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いざこざが咲く前に、いざこざの芽を摘みにいく。

介護施設は、価値観が交差する場所。
80年から90年かけて作り上げた価値観。変えることは不可能だし変える意味はないだろう。

だからちょっとしたことで、いざこざが起こる。

「なんで自分の使ったベットの綺麗にしていかないの?」
「洗濯物は裏返しにしないと服が日焼けする」
「トイレはきちんと蓋をしてから出てよね」

聞こえるボリュームでぼやく。

「早く歩け」「どけ」「うるさいっ!」「さわるなぁ!」「あのひとさっきからずっとカバン見てくる」「私の新聞勝手に読んでる」

書いていて面白くなってくるけど、おもろいんだけども。
なんだろう歳をとると自己主張が強くなるのか、はたまた自分のことしか考える必要がないと意図的に発言しているのか。まぁ不思議なものです。

いざこざが咲く前に、いざこざの匂いを感じ、いざこざの芽を摘みに、いざこざ畑に出る。

ゴングがなる前に、ひとりごとが始まっている。
ひとりごと段階で散歩に出掛けられればいいのだけど、同時に何人も見守りしていると、どうしても限界がある。
始まってしまうと、場合によってはどちらか一方が来なくなってしまうことがあるため、はじまりのゴングに気づいたら。

ボクシングのレフェリーがTKOで試合を止めるように、二人の間に体ごと割って入り、自分の話を勝手に始める。
「ぼくね、70過ぎの母親と同居してるんですけどね、こないだ喧嘩してしまってね。」もう、なんでもいい。「○#$&!っk?>」← これでもいい。そう話しながら二人を引き離していく。

ここでいざこざの内容を聞いたり仲裁に入ってはいけない。意識がいざこざの方に向いてしまい、余計にややこしくなる。双方の価値観に寄り添うだとか、価値観の交わる部分を取りつごうとかしてはいけない。

ガッチガッチの価値観なので。カッチカチやぞ。
すこし熱が冷めてから、ちょっとずつ話していく。

とにかく引き離すこと。
意識を違うことに向けること。

芽を摘む。芽を摘む。芽を摘む。

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。