見出し画像

第3章 私が生きるためにした選択。病気の全貌と選択した治療内容


●病気の全貌

私がなった病気は「仙骨ユーイング肉腫+肺転移」というものです。ユーイング肉腫とは骨に悪性腫瘍が発生する病気で、日本では年間数十人しかならない希少ガンの1つです。また、10~20代がなる若年性の希少ガンで、発症の原因は不明でした。遺伝とかも関係ないそうです。あるデータによると、ユーイング肉腫の5年生存率は60~70%なのですが、転移があった場合は20~30%とかなり厳しいです。私の場合は肺に転移があるため5年後に生きている確率は20%くらいということになります。

また、医者からは「正解の治療法はなく、手探りでやるしかない」と言われました。私の場合は仙骨(腰のあたり)に腫瘍ができたため、手術で切除することが難しく、抗がん剤と放射線で治療するしかないという状況だったのです。医者からは「もし治療後に腫瘍が残っていた場合、命は厳しい。治療がうまくいって、完全に腫瘍が消えたとしても再発してしまったら治療法が他にないため、その場合も命は厳しい。」と言われました。

私は将来、家庭を持ちたいので、子供のことについても医者にきいてみました。医者からは「この病気と遺伝は関係ないので、将来の子供にはなにも影響はない」と言われてホッとしました。(笑)


●選択した治療内容

私の病気は治療法が確立していないため、治療を組み合わせることで対処していくことになりました。既存の治療法3つを組み合わせて実施をしていく方針を医師から提案され、私も同意をしました。そのため行う治療は大きく3つに分かれます。

1.抗がん剤治療(6クール×2種類=12回の抗がん剤治療)
VDCとIEという2つの抗がん剤を交互に6回ずつ行う治療です。この2つの薬は抗がん剤治療の中でも強度が高い薬だと説明を受けました。抗がん剤治療の中には通院でできるような副作用が軽い薬もたくさんあります。しかし私の場合は病気が進行しており、さらには若いため進行のペースも早いため一刻も早く効果がある治療をする必要がありました。特にVDCという薬は心臓に大きく負担がかかる薬だと説明を受けました。一生で使える上限量が決まっていて、それ以上投与すると心臓に異常をきたして死に至る可能性がある薬だそうです。私の場合、この薬を上限量ギリギリまで使うこととなりました。なので治療中に心臓が持たなくて死に至る可能性があるという説明も事前に受けました。

治療のペースについては医師からは2つの選択肢が与えられました。1つ目は2週間おきにやる。抗がん剤の強度が高いため体力的にきつくなるが、効果は高まる。でも体に大きな負担がかかるため治療で命を落とす人もいる。2つ目は3週間おきにやる。体力が回復してから次の治療を行うことができるし、家族と過ごせる時間も増えるが延命治療に近い。
私は前者の2週間おきに治療するという選択をしました。治療する目的は延命ではなく完治だったので、治療がきつくてもリスクがあっても、効果が期待できる選択をしようと思いました。


2.超大量抗がん剤+自家末梢血幹細胞移植
白血病などでも用いられる治療の1つです。強力な抗がん剤を1度だけ行い、全身の腫瘍を消すことが目的の治療です。しかし、強度が高いため体内の白血球や血小板がなくなってしまうので、移植や輸血が必要になります。そのため自分の幹細胞を事前に採取しておき、後から体内に戻すという治療になります。約1カ月の入院が必要な治療です。


3.陽子線治療
全身の癌が消えたとしても、仙骨には腫瘍が残るため、そこにピンポイントで照射して腫瘍を消すという治療です。約1か月間、毎日の通院が必要ですが、1日10分程度で終わり、副作用も少ない治療です。ただ、照射箇所の神経に後遺症が残る可能性があると医師からは言われました。神経にも照射されてしまうと神経麻痺になってしまったり、歩けなくなることもあるそうです。車椅子生活になることも考えられるという話でした。


この3つの治療を約1年間かけて行い、完治を目指すことを決めました!
数え切れないほどのリスクと不安がありますが、生きるためにはやる以外の選択肢はないと気持ちを切り替えて治療をスタートさせました。

それぞれの治療の様子や日常生活の違い、体調の変化などを次回以降お伝えしていきます。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


頂いたサポートは闘病生活に使わせて頂きます🙇🏻‍♂️ 最後まで読んでいただき、ありがとうございました☺️