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読書感想文【読書という荒野】見城徹著

こんにちはコウカワシンです。

今回は、見城徹(けんじょう・とおる)さんの著書【読書という荒野】から学ばせていただきます。

本書は、「読書とは人生の道しるべを探す旅」であるを知る本です。

著者の見城さんは、幻冬舎の社長さんです。

角川書店の元社長角川春樹(かどかわ・はるき)氏に見いだされ、文芸編集者となりますが、その後、独立し幻冬舎を創立。

五木寛之(いつき・ひろゆき)さんや石原慎太郎(いしはら・しんたろう)さんといった大家の作家に対し作品依頼を体当たりで口説き落とし、村上龍(むらかみ・りゅう)さん、林真理子(はやし・まりこ)さんといった当時売り出し中の新興作家を見出すといった大仕事をされてきました。

そんな見城さんは、幼少のころから読書の虫。「読書の量が人生を決める」と主張します。

なぜ読書をすることが人生を決めるのか?

なぜ読書をすることが人生を決めるのかについては、次のことがあげられると思います。

  • 自己の経験のない「別の世界」を体験することができ想像力を磨くから

  • 一つの考えに凝り固まっていては現状維持のまま終わるから

  • 本の言葉を自分内で肉体化し自分の言葉にできるから

いろんなジャンルの読書をすることで自分の知らない世界を知ることができます。それにより想像力を磨きます。

そのうえ、それまで自分自身が持っていた価値観や考えが吹っ飛ぶような体験ができるかもしれません。

一つの考えに凝り固まっていては現状維持のみに終わりますが、読書の結果、一段高いところに行く可能性だってあるのです。

本から得た言葉は、自分の中に取り込まれ、さらに肉体化し、自分の言葉にすることだってできます。

見城さんはこのことを、「言葉を武器にする」とまで言い切ります。

読書を人生の糧にするためには何が必要か?

読書を人生の糧にするためには次のことが必要です。

  • 「自己検証」「自己嫌悪」「自己否定」

  • 作家の意図をくみ取る力

  • 理想を現実にする実行力

見城さんは「自己検証、自己嫌悪、自己否定」の三つがなければ、人間は進歩しない」と言います。

自己検証で自分の思考や行動を客観的に見直し修正しなければいけませんし、自己嫌悪において自意識過剰や自己顕示欲を恥じ、自己否定によりまだまだな自分に反省し新たな自分を手に入れるための土台にしなければいけません。

それから、読書により文中に秘めた作家の意図をくみ取り、自分なりに解釈する力も必要です。

ヘミングウェイが『老人と海』を通じて、主人公の老人がカジキマグロやサメと格闘するシーンから見城さんは、自分の生きる意味について考えたと言います。

読書とは、著作を通じての作家との対話です。

作家が心血注いで書き上げた意図をくみ取る力がないとせっかく時間を割いて読み進める意味がありません。

読書は、実生活にない世界や理想を見せてくれますが、理想を現実にしたいと思うことはないでしょうか?

見城さんは自著『たった一人の熱狂』の中で、テルアビブで銃を撃った奥平、安田両氏の革命思想に接し、自らの生き方を変えたと語っています。

本から得た新鮮で高い理想をただ心に留めておくのではなく、得たものを自分なりに活かし行動に移す実行力さえあれば鬼に金棒です。

それこそ本を読む醍醐味というものでしょうね。

どのようにすれば読書を人生の道しるべにできるか?

本から得たことを人生の道しるべにするには次のことが有効な気がします。

  • 本から何を読み取るか

  • 本の言葉に苦しみ苦しんだ分を成果に上げる

  • 真面目くさらず狂って色濃く生きる

ちょっと意味不明なことばかりに見えますが、要は「本の意図を自分なりに嚙み砕き自分の人生に活かしてみる」です。

本によっては難解で今の自分では読みこなせないものもあると思います。難しくても何か惹かれるというなら苦しみながらでも読んでみましょう。

ぜんぜん惹かれないなら読まなくてもいいと思います。

私もドストエフスキーの『罪と罰』がなかなか読み進めずに苦しんだことがありました。

でも何か惹かれるので頑張って読みました。読めば読むほどのめり込んだことをいまだに忘れません。

このときの自分は狂っていたなとも思います。取りつかれたように主人公ラスコーリニコフの思想に魅せられました。

文中のラスコーリニコフは、犯罪を犯し、その罪を逃れるために頭の良さを利用してあー言えばこう言うといった感じのいけ好かん奴のようにも感じましたが、なぜか人間臭く「自分もこうなんだろうな」と思わせてくれました。

これが本との対話なのでしょうね。

見城さんが読書をすることで人生が拓けて見えるというように語られるのを自分なりに思い出していたというところです。

「人生の道しるべ」というと大げさですが、読書にはそれだけのパワーがあると私も思います。

そういった意味で、この【読書という荒野】は読書の新たな楽しみを教えてくれるといえます。

一度読んでみて、読書の魅力を再確認するのもいいのではないでしょうか。





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