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2024明治安田J1リーグ第24節ガンバ大阪対湘南ベルマーレの個人的な見どころを紹介

今節が終われば中断期間に入る両チーム。夏の移籍もありチームの状態は自チームも他チームも変化して終盤へて進んでいく

現状2位という好位置につけるホームのガンバは7月公式戦は3連勝中
町田に敗戦後横浜FM戦、天皇杯3回戦、鳥栖戦としっかり勝利を飾った
首位町田との勝ち点差は「5」
その中で着々と勝利をしてタイトルに向けて戦っていきたい

一方の湘南も7月は負けなしの公式戦3連勝中
劇的な浦和戦での勝利から、天皇杯3回戦も同じカテゴリーの東京Vに勝利。そして前節はホームで磐田相手に5-0と数的有利を活かして大勝
今季はホームでガンバ大阪に1-2の敗戦だったが、今節勝利を飾って連勝を伸ばし残留争いからも抜け出したい

現状順位の立ち位置は違えど、好調なチーム同士の一戦
夏場の戦いだが、中断期間前とあってお互いに死力を尽くして勝ち点3を積み上げたい一戦となる

(J1リーグ 解説:佐藤悠介さん リポーター:内藤 朝佳さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2024/7/17時点)(リーグ戦のみ)

ガンバ大阪:13勝5分5敗 勝ち点44の2位  28得点 17失点(+11)

ガンバは横浜FMに4-0と今季最多の得点かつ無失点で勝利
町田に敗戦後は連敗することなく天皇杯を迎えた。そのアウェイでの天皇杯も2-0で勝利し前節のアウェイ鳥栖戦となった

ガンバは横浜FM戦からは先発に山下と累積警告明けの半田を起用
天皇杯の宮崎戦からはダワン、中谷、黒川、半田、一森、山下が中3日での連戦となった

立ち上がりはお互いに良いプレーを見せる。鳥栖は試合前の川井監督が述べていた通り、前からのプレスを積極的に仕掛けてゴールに迫る
一方ガンバは鋭いカウンターから得点機会を伺った
最初に決定機をつくったのは鳥栖だったが、一度揺れたゴールネットはファウルがあり得点とはならず。一方のガンバ大阪は前半の19分に宇佐美、山下、坂本の美しい崩しで先制点を奪い1-0に
その後も鳥栖は勢いを止める事なくサイドからのクロスを起点にゴールに迫るも前半は1-0で折り返した

後半も出足は鳥栖が非常に良いプレーを見せフィニッシュまで迫るも得点は奪えず。ガンバ大阪は少し受ける時間はあるものの、CKなどセットプレーでチャンスをつくるがお互いに得点が生まれないまま交代で変化を試みる

大きな変化を生んだのは経験豊富な倉田だ。守備のスピードを上げて、徐々に流れをガンバに傾ける。そして終盤には倉田の守備からショートカウンター発動
途中交代のジェバリが2試合連続となる得点で2点目を奪い2-0とガンバ大阪が鳥栖相手に粘り強く勝利を飾り連勝を記録した

2024明治安田J1リーグ24節鳥栖VSG大阪試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

湘南ベルマーレ:5勝7分11敗 勝ち点22の18位 33得点 38失点(-5)

浦和戦は劇的な終盤の得点で3-2の勝利。そして天皇杯では同じカテゴリーの東京Vに勝利し勢いを持って臨んだホーム戦だった

天皇杯からはルキアン、田中、キムミンテ、鈴木雄斗、鈴木淳之介、畑、ソンボムグン、高橋と8人を入れ替え
リーグ戦の浦和戦からは山田に代えて茨田が起用された
連戦は鈴木章斗、池田、茨田が天皇杯から連戦となった

試合は思わぬ形の展開となる。前半16分にリカルドグラッサのファウルでルキアンがPKを獲得。リカルドグラッサはレッドカードで退場となり、磐田は早い時間帯で数的不利な状況に陥ってしまう

そこからは湘南がプレスと切り替えの早さで得点を量産
38分にはカウンターから最後池田が冷静にボールを流し込み追加点
前半の終盤には畑と鈴木淳之介のコンビネーションからクロスを送りルキアンが得点を記録
後半に入っても湘南が主導権を握り続ける。ルキアンは追加点を奪いハットトリック達成。更には根本はJ1初ゴールを記録し、吉田はJ1リーグデビューを飾るなど、天皇杯からの良い流れを引き継ぎ今季リーグ戦では初の連勝

現状は残留争いと難しい立ち位置だが、そこから抜け出す大きな勝ち点3をホームで得る事に成功した

2024明治安田J1リーグ24節湘南VS磐田試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

過去のリーグ戦ではガンバ大阪が21勝、湘南が11勝、引き分けが3つとなっている

今季は6/1に対戦し2-1でG大阪が勝利
(得点者★ 湘南:ルキアン G大阪:宇佐美が2得点)

昨季のリーグ戦では、4/1の湘南のホーム戦は4-1で湘南が勝利
(得点者★湘南:町野が4得点 G大阪:ジェバリ)
8/19に行われたガンバ大阪でのホーム戦は2-1でガンバ大阪が勝利
(得点者★ G大阪:ファンアラーノ・宇佐美が得点 湘南:大橋が得点を記録)

昨季はG大阪・湘南がそれぞれホームで1勝という結果だった。ガンバは勝利すれば対湘南戦3連勝となる。対する湘南はアウェイでのガンバ戦勝利は2年ぶりとなる

■所属選手が在籍時にこの対戦カードで得点を決めている選手
ガンバ大阪:宇佐美が7得点、倉田が2得点、アラーノ、食野、ジェバリ、福田が得点を記録
湘南:ルキアン、山田、大野が得点を記録

■古巣対戦
福岡 将太:2014年~16年に在籍(内2年間は福島で期限付き移籍してプレー)
山口 智:2001-11年までG大阪でプレー。2016-20年まではコーチとしてもガンバに在籍
阿部浩之:2012-16年までG大阪でプレー(135試合21得点)
奥野 耕平:2019-23年途中までG大阪でプレー(リーグ戦108試合4得点)※U23含む
鈴木 雄斗:2019年途中からG大阪でプレー(リーグ戦は3試合のみ)
小野瀬 康介:2018年途中から22年までG大阪でプレー(128試合16得点)

湘南は特にガンバ大阪に縁がある選手が多い。湘南に在籍する福田翔生はガンバでプレーする福田湧矢とは兄弟(兄が福田湧矢)という関係性も

現状負傷状況である選手もいるが、ピッチ上での再開を楽しみにしたい

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)

ガンバ大阪:13勝5分5敗 勝ち点44の2位  28得点 17失点(+11)

先制試合:13試合 11勝1分1敗(5節広島戦は追いつかれる。21節町田戦は逆転負け※町田戦は退場者あり)
先制された試合:7試合 2勝1分4敗(8節鳥栖戦、15節川崎戦は逆転勝利)
スコアレスドロー:6節京都戦、14節東京V戦、20節の鹿島戦の2試合

ホーム:8勝1分2敗 勝ち点25  19得点 10失点 得失点+9
アウェイ:5勝4分3敗 勝ち点19 9得点 7失点 得失点+2

リーグ戦では12名が得点(宇佐美8得点、坂本4得点、ウェルトン3得点、ジェバリ・山田・ダワンが2得点、アラーノ・岸本・三浦・倉田・中谷・福岡が得点を記録)

複数得点:8試合(現在2試合続けて複数得点を記録)
複数失点:3試合
無失点:10試合(現在2試合続けて無失点を記録)
無得点:6試合

<得点>前半12得点 後半に16得点 
<失点>前半は6失点 後半11失点

今季は28得点中セットプレーでの得点は11点の39.3%。FKで4得点、CK起点で3得点を記録
※セットプレーは宇佐美が起点。神戸戦では鈴木徳真がOGを誘発

17失点中セットプレーからの失点6で割合は35.3%(CKで1失点ん、PKで3失点など)

湘南ベルマーレ:5勝7分11敗 勝ち点22の18位 33得点 38失点(-5)
先制試合:7試合 3勝4敗(1節の川崎F戦、6節の東京V戦、14節柏戦(※1人退場)、16節の磐田戦は逆転負け)
先制された試合:15試合 2勝6分7敗(12節の鳥栖戦、15節の新潟戦は逆転勝利)
スコアレスドロー:13節の町田戦のみ

ホーム: 3勝2分6敗 勝ち点11 16得点  15失点 得失点+1
アウェイ:2勝5分5敗 勝ち点11 17得点  23失点 得失点-6

リーグ戦では12名が得点(ルキアンが11得点、福田が6得点、池田・田中・鈴木章斗が3得点、石井・根本・鈴木雄斗・平岡・阿部・小野瀬・畑が得点を記録)

複数得点:9試合(現在2試合続けて複数得点記録) 
複数失点:12試合 
無失点:2試合(前節10試合ぶりに無失点)
無得点:6試合

<得点>前半に16得点 後半に17得点  
<失点>前半は13失点 後半は25失点
後半の終盤に強い(後半31分以降に9得点を記録)

33得点中セットプレーでの得点は8点の24.2%。茨田のFKからチャンスメイクも

38失点中セットプレーからの失点は11で割合は28.9%(FK2失点,CK7失点,PK2失点など)

個人的な見どころ

今季は既に17節で対戦し湘南のホームで行われた一戦は2-1でガンバ大阪が勝利をおさめている

ただ、この試合も湘南は持ち前の良さを発揮。ガンバはしたたかに勝ち点3を手にしたが、振り返っても前半は湘南のペースだった
空いているスペースを上手く使い、G大阪の守備を苦しめていた印象だ
その中でも一瞬の隙をついて宇佐美が先制ゴールを奪い、山下の早さでPKを獲得して追加点を奪った
前回対戦でもルキアンはセットプレーからしっかりと得点を奪い脅威になっていた。好調のチーム同士だからこそ、要となる選手たちのパフォーマンスが勝負の分かれ目になりそうだ

個人的な注目は3つ
①前回対戦からの変化は?主導権を握るための「切り替え」

前回の湘南VSガンバの一戦では湘南がシュート12本(ガンバは3本)そしてCKも湘南は9本(内1本を得点に)でガンバは0本とスタッツでみれば湘南が主導権を握っていた
実際に、ボールを握りながら左右に揺さぶり効果的な攻撃ができていた印象だった。あとは精度の部分と、ガンバが決して多くないチャンスを確実にモノにした結果だった

あの試合から1ヵ月と3週間。上昇気流に乘っている両チームは良い部分を出す時間をより長くしていきたい
湘南は前回対戦時はキムミンテや畑、根本が不在だった。一方のガンバはアラーノが不在だったのみで大きく選手は入れ替わっていない

主導権を握るために、ボールの奪いどころやタイミングも重要になってくる
湘南はリーグで1試合平均のタックル数は19.8回で最多
一方ガンバは15.8回でリーグで15番目だが、成功率は67.9%でリーグ2位となている(湘南は8位で65.8%と高い)
湘南は鈴木雄斗、田中聡がチームの中ではタックル数上位。加えて田中はインターセプトの数が11回でリーグ3位。攻守の切り替えでキーマンの1人となっている

ガンバはダワンと鈴木徳真がチームでタックル数上位。鈴木徳真は奪取率が8割を超えており、冷静な状況判断で攻守に貢献
ダワンと共にインターセプトも7回とこの2人のコンビネーションは現状のガンバでは揺るがない組み合わせかもしれない

前回対戦では湘南は中央だけではなく、幅も使い、サイドからも効果的に攻撃し主導権を握った
今節はガンバが入りの部分で同じ轍を踏まずに、流れをつくる事ができるか注目したい

②好調な両チーム。先制点の立役者は?
ガンバは順位は2位。首位との勝ち点差は「5」と他力な要素はあるが、それでも確実にホームで勝ち点を積み上げたい
一方の湘南も今季初となるリーグ戦での連勝。そして無失点勝利を記録。天皇杯から良い流れを引き継ぎ、お互いに7月は負けなし

ガンバは5/19の川崎戦以来実に約2か月間、先制を許していない
20節の鹿島戦でのスコアレスドロー、21節の町田戦は先制後に退場者を出し、逆転負けを喫したが、リーグ前半戦19試合中7試合は先制を許したが、後半戦はここまで4試合で先制を許していない。更に直近の試合で見れば先制点はいずれも違う面々になっている
町田:ウェルトン、横浜FM:アラーノ、鳥栖:坂本
また天皇杯ではネタラヴィが加入後初ゴールも記録している

7月に入って、負傷者も戻ってきた事もあり選手層は厚くなりつつある。五輪のため半田は不在だが、松田陸をはじめ18人のメンバー編成とその活躍に期待がかかる

湘南は先制点を許す試合が5試合続いたが、直近の公式戦3試合はいずれも自分たちが先制ゴールを奪い勝利を記録
シーズン序盤は複数失点が多くなっていたが、直近のリーグ戦5試合で見ると複数失点は浦和戦の1試合のみ
平岡、小野瀬、阿部と前線の選手の負傷は手痛いが、キムミンテの復帰や守備陣は攻守に奮闘を見せ、ハードワークに+して繋ぎながらゴールに迫る部分を見せている

前節は数的有利な状態だったとはいえ、ルキアンのPK以外の4得点でのアシストは畑、高橋、茨田、鈴木雄斗と異なる選手が記録
中央、サイドと色んな場所、選手から得点を取れる良さを継続し、リーグ戦3試合連続となる先制点をマークしたい(昨年は29節から33節まで5試合続けて先制点を奪い4勝1分)

③流れを変える交代選手とセットプレー

ガンバは前回途中交代から倉田とジェバリが流れを変えた
湘南も天皇杯でもプレーした根本やリーグ戦初めてのプレーとなった吉田は存在感を見せた

膠着状態を打開するための選手交代で結果を出せる選手が誰になるかも期待したいポイントの1つになる
ここまでは途中交代から得点を決めている選手は
G大阪:ジェバリ2得点(2戦連発中)、山田、倉田、宇佐美の4人で5得点

湘南:福田翔生が3得点、畑、ルキアン、根本、石井の5人で7得点を記録

ガンバは途中出場が2桁超えているのは倉田の13試合、ジェバリの11試合と2人
湘南は途中出場が2桁を超えているのは奥野の13試合、福田の11試合、石井の10試合と3人

夏場の難しい時間帯では交代選手の活躍は重要になる。前節はガンバの倉田とジェバリは存在感を見せ、湘南は根本がJ1初ゴールを記録した

交代選手のタイミングと活躍も楽しみにしたい
そしてセットプレーは前述したが今季ここまでの両チームは以下のようなスタッツになっている

G大阪:セットプレーでの得点は11/28(39.3%)失点は6/17(35.3%)
湘南:セットプレーでの得点は8/33(24.2%)失点は11/38(28.9%)

ガンバは4割近くの得点がセットプレーから(宇佐美は直接FKとPKで4得点を記録。またFKとCKの5本は宇佐美が起点)
ただ、失点も6失点と数は少ないが、全体の割合で見ると35.3%と高くなっている

湘南はセットプレーからの得点はそこまで多くないが、前節は5点中2点がセットプレー絡みだった。ただ、CKを起点に4得点もキッカーの阿部は負傷中、杉岡は移籍となっており茨田にかかる期待は大きくなる

ガンバは前節セットプレーからの得点はないが、横浜FM戦ではスローインとPKから得点に繋げている
一方で神戸戦・町田戦共にPKで失点も記録。今季はPKで3失点許しているので、しっかりと際の部分まで集中し無失点試合を継続させたい

湘南は最後にセットプレーから失点したのが前回対戦の17節ガンバ大阪戦で宇佐美に沈められたPKでの失点となっている
直近の試合では集中して戦えている分、暑さはあるが90分集中した戦いを見せて勝利を掴みたい

20日の一戦は夏の暑い中でのタフな一戦となる。ただ、ここから中断期間も挟むため怪我なく熱い試合に期待したい

パナソニックスタジアム吹田で行われる一戦は19時からKO
是非現地またはDAZNにてお楽しみください






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