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サッカーW杯を見て

先月からカタールで行われていたサッカーのW杯は今日のアルゼンチン-フランスの決勝戦をもって全日程が終了した。
僕自身これまでサッカーのW杯をあまり詳しく見ることはなかったが、今大会は初めて7割近くの試合を見た。前回大会までがどうだったかはあまり分からないが、今大会は波乱や死闘もあり、決勝戦も最後の最後まで熱戦で非常に見応えのあるものだったと思う。

今回はサッカーW杯を見てきて感じたこと、個人的に好きになったチームについて書いていきたいと思う。

W杯に出ている選手はなぜあれほど輝いて見えるのか

これは大会を通じて感じたことだった。もちろん俳優やモデルさと思うような風貌の選手もいる。だが、そんなことは関係なく全員がキラキラと輝くオーラを放っており、かっこよく見えた。実際にその一挙手一投足に世界の多くの人が注目して、熱狂した。
なぜなのか。自分なりに考えてみた。

自分の人生をかけてまで国の誇りのために戦っている

大きな理由の1つとしてこのことである。これはどの競技でも言えることだが、トップアスリートは個人事業主のようなものだと思っている。
チームスポーツだと一応特定のチームには所属するものの、究極的に言うと評価されるのは個人としての働きであり、それが芳しいものでないと例えチームのしての成績が良くても職を失うことに直結する。また、アスリートは自分の身体が資本であるため1つの怪我でキャリアを棒にすることもある。僕のようなただの一般人が日本にいるとなかなか経験できないし想像もつかないようなシビアな世界だ。

そんなシビアな世界の住人であるアスリートであるため、自分にとって利益にならないことには手を出しづらいのは理解できることでもある。
実際に野球では日本やアメリカでオフシーズの調整の方が大事であるため、と言う理由で国の代表として国際大会に出場しないという例がいくつもある。(もちろん球団が選手を守るために出場させないという例もある)

ましてサッカーについては野球よりも身体の接触がはるかに多いため、怪我のリスクは増す。実際にW杯期間中に負傷離脱即手術を行なった選手もいた。
そんなリスクを負いながらも一国の誇りを背負い戦うことを選択する心意気、覚悟がトップアスリートとしての華やかなプレーに泥臭さを上乗せすることでかっこよさを際立たせているのだと感じた。

今大会を席巻したモロッコというチーム

僕が今大会を通じて好きになったチームはモロッコである。見ていた方ならご存知だと思うが、予選リーグでは強豪のベルギーから金星をあげるなど奮闘し、予選唯一の勝ち点7を獲得し首位通過を果たした。決勝トーナメントでは優勝候補のスペインをPK戦の末に下し、クリスティアーノ・ロナウド擁するポルトガルを破ってアフリカ勢初のベスト4になる大躍進をしたチームである。
また、ベスト8に欧州、南米以外で唯一入った国でもあり、サッカーが欧州と南米のものだけではないことをその身で世界に知らしめたチームだ。
僕がこのチームを好きになった理由は彼らの戦いぶりとメンタルである。

ハードワークをいとわない闘いぶり

はじめに言っておくが、僕はサッカー素人なので戦術やシステムについては何も分からない。
ただ、モロッコの特徴といえばこの一言だと思う。
とにかく全員で守り、ボールを奪った瞬間に目にも止まらぬ速さで前線の選手が飛び出していく。サイドに追い詰められたり、相手守備に囲まれたりしても個人技や連携プレイで華麗にかわしていく。その疾走感溢れるカウンターと数々の美しい個人技に魅せられ一気にファンになった。

きっかけとなったスペイン戦

そんなモロッコの試合を初めてちゃんと見たのは決勝トーナメント初戦のスペイン戦である。この試合もハードワークを重ね何度もゴールに迫り、必死の守備でゴールを守り続けた結果PK戦にもつれ込んだ。
このPK戦が衝撃だった。GKが3本連続で止めた(うち1本はスペインの選手が外した)ことも驚いたが、それ以上にキッカー含め全員のメンタルの強さに驚いた。
GKはPK戦に入ってからキッカーが蹴るまでは常に笑みを浮かべていた。もし、自分の止めることができなければ敗退が決まってしまう。そんな中で笑うことができるメンタルの強さが衝撃だった。

またキッカー陣のメンタルの強さも際立った。
特に2番目のジエシュ(シエシュなのかジヤシュなのかツィエクなのかは分からない)と4番目のハキミは真ん中に蹴り込んだ。


ジエシュは迷うことなくど真ん中、GKが蹴る方向を見て動くのであれば棒立ちのままキャッチができるコースに蹴った。PK戦の流れを決める2番目のキッカーで、しかもそれが国を背負って戦うW杯にもかかわらず、ど真ん中に蹴り込む精神力や観察力に鳥肌がたった。


4番目のハキミもど真ん中、次はGKのタイミングを外すパネンカで決めた。これもGKの反応が良ければ余裕で止められてしまうコースに蹴り込んだことが衝撃だった。また、2番目のジエシュがど真ん中に蹴ったにもかかわらず、再度真ん中に蹴り込む自信やメンタルが圧巻だった。

この試合を通して、プレー面でもメンタル面でもとにかくカッコよく、どのチームよりも輝いて見えたため、今大会で1番好きなチームだった。

今大会を振り返って

今大会はアルゼンチンが優勝し、結果としてメッシの大会となった印象だが、それ以上に魅力の詰まった大会だった。波乱もあり不本意な結果に終わった国もあったかもしれない。それでもその国の誇りをかけて最後まで力を振り絞り戦い続けた姿はかっこいい以外の言葉では例えられないくらい輝いていた。

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