OOISHI KOUSUKE

木を用いて食器や花、果物、指輪などを制作し、それぞれのブランドにて活動中。生き方や個性についての考え、デザインや製作、ブランド、芸術について等、メモ的に書いていこうと思います。

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木を用いて食器や花、果物、指輪などを制作し、それぞれのブランドにて活動中。生き方や個性についての考え、デザインや製作、ブランド、芸術について等、メモ的に書いていこうと思います。

最近の記事

経済、商品、資本主義

私にとってとても学びの多い橋爪大三郎さん。 a scopeというポッドキャストで再び深井さんと登場されて、資本主義についてのお話を聞きました。第一回目の話を聞いただけですが、面白い面白い! これは自分のためにも整理しようと、以下自分なりに整理してみた文章です。殴り書き的なものでもあるので、言葉使いもざっくばらんです。 資本主義を考えるためには、 経済 商品 資本 について理解しておかなければならない。 “経済”とは人間における物質的基礎。食糧や土木建築など、生活の始まり

    • 好きな人の嫌いなところは好きにならなきゃいけないのか?

      私の思春期の頃の考え方として、相手のことを好きになって付き合い始めると、今まで見えていなかったことも見えてきて、「嫌だなー」と思うところが見つかったりしても「いや、嫌いなところも好きにならなきゃ!だって彼女のことが好きなんだから!」みたいな脅迫観念みたいなものがあったことを記憶しています。 そんな時タイトルのような質問が浮かんでくるのです。 「好きな人の嫌いなところは好きにならなきゃいけないのか?」 ですが、早速質問の答えを言ってしまうと“好きにならなくていい”と思うので

      • 複製技術時代のオーラから鏡像技術時代の霊性へ

        今回のタイトルについてですが、1936年にヴァルター・ベンヤミンという哲学者の人が書いた『複製技術時代の芸術』という本について関係しています。 ベンヤミンの本では、写真や映画の誕生によって複製技術が発達し、コピーが生み出される時代には、かえってオリジナルにオーラ(アウラ)が感じられるようになった。みたいなことが主題になっていたような気がします。随分前に読んだので、細かいことは忘れてしまいエッセンスだけ心に残っているのですが、、、 そうした20世紀の時代から、デジタル時代の

        • 好きなことを仕事に?

          私はもともと美術畑の人間だったので、 「絵なんか描いてどうやって生きていくの?」 とか 「好きなことして稼ぐのは大変だよ?」 なんてことをよく言われました。 昔の話なので、 今でも「好きなことを仕事にするべきか?」 なんてことを言われているのかよくわかりませんが^^;、大学で非常勤講師として学生さんと話をすると、多かれ少なかれそんな悩みはあるように思います。 ですが、実際の答えはとてもシンプルだと思うのです。 「どうやって稼ぐか?」 ということを考えるのは、 「どうやっ

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        • 人生の心構え 私の場合
          OOISHI KOUSUKE

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          花と言葉と気持ちと記憶

          ドラマのsilentがとても好きだったのですが、ある場面でこんなセリフがありました。 「花は音がなくて言葉があって、 気持ちがのせられるんだよ。」 ドラマは、聴者とろう者の話で“音”というものがとても重要だったわけですが、花は音を介した言葉はないけれど、花言葉という意味としての言葉を持つから、意味を通して花に気持ちをのせて伝えられるんだよ、というように私は捉えたわけです。 そう考えた時、花にとって大切なことは、言葉や意味ではなくて、“気持ち”なのかもなーという当たり前の

          高額転売から考える私の価値観

          私にとってショッキングな“高額転売”を見つけてしまいました。もちろん過去にメルカリ等で私が作ったものが転売されているのを見かけたことはありますが、それとは違いました。 過去に見つけたことがあるメルカリでの転売。それらの転売の本当の理由を知ることは出来ませんが、そこに記載されていた内容は、 ・使ってみたけどやっぱり手放すと決めた ・片付けや引っ越しに伴い手放すと決めた 等が理由となっていたようです。 それは、私にとっては仕方のないことです。ありがたくも購入頂いたけれど、やっぱ

          kikka-木花-シリーズについて

          kikka-木花-は、木で作られた花のブランドですが、始めた理由は2つありました。 その1                    子供の頃観た「レオン」という映画で、主演のジャンレノが、幼き日のナタリーポートマンを連れ、鉢植えを1つ抱えて住む場所を変えていました。映画の中での解釈や意味は別として、生活が変わる時にこれだけは持っていきたいと思えるものっていいなーと思ったんです。しかも使えて便利なものではなく、植物っていう飾るものなのが素敵だな〜と。その印象があって、生活を彩る

          アートとデザインの違いって?

          “表現”という言葉は、アートの世界ではとてもよく使われますが、これがなんとも捉えどころがなくて、わかるようでわからない… なので、この“表現”という言葉を考えつつ、アートとデザインの違いについても欲張りに考えてみたいと思います。 例えば、 「この絵は私の気持ちを表現しています。」 とか、 「この曲は森の静けさを表現しました。」 とか、 表現という言葉はとても曖昧なものだなーと思いますし、 「これが私の表現なんだ!」 と言われてしまうと、 「はぁ、そうですか…」 と受け

          ブランドの三角

          前回“デザインの三角”というものを考えてみたのですが、その三角を評価するために存在する“評価軸”について、考えきれていなかったので書いてみたいと思います。そのためにデザインの三角を“ブランドの三角”にして考えてみます。 前回記事はこちら→ 前回考えていたのは、私にとっての“デザインの奥義”というもので、それは構造主義の“三角の構造”というものから発想したものでした。 それがこちら… その三角を評価する軸は 縦軸が密度(密/疎) 横軸が明確さ(鋭/鈍) というもので

          デザインの奥義

          随分大それたタイトルではありますが、私にとっての必殺技、の上をいく奥義!であることに嘘はないので、1つの考え方を書いてみたいと思います。 私は大学で非常勤講師をさせてもらい、立体物を造形する実技科目の授業をしています。その授業では、学生さんに“具象”と“抽象”という2つのテーマで製作をしてもらっています。「2つの側面から物事を捉え、幅広い物事の見え方を身につけて製作してみましょう!」みたいなことを考えながら課題を設定してみたりしているのです。その時、テーマである“具象”と“

          弱さと共生

          超相対性理論というPodcastで“弱さ”について話をされていて、深井さんが「弱さと侘び寂びの侘び“足りない”という感覚とが繋がっているように感じる」という話をされていました。私がこの話を聞いてふと浮かんだ考え、それは“共生”ということでした。 それはどういうことか?そのことについて考えるために少し長くなりますが、例を2つあげてみたいと思います。 真木悠介『自我の起源』の中でこんなことが書かれています。「進化史上最もめざましい成功をおさめた種間関係は、昆虫と顕花植物の「共進

          個性って結局何ですか?

          私は、個性とは“経験値”と“身体”で出来ている。と思う。 じゃあその経験値って? 経験値っていうのはつまり、 今まで生きてきてどんな体験をしてきたか? ということ。 こんな話があります。 パフェという食べ物がありますね? 背の高いグラスにアイスクリームやフルーツを入れ、そこにナッツ、シリアル、スポンジケーキなどを重ね、さらに生クリームを入れたり、そんなデザートのこと。 じゃあ、その中からアイスクリームをなくしたら、パフェでしょうか? 背の高いグラスではなく、横に長

          宗教が嫌だった理由とは?

          以前キリスト教について学んだというか、自分なりの発見というか、そんなことを書いたことがあるのですが、私はもともと「昔から宗教って胡散臭いなー嫌いだなー」と思っていました。その理由ってなんだったのか?それはよく分かっていませんでした。でもその理由の根本はこういうところだったのかもしれない!と思った発見があったのです。 (過去記事はこちら) 嫌いな理由、それは… 「神様は無償の愛を下さっているみたいなことを言うけれど、“神様を信じれば救われる”みたいな“救われる条件”みたいなも

          霊とはデータ?

          松波龍源さんという方や、橋爪大三郎さんという方達から、宗教をパソコンとのアナロジー(未知の物事・深く知らない物事を既知の物事に当てはめて推論する思考方法)で捉えてみた話を聞いて、凄く腑に落ちることが多く、最近普段からそのことをぼんやり考えてしまうのです。 タイトルの「霊とはデータ?」という話もそのことに関係していて、霊とか魂とか、そういったものをパソコンを通じて考えてみると良く分かる“気がする”ので 少しまとめておきたいなーと思い、書いておこうと思います。 例えば霊魂につ

          実は宇宙に行ったことがある?

          メタバースとか仮想空間とか、そんなことを考えた時に一つ思い浮かぶ体験があります。 大学生の頃、初めての海外旅行に行こう!と思い立ち、どこに行きたいかなーと考えていて、好きだったベルニーニという彫刻家の作品があるイタリアに行こう!本物の彫刻を見に行こう!と思って、実際に行ってみた時の話です。 初めて行った場所だし、本物の彫刻を見るのは初めてなわけですが、 「あー見たことあるなー」 と思ったんです。 沢山眺めていた写真のせいでもあるのでしょうね。もうその場所もその彫刻も

          木は読み物?手で読む?

          木には縦と横と、木目には方向性があって、素材の方向性がある。それはルールがあるとも言えます。 それを素材の可読性と呼ぶと、木を読むとも言えるように思うのです。 読むという行為はある意味ではコミュニケーションで、素材が語る言葉に対して、こちらがなんと答えるか?みたいなところもある。「この木目ならこうしようか?いやこちらの方がきっと木目の出方が面白い!」みたいな感じで、木の表情を読むということは、人の心を想像するような楽しみがある。 だから木を扱って製作することは、木取りが大事