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皇后への愛から始まった「花会式」 ことの葉綴り一〇五九

弥生から卯の花月へ

こんばんは。皆さん、お花見には行かれましたか?
雨にも散ることなくまだ桜の花が咲いてくれてるようです。
弥生三月も残り二日。
卯月、新学期のスタートですね。白い卯の花が咲くことから卯の花月と呼ばれます。朝夜は花冷えもするので、身体を冷やさないようにして元気に過ごしたいですね。

まずは暦から。
三月三十日(木)は、六曜が仏滅。十二直は「成」で、物事が成就する日。新たなことをスタートするのにもよい日。種まき。引っ越し、旅行、婚礼、建築に吉。
二十八宿は「せい」で、神社やお寺へのお参り。建築、種まきに吉。そして天が人々を母のように慈しむ「母倉日ぼそうにち」です。

三月三十一日(金)は、六曜は「大安吉日」万事により大吉日。特に婚礼に佳き日。引っ越し、建築、旅行、新たなことはじめに吉。
十二直は、納め入れる「おさん」で、五穀の取り入れ、買物・買入れ、新築に吉。二十八宿は、28宿1の「鬼」宿日の大吉日。
ご神事やお参りによい「神吉日」。天が母のように慈しむ「母倉日」です。


四月一日(土)。六曜は「赤口しゃっこう」。お昼前後が吉。十二直は、運が開き通じる「開」運を拓くためのお参り、祭祀、建築、開店開業、引越し、婚礼に吉。二十八宿は「りゅう」で、物事をお断りするのに吉。
エイプリルフールですね。

四月二日(日)は、吉祥日がダブルです!
一粒万倍日」と「寅の日」の吉日!
一粒の種から万倍の稲穂が実るとされて、婚礼、引越し、開店開業など、新しいことをスタートするのにもってこいの吉日。ただしお金を借りるとそれが増えるので避けるべし。他の吉日と重なると効果が倍増!
虎は、千里を往き千里を還ることから、出したお金が戻ってくると金運招来の吉日。虎が黄金色をしていることからも、金運に良い日とされます。
六曜は「とず」で、お金を納めて“閉じ”るのによい日。お墓を立てるのもいい。
二十八宿は「せい」で、神仏のお参り、祭祀、治療はじめに吉。
これは、お財布新調したり、欲しかったものをお買い物したり、宝くじ購入もいいですね。
旅立ちにもよいです。


皇后の病期平癒を祈願して薬師寺花会式はなえしき

そして、三月三十日から四月五日まで、奈良県の「薬師寺」さんで、豊作や国家の繁栄を祈る春の行事「|修二会《しゅにえ》」がおこなわれます。

ご本尊の薬師三尊像(国宝)に、椿、梅、牡丹、桜、藤、百合、菊など10種類の造花、約1600本をお供えすることから「花会式はなえしき」と呼ばれます。

奈良時代から続く「修二会」で、1107年、堀川天皇が、皇后の病気平癒を、ご本尊の薬師如来さまに祈られて、霊験を受けて回復されました。そのことに感謝されて、お花の造花をお供えしたのがはじまりです。
皇后、妻へのですね。


この「薬師寺」さんの由来も、680年、天武天皇が、皇后(のちの持統天皇)の病気平癒を祈願されて、薬師寺を建てようと願われます。
けれど、686年、天武天皇が崩御され、皇后だった持統天皇が即位され、その意志を継がれたのです。

皇后(妻)の病気平癒を祈られた天武天皇の発願
それから約420年後、堀川天皇も皇后の病気平癒を祈られて始まった「花会式」

どちらも、皇后(妻)の健康回復を願う愛からの祈りだったのですね。
私たちも、家族や大切な人の健康を祈りたいですね!!

ちなみに、伊勢の神宮の二十年に一度新しいご正殿にご神霊をお遷しする「式年遷宮」も、天武天皇が発願されて、その想いは、持統天皇に受け継がれました。

「花会式」も「式年遷宮」も、今にも受け継がれているのですね。
書いていて、なんだか柔らかい気持ちになりました。
時折更新になっていますが、いつも、”遊びに”来てきただき、ありがとうございます!! 皆さんも、健やかでありますように!! 感謝をこめて
お花の画像を(^^)

―次回へ。

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