和歌・わたしを抱いてくれない?
「昼は咲き夜は恋ひ寝む合歓(ねむ)の花
君のみ見めや戯奴(わけ)さへに見よ」
万葉集巻8・1461
(昼は咲いて、夜は恋しい想いで共寝をするといわれる合歓の花。
この花の主人のわたしだけが見ていいものでしょうか。
あなたも見てよ。)
合歓の花は夜になると
葉が重なるように閉じることから、
まるで男女が共寝をしているようだといわれることをふまえた歌。
合歓も夜になると
恋しい人と共寝をするものよ。
愛しいあなた、
まさかわたしを一人にはしないでしょう?
一緒に夜の合歓を見るのよ。
そして、わたしを抱いて。
床をともにしましょう。
合歓の名のように、歓(よろこ)び合うのよ。
わたしとあなたの2人で。
秘密の甘い夜を始めましょう。
わたしはいつでも待ってるわ。
中学生の頃にはじめて読んだときに
ドキドキした思い出がある歌。
こんな風に大胆でエロティックな歌があるから、万葉集はトクベツ。
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