアースとはフラットアースとは、地球は球体ではなく、世界の果ては滝になっているという説ですが、なかなかに非科学的なため、その提唱者はインチキと言われる傾向にあります。誰がどんな目的でフラットアースを提唱しているかは定かでは無いですが、フラットアース提唱者にとって都合が悪い歴史上のイベントは大航海時代でしょう。ヨーロッパを東に行っても、西に行ってもインドに到達することが分かり、地球が球体で

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ロスチャイルドの雇い主ヘッセン・カッセル家はエリザベス女王の先祖

1.はじめに本日は世界的な大富豪一族ロスチャイルドの雇い主として有名な、ヘッセン・カッセル家が、現在の複数のヨーロッパ王室の先祖であり、エリザベス女王も例外では無いという話です。

2.ヘッセン・カッセル家とはヘッセン・カッセル方伯領は、神聖ローマ帝国の領邦国家であり、現在のドイツヘッセン州の一部です。

フリードリヒ2世(在位1760年~)は、ハノーファー朝イギリス王ジョージ2世の娘メアリーと結

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ヘンリー8世の1回目の離婚は必然だった?(世界史再検証)

ヘンリー8世の1回目の離婚は必然だった?(世界史再検証)

今回取り上げるのは、テューダー朝イングランド王ヘンリー8世です。ヘンリー8世と言えば6回の結婚、4回の離婚をし、離婚問題でローマカトリック教会を脱退し、イングランド国教会を立てたことで悪名名高いですが、宗教問題にまで発展した1回目の離婚は、決してヘンリー8世のわがままだけでは済まない状況があったのでは無いかというお話しです。

ヘンリー8世の1回目の結婚はカトリック両王と呼ばれたアラゴン王フェルナ

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スペイン・ハプスブルク家、滅亡へのカウントダウン(多重近親婚と遺伝病)

1.はじめにヨーロッパ各国の王室では、高貴な血脈を維持するため、伝統的に近親婚が行われてきたが、時として遺伝病が多発し問題になった。最たる例は、ご存知の方も多いと思うが、16世紀にはヨーロッパ最大の繁栄を誇ったスペイン・ハプスブルク家の、下顎前突症による特徴的な顔貌と、未熟児の多発による滅亡である。

2.なぜ遺伝病が起こるのか今回、近親婚で遺伝病が起こりやすい理由を調べたところ、メンデルの遺伝学

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フランス革命はブルボン家のイエズス会潰しに対するハプスブルク家の仕返しだった!?

1.はじめにフランス革命(1789~1799年)は一般的には、史上初の市民革命の成功事例と言われる。フランス革命を契機に、ヨーロッパの政治は絶対王政から民主主義に移行しはじめたことは事実であり、歴史的に重要なイベントであることは間違い無い。

しかし、フランス革命の背後で起こった出来事を調べると、それ以外の要因もあるのではないかと思えてきました。

2.イエズス会解散(1773年)を取り巻く状況イ

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