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はなしかわって 本のこと アートのこと 映画のこと 食べ物のこと 植物のこと 生きていて色々、 感じること考えることのはなし

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朝の道草

2020.09.28 眼を開ける前の一瞬に、 瞼越しから陽の明るさを感じる 幸せな、秋の晴れの日 心無しか雲海も落ち着いている? 部屋がいぶしたような柔らかな金色に 包まれていた * 雨の止んだ朝の日ほど 楽しい道草があるだろうか 駅までの道 あちらこちらにアンテナを張り歩く 今年の始め まだ寒い春の日に、 無骨なグレーの蕾から 一斉に可愛らしい小さな黄色の花を咲かせ 驚かされた山茱萸(サンシュユ)の木の、 秋の定点観察 茱萸のような (茱萸 シュユは、音名

    • 私の本の街

      2020.09.27 相変わらずの曇り空 (そして雨が降った) けれど布団から手を出すと 昨日よりもぬっくりしている * 昨日は本を借りに大きな図書館へ 先日クレヨンハウスの講演会で、 敬愛する岡田淳さんのご講演を 聞かせていただいた 岡田さんのピュアでチャーミングな姿や その素敵な仕事に何度もときめいた そんなこともあり、 今回は小学生さながらの 六冊全て児童書を借りて、 図書館を後にした ハードカバーの六冊を背負い 話題の黄金町を高架下へ立ち寄ると ガラ

      • 枕元のガラス玉は

        2020.09.21 厚い曇り空の下で低気圧に苛まれる 「全然必要のないものなんだけれど多分、 絶対好きだから」 と、言って渡された箱は 手にずしりと、重たい。 蓋を開けるとそれは 自然界と繋がるガラス玉だった。 "ストームグラス"という名称。 ✴︎ 19世紀のヨーロッパで使われていた気象予報道具で、内部のいくつかの化学薬品が気温や湿度、気圧により反応を起こす、 その沈殿や浮遊の様子から気象の予測をするものなのだけれど… 実際のところ変化する理由は、 明確ではな

        • アートと経済 そして、私

          分からないことを 色々考えたりすることや 想像することは好きだし、 それを紐解くことも好きだ。 ここ最近は「どうして猿は人になったのか」 そんなことを、時々考えている。 (何故そんなことを考えるようになったのかは後ほど) あらゆる起こりの説があるし その全てがあって人となっていったのも勿論だ、 それを踏まえての現時点の持論は大きく二つ。 一つ目は「美しいと感じる心が芽生えたこと」 初期の縄文土器には既に縄を押しつけて 縄文模様が付けられている。 ただ使うだけの生活用品

        朝の道草

          矛盾を受け入れること

          休日の朝、 久しぶりの美術館に高揚した 新設な、無機質で寒々しい美術館の 冷たさや静けさも嫌いではない 時代を醸す埃の、甘い匂いのする美術館は もっと、好きだけれど 今回は前者、現美へ 【ときに川は橋となる】 オラファーエリアソンは デンマーク出身の現代アーティスト 環境問題や自然を主題にした インスタレーションが主な作品 やはり個展をするだけあって分かり易く そして、今の流行り(日本の?)と いうのもあるかな 氷河の動き 野菜染め 素材たち 「目で見えない

          矛盾を受け入れること

          【本のはなし】 STONER

          STONER ストーナー ジョン・ウィリアムズ/東江一紀 ”美術館へ行った。腕を組んで、天井の高い展示室を巡り、絵画が反射する豊かな光の熱を浴びた。静けさとぬくもり、そして古い絵や彫刻から漂う時を超えた香気の中、ウィリアム・ストーナーは並んで歩く長身で華奢な女性への思慕がほとばしるのを感じ、体の奥に静かなる情欲が周りの壁から立ちのぼる色彩の暖気とよく似た温かくて明朗な官能の渦が湧き起こるのを感じた。” ”弁明よりも沈黙のほうが賢い処しかたとなることを祈った。” ”一九

          【本のはなし】 STONER