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個性ストーリーを創作しよう!

自分に影響を与えたものや、好きなもの、過去の体験をもとにストーリーを空想して創作する。作られたストーリーは、きっとあなたを表す個性ストーリーになる!そんな話です。

で、何でこんなことを思ったのか?というと。
これはアーティストのヨーゼフボイスの話がもとになります。

ちょっと長くなりますが、芸術の歴史の中でもとても有名な方ですし、紹介もかねて書いておきます。私が美大生の頃ヨーゼフボイスについて教授から教えてもらっていた時の話です。ボイスはドイツの現代美術家で、脂肪や蝋、フェルト等、それまで彫刻素材として使われていない素材を使ったことで有名です。これらの素材は熱で溶けてしまうような流動的なもので、不定形な素材が彫刻のような構築物になることに注目し、新しい彫刻の造形論を確立した人です。それまでの彫刻とは大理石や鉄、木のような不変的な素材が当たり前ですし、そんな柔らかかったり形が簡単に変わるようなものが彫刻になるなんて考えたことがなかったわけですね。そして不定形な脂肪や蝋などを変容させる熱というエネルギーにも注目します。人間にもそのエネルギーがありますし、人間の活動(エネルギー)は労働であれなんであれ社会を変容させるもの。不定形な蝋などを熱というエネルギーによって彫刻という構築物にすることを芸術と呼ぶなら、すなわち人間の活動も全て芸術であり、全ての人間は芸術家であるという考え方につながりました。これを社会彫刻と言います。

で、こうした理論的な考え方によって選択されている脂肪や蝋、フェルトのような素材を、ボイスは個人の体験と照らし合わせます。その理由について、戦時中の体験が引用され、ボイスはクリミア半島上空でソ連軍に撃墜され墜落して軽症を負います。その後、墜落後助かった理由について、遊牧民のタタール人(クリミア・タタール人)に助けられ、体温が下がらないように脂肪を塗られてフェルトにくるまれたという話を語っており、この体験が個人的な転回点になったと語るのです。

というもの。しかしこの個人の体験については作り話かもしれないとも言われていて…でもややこしくなるので、そこは今回目をつぶって置いときますw    

ということで、こんな風にアーティストは自分の作品作りにおけるストーリーを大切にするのです。確かに、鑑賞者がそのアーティストの作品を見る時、ストーリーがあるかないかで見え方が変わるように思いませんか?最近はビジネスの領域においても、商品にストーリーがあるかないかはとても重要な要素になっていますしね。

だから、私は一度自分のストーリーを考えてみることが、自分の個性を見つけるためにもとても良い方法だと思っているんです。これは自分をストーリー化して差別化するというブランディングでもありますし、メタ認知して自分を客観的に分析することでもあります。ストーリーを作りながら、考えていることを言語化するトレーニングにもなりますし、ロジックを積み上げる練習にもなるように思います。

で、その方法ですが、

・自分を構成しているものからストーリーを考えることと
・自分の体験からストーリーを考えること

この2つの方法があると思います。

まずは自分を構成しているものを知るためには、

・私の好きな◯◯
・私に影響を与えた◯◯

の、どちらかから始めてみるのが面白い。

この2つは好きだから影響を受けたとも言えるので同じようなものですが、「好き」は「主体的」、「影響」は「受動的」の側面があるので2つの方向から考えると違ったものが見えてくることもあります。どちらから考えても同じだったらそれはそれで良いし、違うものが出てきたらそれはそれで面白い。そんな感じです。

そしてもう一つ、体験からストーリーを考える場合は、

・私の人生の重大イベント、トップ3!

を考えてみることです。

これは影響を受けたとか、好きなものとかではなく、“体験そのもの”からストーリーを考えてみることです。

ヨーゼフボイスの場合は、自分の過去の体験と自分の興味のある素材とをリンクさせていますので、これに当たりますかね。

具体的な事例があるとわかりやすいかもしれませんが、今回はサラッとこんな感じでストーリーを作ると面白いんじゃないかなーという話でした。


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