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そこを離れる

ずいぶんここにいるなと思う。
そこに居る状態が続いていると、どんどん新鮮味が失われていくのはもちろんもう一人の自分が作られていく。環境は人を作るらしい。そこに居る私は本当に私なんだろうか、たぶん間違いなく私だ。でも、そうではないと言う私の声はどんどん大きくなっていく、内部での葛藤を抱えるようになる。

そこに居ること、そこを離れること。

人はその選択をする。簡単に思える。
けれど、そこに居られるようにすること、そこを離れられるようにすること、をするとなると人を選ぶ。できない人だっている。そこにずっと居るということは良いことのようにも思えるし、なんだか損をしているようにも見える。きっと、損に見えるようになったらそこを離れるときになるんじゃないかと思う。思う、思うだけでそこに居る。そんな自分に辟易した。

離れてみたらどんなだろう。

単純にその思考で、あのお店に行ってみたい。海外のあの国に行ってみたい。そう思って行ってきたこれからのあのときの、行ったこともない場所に行く不安、なにかあったらどう対処したら良いだろうというシミュレーション、準備、そんなこと。でも、いつでもそんなものは取り越し苦労で、最後に残ったのは思い切って飛び込んだ一時の思い切りと、その思い切りが残した充実した、良いことと悪い事の記憶。それがいまの自分をたしかに形作っていると思えた。

そこに居ることを続けたあとは、そこを離れることをしてみる。

そんな気持ちのメモ。

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