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キャーだよ!

とうとう今週末。

甲:168センチ・70キロ
乙:171センチ・60キロ

乙が甲の歩行および入浴・排泄の介助をする。転倒事故を起こした場合は、乙の過失とみなし、、

そんな契約書などないのだけれど、
今週末、いとこの老夫婦の付き添いで旅行に同行する。

いとこのおじさんはパーキンソン病だ。

いきさつはこれまでに書いてきたので、カッツのアイ。

今日はそのおじさんと、近所の公園に散歩しに行ってきた。目的は、

  • 歩行時に何が危険なのか

  • どのくらい歩行距離があるか

  • 段差は大丈夫か

これらを確認するためだ。なにせ自宅では転倒しまくっていて、スネは内出血が重なって真っ黒なのだ。

今回は「ロフストランドクラッチ」という、プロレスの締め技みたいな杖のみで旅をする。ちなみにロフストランドクラッチは、手の麻痺や握力のない人用に肘の下まで腕を支える部品が付いている杖で、普通の杖に比べると安定性が高い。しかしおじさんは、日常ではシルバーカーを使っている。

旅とチャレンジの要素もふんだんに盛り込まれた、一泊二日なのだ。

もう、珍道中になることは確定している。命がお土産。

さて、おじさんとぼくは近所の公園についた。公園の端から端からまで100メートルくらいの四角い公園。

片方の端をスタートにし、おじさんとぼくは歩き始めた。

普段からシルバーカーで散歩しに行っているというだけあって、ロフストランドクラッチでも軽快に歩く。ちょっと安心した。
ただ、杖を前について歩く意識がないので、とても危ない。腰の疲れとともにどんどん前傾姿勢になって、30メートルくらいを歩いた時点でもう、いつでも前のめりに転んでもおかしくない状態になっていた。

おじさんが小学生ならば、そのままヘッドスライディングでも「またユニホームを汚して帰ってきたの?」と、微笑ましい光景になるだろうが。現実、擦り傷を作って帰ろうものなら、おばさんにトヤカク言われてしまうのは目に見えている。

ちょっと休憩。
昼下がりの公園で、おじさんとぼくは佇む。

シーソーでママさんが子供と遊んでいた。

リストラされたのか?スラックスを履いたおじさんが鉄棒をしていた。

再び歩き出す。30・30・40。
メートルを刻みながらなんとか歩ききった。

おお。なんとか行けそうだ。

おじさんは、ぼくより体重があるため転倒したらおそらくぼくも一緒に転倒する。だから、おじさんには頑張って歩いてもらわなくては困る。

無事におばさんの待つ家に戻り、コーヒーを飲んでいた。

こんなにほっとしたコーヒーは、前の会社を辞めたとき以来だ。

おじさんがトイレに行こうと立ち上がった。慣れている場所、家の中ならある程度安心していられる。二口目のコーヒーの飲もうとしたとき、

「どすん。」おじさんは尻もちをついた。

トム・ブラウンばりに「キャーだよ!」。

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。