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2021年8月9日(日)

本を読んでいて、電車に乗っていて、歩いていて、あれこれ考える。

この作家はなぜこのような描写で事細かにその状況を書いているのか、書けるのか、この描写がこの先にどういった影響をもたらすのか。

目の前に座っている2人の女の人は友人なのだろうか。私が乗ってきてから二人ともスマホをずっと見ているし、会話をしていない。でも、同じくらいの歳格好だし、きっと友達なのかもしれない。次の駅に着いてもその二人はスマホの画面から一切顔を動かさず、私は駅に降りた。

帰り道、夜、細い路地を通って家まで歩く。その日はたまたま気が向いてその道で帰った。3本ある道が合流してその路地に曲がるとき、20代くらいの女性より先にその道を選んで歩き出した。しばらくは一本道で、私はその女性の後ろを歩くことになる。追い抜けばいいのだけれど、なかなか追い抜くのが難しい速度。距離は一定だけれど、こういうときがいちばん気まずい。
しばらくすると、女性がちらっと後ろを気にする素振りを見せた。
あぁ、と思い私は歩く速度を落とした。誰も見ていないのに、靴紐を結び直すふりをして、女性がしばらく先に行くまで間をおいた。なんでこんなことをしているんだろう、そう思って歩き始めたとき、左側の植え込みから白黒猫が路地に出てきて、面倒くさそうに私をちらっと見て、なにもいなかったように反対側の植え込みに走り込んでいった。

家の鍵穴に鍵を通したとき、気が抜けたような気がした。

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