【番外編】医療ユーザーになって思うこと|ぽんずのつぶやき
こんにちは!ぽんずです🐼
治療中の内科疾患のほか、最近椎間板ヘルニアを再発しました。しばらく落ち着いていたのに…ほんと痛くて嫌になっちゃう。
そんなこんなで内科と整形外科に通院中です。
今回は交換日記ではなく、番外編として医療ユーザーになって思うことを書いていきます。
対人援助職として私が意識してきたこと
心理職の働く場は医療、福祉、教育等々広くありますが、私はこれまで医療現場を中心に働いてきました。
今はリモートワークなので現場から離れつつ、オンラインでできる対人的な業務は続けています。相手は患者さんだったりそうでなかったり、いろいろなタイプの方とお話しする機会をいただいています。
その中で特に意識してきたことを2つピックアップしました。
ユーザーにチャンネルを合わせる
教えていただいた表現は異なりますが、教育課程でも職場でも大切だと言われてきたことです。
『最近どうですか?』
このように回答の自由度が高い質問の仕方をオープンクエスチョンと言います。相手から広く情報を取りに行けるので、相談の場ではよく用いられていると思います。
オープンクエスチョンは有用な手法である一方で、間口が広い質問だとどう答えたら良いかわからない、ないし不安になるといった方も少なからずいらっしゃいます。
そういう場合は『最近休みの日は何をしていますか?』と少し回答の幅を狭めたり、『最近お散歩はしていますか?』とYES/NOで答えられるクローズドクエスチョンを使ったりします。
相手の様子を見ながら、相手のタイプに自分のチャンネルを合わせていく。これって対人援助職に限らず、日常的なコミュニケーションの場でも意識/無意識的に発動しているものなんでしょうね。
対人援助職の場合はその姿勢がユーザーへの安心・安全な場の提供に繋がりますし、その土台があるからこそ相手が何を求めていらしているのか(=ニーズ)をより適切に把握できるようになるんだと思います。
自分の理解・認識が合っているか確認する
相手のお話を聞いているうちに『なるほど、この人はこういう思いを抱えて相談にいらしたんだな』と飲み込めたように感じますが、これはあくまで自分なりの理解・認識です。
自分が行った理解・認識が相手にとっての真意であるかどうか、慎重に見極める必要があります。
確認方法としては、シンプルに相手が話したことを繰り返したり要約したりするといった手法があります。これ、カウンセリングの基本的な技法なんですね。
そして、それを正しい意味で可能にするために大切なのが土台作り。上述した通り、相手にチャンネルを合わせて安心・安全な場、ないし関係性を作っておくことです。
自分心理職っす~^^とプライベートの場で話すと『じゃあ、今私が何を考えているかわかる?』なんて興味を持ってくださる方も一定数いらっしゃいますが、専門職と言えどそんな超能力的なことはできません笑
多くの場合、相手への理解を含む我々心理専門職の仕事は、相互的な関わり(言語ないし非言語的コミュニケーション)によって可能になります。
生きてきた文化・環境が違う人同士だからこそ、相手の話をしっかり聞いていたとしても勘違いやずれが生じることもあります。コミュニケーションのずれをそれ以上大きくしないために、『こういうお話だと私は理解しましたが、認識は合っていますか?』というような確認を早い段階で入れるのです。
(※コミュニケーションのずれをなるべく生じさせないためにも、我々はトレーニングを行ったり第3者の目を入れる等して自分自身のモニタリングを行ったりします)
当たり前のことばかりですが、コミュニケーションのプロとも言える対人援助職として、どんなに経験年数を重ねても最低限意識しておくべき事項だと思っています。
医療ユーザー側になって思うこと
私自身、相手のニーズをガシッと掴むことに難しさを覚えつつ、自分がユーザー側になったときにちょっとしたずれを感じたことがありました。
例として、数年前の通院先での出来事をお話しします。
(※当時はムッとしたけど今となっては笑い話です)
過去の通院先で起こったコミュニケーションのずれ
ヘルニアと診断される直前で、腰痛が酷く整骨院に通っていた頃のお話です。
腰が痛いなぁ、帰って晩酌したらお風呂で温まってよく寝よう…なんて思いながら歩いていた仕事帰り。まさかの展開でスーパーの店員さんから逃げる泥棒に遭遇してしまいました。
私ちょっと勇ましくてですね、腰痛なんか忘れて泥棒をとっ捕まえたんです。
火事場の馬鹿力とはまさにこのこと。そのときはアドレナリンがいっぱい出ていて痛くも痒くもなかったんですが、しばらくしてから激痛が…。
翌日整骨院で事情を伝えて、腰のどのあたりが痛むのか、どういう姿勢だと痛いのか等々説明したんですね。ご担当いただいていた柔道整復師の方はうんうん聞いてくれて、いつもと変わらず施術をしてくださりました。
数日後にまた通院したとき、ちらっとカルテが見えてですね…
前回分が『どろぼうを捕まえた。相手を羽交締め。』しか書いてないことに気づいてしまったんです。
その日はいつもとは違う方が担当してくださったんですが、『泥棒捕まえたって本当ですか?笑』と腰痛云々ではなく興味本位で話を振ってきているように感じてしまいました。
それなりにインパクトが強い話ではあるのでしょうがないにしても、私はその話をしに来たんじゃないし、腰のことは何も聞いてくれないんだな…と通院への意欲がちょっと落ちたのも事実です。
今振り返ると、私が見た/聞いたところ以外で丁寧な申し送りがされていたのかもしれないし、『泥棒を捕まえたって本当?笑』と聞いてきた方についてはその方なりのコミュニケーションの初手がそれだっただけなんだろうなぁと思います。
この件以外では大きなすれ違いも感じなかったし、治療してくださったことに感謝もしています。
ただ、私(ユーザー)のニーズを本当にわかってくれていた?という疑問が残っていて、まだ治療しましょうと言われていましたが回数券を使い終わったタイミングで通院を自己中断してしまいました。
この状況、言い換えればユーザーにとっての機会損失なんですよね。
心理職が行うカウンセリングも同様で、ユーザーが『自分のことをわかってもらえた!』という感覚を持てたり『この人になら話してみようかな』と思えたりしないと、リピートされずユーザーにとっての損失に繋がってしまいます。
医療機関や相談機関へ出向くって、人によっては結構なエネルギーがかかることです。ユーザーの中には、ずっと悩んで動けなかったけど(何らかのきっかけがあって)なんとか来院/来談できた…!という方もいらっしゃいます。
改めて、1回1回のコミュニケーションが勝負だなぁと思います。
今お世話になっている医療従事者の皆様へ
内科も整形外科もしっかり話を聞いてくださる方ばかりで、安心して受診させていただいています。
(理想化かもしれませんが)全員推しと言っても過言ではないくらいです笑
ここまでの話と関連させると、患者(私)のニーズを把握するのが非常にスムーズだしスピーディーなんです。
がっつりチャンネルを合わせてくださるので自分の言葉で話しやすいし、私がごちゃごちゃいろんな情報を出したときにも都度整理しながら聞いてくださります。だからとっても安心できるし、この人たちに任せよう!一緒に頑張ってもらおう!と思えるんです。
いつもありがとうございます。今後ともよろしくお願いします!
私が医療従事者として現場に戻れる日はまだ先かもしれませんが、まずは自分の手が届く人たちにとっての『一緒に頑張る人』として注力していきます。
以上、ぽんずのつぶやきでした🐼
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?