「自社」を取り巻く外部環境を知る〜PEST分析〜

自社のビジネスを成功させるためには、自社を取り巻く外部環境を把握することが必要不可欠です。
その際に「PEST分析」と呼ばれるフレームワーク（手法）が用いられることがあります。
今回は、世の中の動向が「自社」にどのような影響を及ぼす可能性があるか把握するためのフレームワーク「PEST分析」についてご紹介します。

PEST分析とは？

PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境を分析する際に用いられるフレームワークです。
外部環境には自社の力によって、ある程度コントロールができる「ミクロ環境」と、自社の力ではコントロールできない「マクロ環境」に大別され、PEST分析はこの「マクロ環境」を分析するためのフレームワークです。

PESTとは「Politics：政治」「Economy：経済」「Society：社会」「Technology：技術」の各頭文字をとったもので、これら4つの視点からリサーチしていきます。

リサーチを踏まえて、外部環境が自社の現在または将来にどのような影響を与えるのかを把握します。

PEST分析を活用する目的

PEST分析の目的とは、「世の中の動向を把握しマーケティング戦略構築の土台とする」です。
自社のビジネスは世の中の変化やトレンドの影響を常に受けています。
したがって、ビジネスの成否は「マクロ環境」に依存していると言っても過言ではありません。

PEST分析を通して、自社のビジネスがどのような市場背景をもとに成り立っているのかを理解し、広い視野でマーケティング戦略の方向性を考えましょう。

PEST分析のポイント

PEST分析を行う際に大事なポイントとなるのが、集めた情報を一点で見つめるのではなく、予想される変化にも目を向けることです。

例えば、自動車業界を見てみましょう。
現在にフォーカスすると、日本の自動車市場におけるガソリン車の割合はまだまだ大きいと分かります。しかし、技術革新がもたらす影響によって、3〜5年後には電気自動車がシェアを拡大していると考えることもできますよね。

このように中長期的な将来も視野に入れた上で仮説を立てていきましょう。

PEST分析の項目

●「Politics：政治」
自社に影響を及ぼす可能性のある、政治的環境要因を分析していきます。政府の方針によって法改正や規制緩和が行われると、市場の規模やルールが変わる可能性があるため政治の動向は注視しておく必要があります。
代表的な分析項目は以下が挙げられます。

・輸出入環境
・政府による規制
・法律、条例の改正
・税制の規制緩和や強化
・雇用対策

●「Economy：経済」
自社に影響を及ぼす可能性のある経済的環境要因を分析していきます。景気変動が自社のビジネスにとってチャンスになりうるのか、リスクになりうるのか、予測を立てておくと機会損失を防ぐことができます。
代表的な分析項目は以下が挙げられます。

・金利政策
・経済成長率
・金融市場の変化
・インフレ、デフレの進行
・雇用統計

●「Society：社会」
自社に影響を及ぼす可能性のある社会的環境要因を分析していきます。消費者のライフスタイルや購買行動の変化に柔軟に対応していかなければ、自社のビジネスを継続させることは難しいでしょう。
代表的な分析項目は以下が挙げられます。

・人口、人口比率、人口密度
・教育環境
・文化
・所得
・流行、トレンド

●「Technology：技術」
自社に影響を及ぼす可能性のある技術的環境要因を分析していきます。技術革新の動向は自社のビジネスの未来に直結します。AIやIoTの台頭によって今後もテクノロジーはさらに進化し、様々なビジネスに影響を与えるでしょう。
代表的な分析項目は以下が挙げられます。

・特許、ライセンス
・生産技術
・基盤技術

注意したいポイント

●必要な情報を見極めて収集する
PEST分析は終わりが見えにくいという特徴があります。リサーチを進めていくと膨大な情報量に出くわし、必要のない情報まで収集してしまう可能性があります。
事業戦略を策定するためのリサーチであるということを忘れずに、自社のビジネスに影響を及ぼす要因のみをピクアップしていきましょう。

PEST分析事例

弊社のワインD2C事業「Fine Wine」をもとに、PEST分析の事例をご紹介いたします。

これらの分析結果から、「ワイン市場はまだまだ成長すると思われるが、新世界の低価格ワインがシェアを拡大し、オンラインを中心に競争が激化する」と予想ができます。

分析結果を活かし「新世界の中でもユーザーに知られていないような掘り出し物ワインの販売に特化し競合と差別化を図る」などの戦略に応用すれば、社会の動向や消費者のニーズを満たす商品となるでしょう。

まとめ

今回はPEST分析とはなにか、目的、注意したいポイントや分析項目についてご紹介しました。
PEST分析を用いると、自社のビジネスに関連する外部環境を整理することができるので、戦略の方向性が見えてきます。
ぜひ活用してみてください！

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