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【これができればプロのライター】「文章を書いて売る」とはどういうことか(2018年6月号特集)


人に買ってもらえる文章を書く「売文」バイブル

 文章を書いて売る人のことを売文家と言う。
 売文家にとって文章は商品であり、商品には質が求められる。その条件を5つ挙げよう。

個性的な文体は報道文には不要

 売文家(ライターや投稿家)が書く文章は、文芸の文章というよりは、報道の文章であることが多い。
 報道の文章は、平明、平易でわかりやすく、妙な書き癖などはないほうがいい。ここではそうした文章の書き方についてまとめてみよう。

文芸の文章

 文芸の文章はきわめて個人的なもの。求められるのはオリジナリティー。どう書くか、売れる売れないを含め、すべての責任は作者にある。

報道の文章

 新聞、雑誌、WEBの文章には客観性が必要で、主観はあまり必要ない。癖もないほうがいい。少なくとも個性的な文体は不要。

段取りが肝要

何をどう書くかは決めておくこと

 小説や詩のような創作の場合は、天啓に導かれたように書き出し、その後も即興のようにして書いていくこともあるが、コラムや投稿などの一般の文章の場合は、何をどんな順番で書くかを把握してから書き始めることが肝要だ。
 つまり、計画を立てるということだが、そのためには左記のような構成シートを作るといい

 まず、主題を書く。主題とは、その文章で書きたいこと、言いたいことを要約したもの。次に、盛り込みたい要素を箇条書きにしていく。この順番は適当でよい。

見た目が9割

「見た目がいい」は文章の最低条件

 「中身がどうであれ、この作者の本はすべて買う」という人がいる。信用保証という言葉があるが、その人はその作者のことを信用しているのであり、作者も読者の期待を裏切ったことがない。だから、買ってくれる。

 アマチュアや無名の書き手の場合、名前で質を保証することはできない。
では、「これは読む価値がありそうだ。少なくとも読む人への配慮はある」と思わせる決め手は何かというと、まずは見た目だ。見た瞬間、「げえっ」となってしまう原稿ではだめだ。

書き出しでつかめ

 見た目の次に重要なのは、書き出しの3行だ。ここで読み手の心をつかまなければ、読み手は逃げてしまう。
 書き出しでは、最初に核心的なことや結論的なことを書く。

 文章は読んでみないことには全体像はつかめないが、全部読んでから「これは私には必要のない文章だった」となっては時間のむだなので、最初の部分を読めば何が書かれているか大筋がわかるように書いておく。

 これは一般的な文章の基本だが、コラムやエッセイのような文章の場合、これをアレンジし、もっとつかみになるようなことを書いてもいい。「へえ」というようなことを書くわけだ。

つかみのパターン

  • 核心的:書きたい文章の中心。主題。「要するにこういうことが言いたい」ということ。

  • 結論的:賛成なのか、反対なのか。見解、最終的にどう思っているのかなどの結論。

気付きと共感を入れる

 売文家が書く文章は客観的な報道の文章ばかりではなく、コラムや投稿のような主観が入る文章もある。

 そこでは「へえ」という気づきや、「わかる!」という共感が必要になる。
 「気づき」を得るには洞察力、観察力が求められ、「共感」を得るには客観性が必要だ。いくら独自であっても、他人の思いと重なる部分がない文章は読んでも面白くない

  • へえ、そうなんだ:未知の情報や、既知の情報でも新しい見方や盲点を指摘されたときに起こる反応。新鮮な驚き。

  • なるほど、確かに:「言われてみればそのとおりだ」という反応。驚きもあるが、納得や同意の思いのほうが強い。

  • あるある、わかる:「自分にも身に覚えがある」「痛いほどわかる」という反応。感情移入、同情、共感、共鳴。

情報の出し方・隠し方

 散歩するときも、今どこにいるかがわからないと迷子になる。
 これと同じで、文章を書くときも、文章全体のアウトラインを示し、そのうえで中に入っていくとわかりやすい。
 話の前提、外枠を先に書かないとわかりにくいということだが、書き手は話の前提を知っているので、書くまでもないことと書き忘れてしまいがち。欠陥は自分で書いたものを一歩引いて俯職しないと見えてこない

WEBライターという仕事

 書くことを仕事にしたい人に人気なのがWEBライター。
 それはどんなところで募集され、報酬はいくらか。入門編として概要を紹介しよう。

地方でもできる「書く」仕事

 WEBライターとは、インターネット上にあるメディアに記事を書くライター。WEBメディアは増え続けており、ネット環境さえあれば誰でもできる、今人気の仕事だ。
 WEBライターと言っても、掲載メディアがWEBというだけで、紙メディアに書いている人と変わらないライターもいる。

 そのうえで紙メディアのライターとの違いを言えば、まず納期が早い。WEBは日々更新されるのでサイクルが早い。
 需要も多い。WEBには閲覧する人のための記事もあれば、SE0対策(検索順位を上げる)のための記事もあり、常に書き手を求めている。
WEBライターの仕事の見つけ方は、主に以下の4つ…

特集「才能をお金に換えよう!」
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※本記事は「公募ガイド2018年6月号」の記事を再掲載したものです。

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