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和歌・お母さん、あなたはわたしの花

「時々の花は咲けども何すれそ
 母とふ花の咲き出来(でこ)ずけむ」
 万葉集 巻20・4323

(その季節の折々に花は咲くけれど、どうして母という花は咲き出なかったのだろうか)


防人(さきもり)歌。
(防人とは、日本古代の兵役の一つ。律令制では21~60歳の男子は3年間の防人の軍役につく義務があった。万葉集の防人歌は有名)

お母さん、
あなたはいつも優しくあたたかい。

いつもわたしのそばに寄り添って、
花のように微笑んでいる。

もしも母という名の花があったなら、
任地まで一緒に持って行くのに。

ふるさとから遠く離れた地でも
その花が咲くたびに、
母の面影を思い出して
懐かしくおもうのに。

会えない間もずっと、あなたを忘れない。
お母さん、あなたはわたしの花。

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