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スカートをはけないわたしにエールを送ってくれた本との出会い。
本を読むということ
子どもの頃から本は好きだった。難しい本はあまり読んでいなかったけれど、時間があれば漫画か本かを読んでいた。
大学生になってからは本の読み方が変った。以前から本を読んで、線を引いたり自分の考えを書き込んだりはしていた。ところが今度は内容を他人に丁寧に説明するという作業が加わった。
大学の講義の不思議
最初の2年間は専門分野として「社会学」と「心理学」のふたつを学ぶ。他にも教養課程として決められたものの中から好きな科目を選んで講義を受ける。やらなければならない必修科目もたくさんあった。
ゴールデンウィークがすっかり終わった頃、新入生はかなり大学生活に慣れてきていた。つまり、気軽にサボれるということだ。
たくさんある講義にはそれぞれ「単位」というものがあった。卒業するまでに集めなければならない単位数があって、数が足りないと卒業出来ない。だから「単位」は学生にとっては重要なものだった。教える側にとっては武器でもあった。
ところが、ある講義で聞いた教授の第一声が衝撃的だった。
「わたしのね、講義を受けるって来た人にはね、全員単位あげますから」
なんと。
出席しなくても試験を受けなくても単位がもらえるという。教授は理由を話してくれた。
教授が大学生の時に、つまらない講義を我慢して受けたのに単位をもらえなかった。こんな大学生活とは何なのかと疑問に思った。やがて自分が教える側になった時には、とにかく単位は与えることにした、らしい。
だから「この科目はオススメ」と言われていたのだと理解した。
勉強しにきたわけだから
大人の中には「大学では授業に出るな」という人もいる。「授業」って。
しかし父親に楯突いて「勉強したい」と大学に来たわたしにとっては、勉強することが一番大切なことだった。
なかでも、社学研での勉強が一番ためになった。
最初は上級生の発表を聞くだけだった。レジュメ(発表内容をまとめた資料)をもらって、取り上げられている理論と分析された事例を説明された。よく言えば難しかった。悪く言えば、かなりわたしはバカだった。
だから専門書には手を焼いた。その上、それをレジュメにして、前に立って発表するのだからたいへんだった。何を読むかは他の人のレジュメに載っている参考文献から面白そうなものを選んだ。ある時、これは参考程度にと簡単に説明を受けた本があった。
「女はスカート」の秘密
レジュメにあった「参考程度の参考文献」に興味を持って読んでみた。すると、なぜ女性がスカートを履くのか、どうしてズボンを選べないのか、という長年わたしを悩ませている問題について書いてあった。「女たちの歩み」という新聞連載を読んだ時のように、わたしの持つ疑問が歴史を追って解けていった。それが『服装の歴史』という全三巻の文庫だった。
ー村上信彦『服装の歴史』講談社文庫ー
社学研での発表に、わたしはこの本を取り上げた。しかしダメだった。ちゃんとした専門書を読むように言われたからだ。確かにその通りだと反省した。
「そういう本に関心があるなら、Hゼミに来てみない?」と三回生のYさんに誘われたのがこの時だった。ということを、これを書いている時に思い出した。
なかなかHゼミの内容に進めないのですが、理由があります。今も書いてもいいのかどうか迷っています。でもこれを書かないと話が前に進まないので、書き始めた以上は覚悟を決めて書かねば、と思います。
【シリーズ:坂道を上ると次も坂道だった】でした。
画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。
地味に生きておりますが、たまには電車に乗って出かけたいと思います。でもヘルパーさんの電車賃がかかるので、よかったらサポートお願いします。(とか書いておりますが気にしないで下さい。何か書いた方がいいと聞いたので)