- 運営しているクリエイター
記事一覧
主役の座|わんわんにゃーにゃー
はじめて読んだ長新太の絵本が『プアー』だった。
犬が右を向いて、プアーっと言うたびに体のパーツがどんどん膨らんでいくという奇妙極まりないお話だった。そのあまりのシュールさに心を奪われて、わたしは図書館で長新太の絵本ばかり借りている。
プアーの犬と似た顔をした犬が、今にもプアーっと言いそうな顔で頭に猫を載せているのが今回の『わんわんにゃーにゃー』。長新太が書き残した絵に、和田誠が色をつけて仕上げた
笑えベビー|おつきさまこんばんは
赤ちゃんに読む絵本と言ったら!
という定番の本。
表紙に見覚えはあるけれど、どんな内容なのか知らない。実は知っているのかもしれないが、そうだとしたら遠い記憶すぎて全く覚えていない。だから図書館で見つけて、とりあえず借りてみた。そしてとりあえず、読んでみた。
ベビーを椅子の上のクッションに寝かせ、両手で絵本を持ち上げて見せるスタイルで(読み聞かせの体勢を試行錯誤中)。
「おつきさまこんばんは」と
点字が世界をひらく|こぐまちゃんとどうぶつえん(てんじつき さわるえほん)
時間が経ってしまったけれど、PIECES×soeruの and books issues で購入した三冊目の絵本がこちら。
ほかの二冊についてはすでに書いた。
三冊の中でもっともベビー向けだと思って最初に読み聞かせたのだけど、ベビーの反応は芳しくなかった。それはたぶん、わたしの初めての読み聞かせ体験(対ベビー)だったからだろう。
幼児や小学生に絵本を読んだことはある。なんなら中学生にも。
だ
目を逸らすなよ、お前のことだぞ|はやくはやくっていわないで
新品の絵本のタイトルを読み上げておもむろに表紙を開くと、パキッと小気味よい音がする。キュウッと押し固められて製造されたそれが、わたしの手元で空気に触れてほうっとため息をついたように感じた。
顔を近づけたら、新品の紙の匂いがした。
幼稚園の夏休み、年上のいとこたちが読書感想文用の本を探す中、どさくさに紛れておねだりしてお父さんに買ってもらったダンボの絵本を思い出す(留守番していたお母さんの驚いた顔
ほかの誰かの中心と、ちょっとだけ重なる|みえるとかみえないとか
ヤーコプ・フォン・ユクスキュルが提唱した「環世界」のことをわたしに教えてくれたのは、東畑開人氏の『居るのはつらいよ』だったかな。いや、伊藤亜紗氏の『どもる体』だったかな。
どちらもわたしの大好きな本だ。
……でもすぐに該当箇所を引っ張ってこられなかったので、ネットを参照。
それは、その人が知覚している世界、その人だけの景色。
産休に入る前のわたしの環世界にも、最寄り駅の駅ビルはあった。スーパ