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【見た目が悪いと読まれない】コンテストジャンル別「よみやすい」書き方指南(2013年9月号特集)


こんなハガキはNG

 ここでは公募、すなわち、選考によって入選作を決める作品コンテストについて、あなたの作品を入選に導くハガキ作成術についてレクチャーします。
 もちろん、入選に導くといっても、ハガキの書き方で駄作が秀作になるわけではありませんし、秀作が駄作になるわけでもありません。

 しかし、まったく同じ内容の文章でも、書き方によっては読みやすくもなれば読みにくくもなり、読みやすいものはすっと内容が頭に入ってくるのに対し、読みにくいものは言わんとすることがまったく伝わらなかったりもします
 では、伝わらないハガキとは、具体的にはどんなものでしょうか。

❶ 字が汚い、くせ字。
❷ 字が薄い、小さすぎる。
❸ ごちゃごちゃしている、乱雑。
❹ 区別がない、メリハリがない。

 こんなハガキでは、配慮がないと言われても仕方がないですね。世の中には字は読めればいいという考えの方もいますが、字は美しくあるべき! 他人に読んでもらう文章ならなおさらです。

 フロイトに快感原則というのがありますが、人は気持ちがいいものと悪いものを無意識に区別しているものです。
 公募でも同じです。汚く乱雑なハガキでも審査はされますが、そのようなハガキはできれば長くは持っていたくないという心理が働きます。

 だからといってボツになるわけではありませんが、見た目というのは思いのほか影響力があります。人を不快にさせるようなハガキは不利だと思ってください。

ハガキをデザインする

 電車の中や街角にはさまざまなポスターが貼られていますが、それらを見ている平均時間は3秒だそうです。ちらっとポスターを見る。ああ、マンション分譲のポスターだな、○○党の選挙ポスターだなと思って一瞥し、それで終わり。
だから、デザイナーは3秒で言いたいことを伝え、しかも、印象に残るように工夫を凝らしているわけです。

 これはハガキの公募にも通じるものがあります。書かれてあることがすっと頭に入る、目に飛び込んでくる、目を留めたくなるハガキというのは、突き詰めて言えば、デザインが優れているのです。

 ハガキでの公募や投稿となると、文章や作品をどう書くかに気持ちがいきがちですが、白紙のハガキに何かを書くということは、同時にデザイン(読みやすい配置、バンランス、字の大きさ)を考えなければならないということなのです。

簡単デザイン術

 では、実際に読みやすいハガキを作成してみましょう。
 まず、字が曲がったりしがちな人は、罫線やマス目を引きましょう。あらかじめ罫線の入った官製ハガキを使ってもいいです。
手製の場合は、線を薄く書くことがポイントです。線が濃いと、文字より線が目立ってしまって可読性が悪くなります。
 グレーのペンや、派手過ぎなければラインマーカーも使えます。鉛筆で薄く書く手もありますが、鉛筆の線は下書き感全開なのが玉に瑕です。

 タイトルと作品部分、それから住所等の応募データの部分は、「分ける」ことが「分かる」に通じます。
 文字の大きさに変化をつける、境目に余白を持たせる、区切りの線を入れる、罫線で囲む、ふきだしにするなど、やりようはいくらでもあります。
あまり懲り過ぎてもかえってごちゃごちゃしますし、あくまでもシンプルに、字は丁寧に、そして、まず作品部分に目が行くようにしましょう。

字はできる範囲できれいに

 この稿に書いたことは、人は無意識にきれいなハガキを選んでいるという面に着目したものではありますが、もちろん、それだけで入選が決定されるわけではありません。応募者の中には障害などでうまく字が書けないという方や、リハビリのつもりで手書きをしているという方もいるでしょう。それでも作品が良ければ入選はしますので、できる範囲で丁寧に書いて応募してください。

全文にはハガキの実例や長文の書き方解説も!
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※本記事は「公募ガイド2013年9月号」の記事を再掲載したものです。