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和歌・愛するあなただからこそ、美しさを分かち合いたい

「うめの花降り覆(おほ)ふ雪を包み持ち
君に見せむと取れば消(け)につつ」
万葉集 巻10・1833
(梅の花をおおうように降っていた雪を、
愛しいあなたに見せようと手に取ったら
儚くも消えてしまったよ)

梅の花に降り積もった雪は
なんとも美しくて…

恋人に見せようと手に取ったら、
わたしの体温で溶けて消えてしまった。


残念だったけれど、
愛しいあなたに
美しいものを見せたかったんだよ、
わたしが美しいと思ったものを。

儚く消えてしまうほど
まるで夢のように美しかったよ。


物は贈れなかったけれど、
せめて歌に詠むことで
わたしの想いと感動を贈ります。


愛するあなただからこそ、
この世界の美しさをわかちあいたいのです。


※再掲しました。

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