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包含される空間
ピタゴラスと豆。
本棚にある本の中で、目にとまった背表紙のタイトル。
私の本棚の中には色々な本が詰められていて、
けれど、私の趣向の本しかそこにはない。
何冊あるか、もうわからなくなった本棚の本。
これは、私の心の中が現実に顕在したものだと思える。
なにが好き?
よく聞かれる。それに答える術はない。
好きなものが偏っているから、でも多いから、その人の希望に応えることはできないのです。
私自身に支配された、デザインされたこの部屋に私はいて、
今日も一日この部屋で過ごして、私は生きていた。
それが当たり前になっていることに怖さを感じる。
自分が考えうる可能性の範囲を超えない現実ほどつまらないものはない。
それを、これまでの人生で思い知ったから。
こんなことが起こるのか、という驚きが記憶に残る。
私のいまはどうしても記憶に残りえようもない可能性の範囲だ。
だから、こうして書いて残しているのかもしれないと思った。
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