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ブックレビュー 梅原大吾著『勝ち続ける意志力』

3月19日放送のNHK『プロフェッショナル仕事の流儀 新しい仕事スペシャル』で、プロゲーマーの梅原大吾氏が取り上げられていましたね。

私はゲーマーではないんですが、夫が格闘ゲーム好きなのでウメちゃんの話はよく聞いていて、こちらの著書も読んでいます。

『勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」』

彼の生き方、考え方が熱く語られていて、ゲームをしない人が読んでも面白いと思います。

この本の中で繰り返し語られているのが、「変化することの重要性」です。

多くの人は、変わることと前へ進むことは別だと思っているだろう。確かに、自分を変えることは不安だし、変化した先に勝利があるとは限らない。けれども、変わり続けていれば必ず前へ進める。(中略)変化したことで失敗したり、後ろに下がったりしたときは、もう一度変化すればいい。失敗に気づいて変化すれば、以前の自分よりも必ず高い位置に行ける。

新しいことにチャレンジして、たとえ失敗したとしても、それは「失敗した」という経験が増えただけであり、失敗経験を生かして更に良くなろうとするなら、変化は常に良い結果しかもたらなさい、ということですね。

少しの変化を見のがさないで、毎日のように変わろう意識していると、いずれ大きな変化——覚悟が必要になったときに躊躇せずに行動することができる。1年とか2年周期でそんな時期がやって来たとき、普段から変化や挑戦を意識している人は、迷わずチャレンジする道を選ぶことができる。(中略)普段は自分を変えず、守ってばかりいる人が、大きな岐路に立ったときに正しい決断力を発揮できるとは思えない。

これはすごく説得力があると思う。
変化することに慣れていれば、「自分が望まない変化」への対応も落ち着いてできそうだし、チャレンジすべきタイミングで怖気づくこともなさそう。

そして「変化すること」と共に重要だと説かれているのは、「目的と目標を混同しないこと」です。

持続可能な努力のためには、目標はあくまでも目標で、目的と混同してはいけないということを知る必要がある。ゲームでは大会への出場がひとつの目標になるだろうが、大会で勝つこと自体を目的にするとろくなことはない。少なくとも僕の場合、結果だけを求めて出場した大会で良い成績を残せたことはない。
勝つことより成長し続けることを目的と考えるようになった。ゲームを通して自分が成長し、ひいては人生を充実させる。いまは、そのために頑張っているんだ、と。もちろん、大会で優勝するとか結果を残すという目標はあってもいい。人間は目標があるから頑張れるし、だからこそ力を発揮できることがある。だけど、その目標にとらわれ過ぎて、それが目的になってしまうと、なぜだか結果はついてこず、続けられるものも続けられなくなる。
矛盾するようだが、結果に固執しないと結果が伴う。実体験として持っているので、そのことはよく分かっている。

その時々の「目標」を叶えられたかどうかに振り回され過ぎず、「目的」を見失わないこと。それが「一度の勝利」ではなく、「勝ち続ける」ための秘訣……。

難しそうですが、心に留めておきたいと思います。

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