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おっさんずラブと結婚としあわせ

今更ながら、おっさんずラブを観た。アマゾンプライムビデオでウォッチリストに入れていたものの観ていなかった、おっさんずラブ。毎日1話ずつ観ていくつもりが、気づいたら泣きながら最終回を迎えていた、午前4時。

どうしてあの時リアルタイムで観なかったのかと後悔した。ハッシュタグ企画の時に観ていなかった自分に腹が立った。このドキドキと感動をみんなと分かち合いたかったものだ。語り合いたかった。。。

今更ではあるものの、おっさんずラブを観て本当に良かったと思う。

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数年前、きょうちゃん(仮名)というゲイのおねえさんと話した日を思い出す。サロンの先輩の友達で、東京から大阪に遊びにきていた上品で優しい人だった。一緒に来ていたお友達のカットが終わるまで、私はきょうちゃんと恋バナをしていた。

「一番辛いのはね、ノンケを好きになることより、バイの人を好きになることなのよ」

と、きょうちゃんは言った。以前お付き合いしていた人がバイセクシャルで、きょうちゃんと付き合いながらも彼女がいたらしく、最後は"やっぱり家族を持ちたいから"と言って、きょうちゃんと別れその彼女と結婚したそうだ。

その話を聞いた時、私は自分のことのように目を赤くして泣いた。なんであんたが泣くのよ、と言って、きょうちゃんは弱々しく笑って泣いた。

その男に腹が立って腹が立って、きょうちゃんを悲しませやがって…!と憎く思った。

「仕方ないのよ。どう頑張ったってあたしはこどもを産んであげられないもの。彼の夢を叶えてあげられるのは、あたしじゃないの。」

言い聞かせるように、きょうちゃんは言った。

自分のことを絶対に好きにならないノンケならまだ潔く諦めもつくけれど、自分のことを受け入れてくれるのに諦めなくてはならない苦しみは深い。

人を好きになるというのは、好きな人に愛されるというのは、結婚というのは、どうしてこんなにも難しくてもどかしいのだろう。

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ドラマで、牧は同性愛者で、春田は異性愛者だった。それでも牧と春田が付き合うことになった後、牧は春田の幼馴染であるちずの存在に引っかかっていた。春田はちずと結ばれたほうが幸せになれるのではないか、孫の顔が見たいという春田の母のことも思うと、牧は身を引いた。「春田さんのことなんて好きじゃない」なんて言いたくもない嘘を言い放って。

ま、まきーーーーーーー!と心の中で叫び、泣いた。
よくnoteでも感想や思いの丈を読むが、叫んでる人多いな、と思っていたのが今ではよくわかる。思わずさけびたくなるドラマだ。

愛する人の幸せを最優先に考えるあまり、自分とじゃないほうが相手は幸せになれるでは、と思ってしまうこと、よく聞く話だ。

しかも春田はもともと異性愛者なので、こっちの世界に巻き込んではいけない、という牧の思いもわかる。

結局のところ、相手の幸せなんて本人にしかわからなくて、幸せだったかどうかなんて死ぬ時振り返って初めて本当のところがわかるものかもしれないのだけれど。

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とにかく語りたいポイントが山ほどあるドラマだった。結婚についても再び考えるいい機会だ。結婚というのは、愛する人と穏やかな幸せを紡いでいけるものであればいいなと思う。今はそう思う。

親族とのしがらみだとか、こどもの有無だとか、周囲のマウンティングだとか、そんなこと気にしなくていい世の中ならいいのになと思う。

ただただ、春田と牧が楽しそうに暮らしている風景をずっと見ていたい。そんなあたたかで自分達らしい夫婦が増えればいいのになと思う。


#エッセイ #日記 #ドラマ #おっさんずラブ #同性愛 #結婚 #コンテンツ会議

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