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外から見るか、中から見るか
#脚本家のつぶやき
— 中川千英子(脚本家) (@chiezo2222) February 13, 2019
・「魅力的な人物を描きたい」と考えた書き手が、自分の身近にいる面白い人や、好きな著名人を主人公のモデルにするのだが、読み手にはその魅力が伝わらない、という時がある。
・この場合の問題点はたいてい、書き手がモデルとしている人物を外側からしか観察していない事(続)
#脚本家のつぶやき
— 中川千英子(脚本家) (@chiezo2222) February 13, 2019
・モデルとしている人物の、表面的な言動を主人公に真似させるだけでは、その魅力を読者、観客に伝えることはできない。
対象人物の心の中に分け入って観察することこそが重要。
・書き手が、対象とする人物の”中の人”としての視点を持っていなくては真の魅力は描けない。
例えば大ヒットした『ボヘミアン・ラプソディ』も、フレディ自身の視点で彼が生きた時代、彼が生きた世界を描いている点が、多くの人々を惹きつけた要因のひとつだと思います。
では、「人の心の中に分け入って観察する」ためには、具体的にどうすればいいのか?
いろんなアプローチがあると思いますが、私がよく試すのは、「対象とする人物が、家族や長年の友人など、近しい人の前ではどう振る舞っているかを調べる」という方法です。
その姿が、公の場で見せている姿とは違っているならば、次に「その違いはなぜ生まれるのか?」を考えてみます。
「本人が意図的に、言動を変えているのか?」「知らず知らずに違いが生まれているのか?」といったところもポイントになると思います。
例えば、
「自分は臆病だと自覚していて、それを知られたくないので、公の場では強気な言動を心がけているのではないか?」
「本来は物静かなのだが、常に人を楽しませなくてはならないという強迫観念があり、人前ではつい滑稽な振る舞いをしてしまうのでは?」
といった具合に、考察、類推を重ねていくと、対象人物の心の中に分け入る糸口を見つけやすくなります。
このアプローチは、作劇だけでなく、自己分析にも使えるんじゃないかと思います。
心を許している相手といるときの自分と、公の場での自分のギャップを観察し、その差が生まれる訳を言語化してみるということですね。
……と書いているうちにこの本のことを思い出しました。
著者はニコール・キッドマンやトム・クルーズの指導もした演技コーチのスーザン・バントソン。
俳優の役作りのメソッドを応用して自分の本質を探っていく方法が記されています。
作劇術も、演技のメソッドも「人を深く知ること」が重要なので、自己分析や他者理解にも活かせるものが多いのではないでしょうか。
下の投稿でご紹介した『俳優修業』(スタニスラフスキイ著)という本も、演技に関する本ですが、作劇にも、自己分析、他者理解にも応用できると思います。
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