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蓄積と放散

2口あるガスコンロの一つは小さくて、コンロを一番ひねってもそんなに大きな火が出ない。だからお湯を沸かすときはもう一つの方を使う。中火より少しだけ強く、やかんから火がはみ出ないように、それぐらいに。

この季節の台所はとても寒い。
やかんの口から噴き出す蒸気は白く、台所を少しだけ暖かくさせる。
取っ手は火で熱くなり、布巾をかませて持ち上げる。
大さじ2杯、挽いてある市販のコーヒー豆を入れたフィルターにお湯を注ごうとする。沸騰したお湯がじょぼじょぼと音を立てて、じゅっじゅっと音を立てて口から机の上に噴き出していった。
沸騰したお湯が、熱々のやかんに触れて、暴れ出す現象。
一回、やかんの口の内側が濡れてしまえば、問題なく注げるのに、いつも暴れては机の上はびちゃびちゃになる。

怒りや不満を溜め込んで、それがもう収まらなくて、
ちょっと外に出そうとしたら、自分で思っていた以上に口が動いて頭が働いて、
言おうと思っていた以上のことを言ってしまう。
そんな感じだ、思った。

そのせいでまわりはびちゃびちゃになって、後片付けが面倒だ。

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