今日もコーヒーを飲みながら

大学にあったカフェを思い出す。
ガラス張りになっていて陽当たりが良く、
春には桜が、夏には青々とした緑が、
秋には紅葉が、
冬には雪をかぶった木々が見える。

私はその景色が１番楽しめる
カウンター席が好きだった。

そのカフェでは、
いつもジブリやディズニーの
ピアノのリラクシング音楽が流れていた。

音楽を聴きながら、
あたたかい飲み物と
手作りクッキーを楽しみ、
時には友人と語りながら、
静かに暮れていく日を眺めていた。

社会人になり、
大学のカフェに行くことはなくなった。

それでも私は、
たまらなく大切なその思い出に近づきたくて
そのカフェで流れていた音楽と
同じ音楽を聴きながら、
今日もコーヒーを飲む。

私もあの頃見えていた木々のように、
日々懸命に生きている。そう思える。