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和歌・あなたのあのときの微笑みは奇跡のように美しかった

「燈火(ともしび)のかげにかがよふ
うつせみの妹が笑まひし面影に見ゆ」
万葉集巻11・2642

(ともしびの炎の影にゆらめいていた愛しい人の微笑みが、面影として見えることだよ)

夜に逢い引きをしたときに

たった2人だけの世界の中、
炎の影にゆらめくあなたの微笑みは
とても優しく妖しく、
美しかった。


幻のように美しかったけれど、
まぎれもなく
生身の肉体を持った現実のあなた。

あのときのあなたの微笑みが
面影にちらついて離れない。


夢のようだったけれど夢ではなかった。
目の前にあなたがいて、
わたしに微笑みかけていた。
それがすべてだった。


まるで奇跡のように美しかったよ。

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