マガジンのカバー画像

客席からの眺め

47
お箏の演奏会は楽しい! お箏の演奏会に行くといろんな曲、いろんな情景に出会うことが出来ます。 どんな物を聴いて、何を感じたのか。素人が聴きに行った演奏会の感想を、綴ります。
運営しているクリエイター

#山田流

「第三回川瀬露秋の会 ~懐い継なぐ~」

「第三回川瀬露秋の会 ~懐い継なぐ~」

紀尾井ホール小ホール。
生田流箏曲白秋会を率いるお家元の会。
江戸時代の曲を、箏・三味線・胡弓で演奏。

と聞くと、
堅苦しそう、かしこまって聞かなくてはならなくて、そして眠そう。
そんなイメージを持たれるかもしれません。
しかし、そのイメージが覆る「演奏会」ではなく「ライブ」でした。

幕開けは2面の長磯箏で「みだれ/京みだれ」
長磯箏は、豪華な装飾がなされたお箏です。
蒔絵や螺鈿、鼈甲で彩ら

もっとみる
「山田流箏曲協会創立百周年記念 第九十三回定期演奏会」

「山田流箏曲協会創立百周年記念 第九十三回定期演奏会」

山田流箏曲協会の定期演奏会。
今年は、協会創立百周年記念とのことで、盛大に開催されました。
開演は11時。そして20時終演。
いずれの曲も聴き逃しがたいとは思いながらも、さすがに全曲を集中して聴き続ける体力に自信が無く、途中から拝聴いたしました。

箏曲には大きく山田流と生田流があります。
学校の教科書等では、爪の形が違う、くらいしか習いません。
演奏される曲も、どちらの流派でも演奏される曲もあ

もっとみる
「下野戸亜弓 箏曲リサイタル ー山田検校作品連続演奏会Ⅲ-」

「下野戸亜弓 箏曲リサイタル ー山田検校作品連続演奏会Ⅲ-」

山田流箏曲演奏家である下野戸亜弓さん。
2019年から、古典の会と現代曲の会をそれぞれ開催されています。
本日の公演は、古典の会の3回目にあたります。
山田流は、声の表現も重視した流派で、歌も聴きどころです。
下野戸さんは、箏曲演奏家であり、かつ日本の歌唱法の専門家でもあります。
そのお歌を聴くのも楽しみに、足を運びました。
それぞれ趣向が凝らされた3曲が演奏されました。

「小督曲」
平家物

もっとみる
「第4回 翔の会」

「第4回 翔の会」

最近、山田流の演奏があると聞くと、つい馳せ参じてしまいます。
山田流らしい歌や、風情のある曲にとても惹かれます。
というわけで、山田流の演奏家の会「邦楽ぐるーぷ翔の会」に行って参りました。

第1部は、埼玉県立川越女子高等学校箏曲部との合奏。
「六段調」と「ひぐらし」

紡ぎ出される一音一音から、ひたむきに、真摯に取り組んで来られた情景が、ありありと浮かびます。
きっと、部員全員で、悩み葛藤しなが

もっとみる
「第42回 箏曲新潮会 勉強会」

「第42回 箏曲新潮会 勉強会」

箏曲新潮会は、東京藝術大学邦楽科山田流箏曲専攻の卒業生の会です。
この公演は、コロナのおかげで2年ぶりの開催だったようです。
無事に開催してくださって、本当に良かったです。

山田検校他、江戸時代の曲を前後に4曲。
間に明治の「向島八景」と昭和の「三つの断章」が並んでいます。

古典のお箏らしい音色も堪能しつつ、長唄チックな向島八景と、ドラマチックな三つの断章。
あっという間のひとときでした。

もっとみる