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「進化心理学」という「どえらい武器」を我々は手にしてしまった 【 これは後出しジャンケンのような強さがある。無双かも。という話】

我々の脳ってものに俺はわりと興味がある。
今までもnoteに脳とかについて(しょ~もないダジャレみたいになってしまった)俺が思うことをつらつらと書いたりもしてきた(「我々の脳は世の中を善悪二元論で捉えてしまいがち」だの、「我々の脳は世の中を物語にしてしまう」だの、「サピエンスの限界」だの)。
でもってそれらは、話題になった本を読んだり、認知科学だのについて聞きかじったことを元に書いていたのだが、なんとここ、このnote内にも脳とかについて(重ね重ねしょ~もないダジャレみたいで申し訳ない)、もの凄く面白いことを書いている人を発見したので、ご本人に確認も取らずに勝手に紹介させて頂く。

↓「俺ちゃん」さん(あ、俺ちゃんさんと書くと社長様みたいで何だかな~と思うので、以下俺ちゃんで表記させて頂く)という方なのだが、ホントめちゃめちゃ面白い。そして、かな~り勉強になる。
「進化心理学」という分野について色々と書いていらっしゃるのだが、こんなに面白く為にもなる入門書のような文章がnoteで読めるとは嬉しい限りで、俺は貪るように「俺ちゃん」の様々な記事を読み漁っている。

で、進化心理学とは何ぞや?についてなのだが、それは「俺ちゃん」の記事を読んで頂くのが当然のことながら1番なのだ。↑まずは読むべし。
でも、ま~、それについての俺なりの説明も一応ざっくりとここではしておきたい。(因みに、分かり難いけど俺ってのは私のことね、私、琴花酒のこと。以後、「俺ちゃん」表記は「Ore Chang」さん、「俺」表記は私「琴花酒」になるので。てか、「Ore Chang」さんと「私」で表記しろよというツッコミはあると思う。申し訳ない。こ~ゆ~まどろっこしいことが好きなのだ。)

進化心理学とは、もの凄く乱暴に説明すると、「人間って動物だよね。だから人間の様々な行動を動物として説明するね。」ということなのだ。

もう少し噛み砕く。
人間って動物だ。人間って生物だ。
で、生物にとって1番大事なこと、あらゆる生物にとっての最重要課題ってのは「種の保存」だ。
あらゆる生物の優先順位の第1位は「種の保存」なのだ。
だって、「種の保存」が出来なかった生物は地球上から消えのるだから。当たり前だ。
で、今生き残っている生物(また、かつて生き残っていた生物)ってのは、その生物種が存在していた環境にたまたま適していただけなのだ。だから結果として種の保存が出来たと。自然淘汰ってやつかな。または、適者生存とでも言うのだろうか。
でもって、こ~ゆ~結果をもたらせたプロセスを「自然選択」というのだ。

それでだ。
この自然選択によってあらゆる生物はデザインされているよねという話。

その前に進化について簡単に説明すると、例えば、キリンが首が長いのは進化の結果なわけだが、それは首が長いヤツがたまたま環境に適していたわけであって、キリンが「よっしゃ、他のヤツらを出し抜く為にも首を長くしたろ」とパワーアップしたわけではないのだ。
あくまでも、首の長いキリンがたまたま生まれ、他の(相対的に首の短い)キリンより与えられた環境に適していたから生き残ったのだという話なわけだ。
つまり進化ってのは環境にたまたま合うヤツが生き残ってきた結果の積み重ねだと捉えることが出来るのだ。
で、この進化(=たまたまの結果の積み重ね)をもたらせたものこそが「自然選択」なわけだ。そのまま文字通り、「自然に選択されたよ」ということでよかろうかと思う。
だから、キリンが首が長いのは自然選択にデザインされたと言える。

そして、キリンだけでなく全ての生物はその自然選択にデザインされているわけで、そこには当然我々ホモサピエンスも含まれているのだと。
ということはよ、我々ホモサピエンスに備わっている様々な機能は、進化の上で有利に働いたから備わっているわけになるわな。
我々ホモサピエンスの様々な機能は自然選択にデザインされたわけよなという話。
でもって、様々な機能には当然、脳の機能も含まれるわけだ。
ということは、「心」だの「精神」だの「意識」だの「心理」だの「思考」だのと表現されるものも、進化の産物だよね、自然選択がデザインしたものだよね、となるのだ。
で、それを科学的な手法で研究していこうとしているのが「進化心理学」なのである。

では、進化心理学ではどんなことを考えているのか。その例を一つ、↓下の俺ちゃんの記事から引用する。

例えば、Q.孤独はなぜつらく感じられるのか?という問いに対して、
今までの学問は、
❶「至近要因」からの回答 ▷ 脳が社会的な痛みに反応してネガティブな情動反応を引き起こすから。と答えるのだが、進化心理学では、
❷「究極要因」からの回答 ▷ 孤独を「つらい」と感じるような個体だけが自然淘汰を生きのびて進化してきたから。
と答えるのだ。

上記の例のように進化心理学では、我々の様々な言動の全てについて、進化論を土台にして考察していくのだ。
いや~これは面白い。進化心理学ってのはこんなに面白いのかと俺は感動すらしたよ。
てか、俺ちゃんの記事はどれも面白い。ついでに言うと、Twitterも面白い。
俺は俺ちゃんのTwitterもフォローしているのだが、かなり面白い考察が見れるので興味ある方は覗いてみることをお薦めする。

ただ、この進化心理学、少し心配なことが俺にはある。
それは我々大衆が「どえらい武器」を手にしてしまったということである。
俺ちゃんは進化心理学を「万能酸」と表現しているのだが、ホントこれは何でも溶かす力があるので、どえらい武器に成りうる。
そして、進化心理学では我々ホモサピエンスの行動の全てを「進化の結果だから」で説明が出来てしまうのだ。これは後出しジャンケンのような強さがある。無双だと思われる。
例えば、「異質なものは排除したい」みたいな気持ちに対して、進化心理学的には「そういった気持ちのあるものが結果として生き残ったのである。生物としては仕方ないことなのである。」ということになるのだろうから、先ほど述べたような世の中に蔓延る様々な頂けない言説に対しても妙な説得力を持たせてしまうわけなのだ。
望ましいのは「だからこそ、それを前提として世の中を構築していこう。我々を生物として捉えたときに、我々は異質なものは排除したいという気持ちを持ってしまうものなのだ。でも、多くの人間にとって生きやすく望ましい社会は多様性を認める社会なのであろうから、その辺りの擦り合わせを模索していこうよ」みたいな感じで収まるのが良いと思うのだが、如何せん、我々大衆というのはアホなので、「生物なんだからしょ~がね~じゃね~か。生物ってのは差別するんだよ。」で終わると思うのだ。因みに、この辺りのアホさについても進化心理学的には究極要因があるのだろう。

いやいや、こういったことってのはなるようにしかならんのだろうから、俺が心配しても意味はないのだけど、俺ちゃんのTwitterにぶら下がる様々な人のツイート読んでると、中にはやはり我々大衆がどえらい武器持つと悲惨なことになるな~と思うものも見受けられるのだ。
勿論、俺もそのアホな大衆の一人なのだから充分に気を付けなくてはならない。

それにしても、いや~、進化心理学ってかなり面白いのだけれど、どえらい武器だな~とも思うのだ。

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