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【テンプレを使って小説を完成させる】小説投稿サイトで物語を一本書き上げる方法(公募ガイド2017年8月号特集)


小説投稿サイトで書くメリット

  1. 読んでもらえるので書く気になる

  2. テンプレを使えば書きやすい

  3. 同好の仲間がいるので刺激になる

小説投稿サイトはWEB版の同人誌

 『戦国自衛隊』の半村良は「作家は読者のなれの果て」と言ったが、小説家は読者の中から出てくる。
 飽きるほど小説を読み、次はこんな小説が読みたいと思いながら、それがなかなか現れないので、それではと自分で書き出す。

 それで書き出して書きあぐねたら、人はまずうまい人のまねをする。文豪の文体をまねたり、名作の続編を書いたり、人物やストーリーはそのままに設定だけ変えてリメイクしてみたり。
 これらは昔からよくある小説の練習方法で、たいがいの人はこうした一定の習作期間を経て、今度は自分なりのオリジナル作品を書くようになる。
実は、これとまったく同じことが小説投稿サイトで行われている。

 最初は読み専といって読む専門だったが、自分にも書けるかもしれないと二次創作的なことをしてみたりし、やがてオリジナル作品へと移行していく。
 以前は同人誌などでやっていたことが、そっくりそのままWEBで行われている。小説投稿サイトはそうした場でもある。

書き慣れない人は、テンプレを使おう

 二次創作というのは、他人の著作物を使って小説を書くことだが、違法なので許諾なくしてやってはいけない。にもかかわらず、現実的には二次創作をする人がいるのは、ひとつにはそれが書きやすい方法だからだ。

 キャラクターを一から作るのは大変だが、すでにあるものを使うなら、あとはストーリーを考えるだけだからハードルが低く、ストーリーも浮かびやすい。しかし、くり返すが違法だ。
 二次創作と似て非なるものが、テンプレート(略してテンプレ)と言われるものだ。

 テンプレとはおおもとのテーマ、設定のことで、これ自体には著作権はない。だから、たとえば誰かが「異世界に転生して生き直す」という小説を書いて人気となったとき、自分もそのテーマで書いてみたいとまねてもいい。
結果、似たような作品が増えるが、それは共感の表れだからうれしいし、その流れに乗った作品を書くのも、逆に定番の展開を裏切るのも楽しい。
 ともあれ、初心者はテンプレを使っと書きやすく、人気の設定だから興味を示してくれる人も多い。ぜひ試してみて。

読んでもらえると続きを書きたくなる

 小説投稿サイトにはレビューという、読んだ人が感想を書く機能がある。その内容はさまざまだが、以下のように分けられる。

  1. ほめている

  2. 感想を書いている

  3. 誤りの指摘

  4. ダメ出し

 褒められたり、コメントが書かれているのはうれしいもので、書く意欲につながる。
 授業中にお話を紙に書いて回したら、「面白い!それで?」と添え書きされて戻ってきたようなもので、期待されると俄然書く気になる。それと同じだ。

 なかには、「次回はこんな展開かな」と予想する人もいるが、期待されているのなら期待どおりにやるのもいいし、期待にこたえつつ予想を裏切るのもいい。いいアイデアなら拝借もできる。

 誤りの指摘の内容は、誤字、脱字、よじれ文、矛盾、「漢数字の二がカタカナのニになってます」といった指摘、あるいは事実誤認が多いが、WEBだからすぐに修正できるし、ただで校正してもらっていると思えばありがたく勉強にもなる。これはだめ出しについても同じだ。

無料の同人誌、楽しい小説塾

小説を書こうとする人にとって、同好の仲間がいるというのは一番剌激になる……

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※本記事は「公募ガイド2017年8月号」の記事を再掲載したものです。(特集監修:飯田一史(WEB小説評論家))