舞原 帝

まいはら とおる。ポエム書き。 amazonにて電子書籍販売中(https://www…

舞原 帝

まいはら とおる。ポエム書き。 amazonにて電子書籍販売中(https://www.amazon.co.jp/stores/author/B07B27DSDQ

マガジン

  • 「詩集 永劫」(2008~2017)

    amazonで販売しているものをまとめたものです。

  • 令和1年5月~

  • 「詩集 永劫」(平成31年1月~4月)

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表詩

言葉売り 売っているのは言葉です それはそれは安い言葉です どなたにでもお買い求め頂けます それくらい安い言葉です 使い方次第では 誰かを非難することにも繋がりますのでご注意を 言い方次第では 誰かを救済できることもございますので参考までに しかしいくら安いと申しましても所詮言葉 本当は無償でお渡してもよいのです ですが当方言葉しか知らない身 蓋を開けてもそこには言葉に埋れた某がいるのみなのです 非常に心苦しい気持ちでいることがご理解頂けますでしょうか 何度蓋を開けて

    • 他に愛すべきものがあるとするならば それは何だろうか

      愛し方 他に愛すべきものがあるとするならば それは何だろうか きみを愛したのは確かで 今でもそうである筈なのに どうして きみは「愛されていない」と言うのだろう ただ きみだけを見て きみの声だけを聴いて… そうやって ぼくは世界との調和を保っていたんだ どのくらいかは解んないけど いつまでも 永いこと それだけを 約束事のように守り続けていた 心のどこかで ずっと 考えていた事があるんだ たぶん それを誰かに話したら 笑われちゃうだろうな だって 自分でも可笑しくって

      • 苦しくて 我慢したからそうなって もう どうにもなりはしない

        故意 苦しくて 我慢したからそうなって もう どうにもなりはしない 続くそれの始まりを知らずに その為 知ろうと出所を探す ついでに 此処が何処なのかと居所を求める どんな姿が醜くて 誰の為に容貌を求めるのか 自分の容貌が醜いと知っても 愚かな事よ 己の手が 無造作にその姿を掻き毟っても 剥がれ落ちた痛みは 足下に落ちずに また 姿を作り出すだけ それでも 誰かの為の容貌になりたいと 無意識にそれを掻き毟る 動作を真似てみても 一つも似てはいないというのに どれほど続け

        • 記憶を辿ると そこは ただ黒いだけで

          ただ黒いだけのいつか 記憶を辿ると そこは ただ黒いだけで 本当に ただそれだけが 私のいつかを物語っていた 無ければならないものが無くとも 黒が 音としては静が そこに当てはまればいい 今 目にしている光景が鮮やかであったとしても 音はそれに関係なく 賑やかであると言えるだろう そこで私は一人であったか それか 人という存在が無かったのかもしれない 虫は居たか 植物は居たか 動物は… もし 黒というものが 虫であり 植物であり 動物でもある存在ならば そこでも争いは起こ

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        マガジン

        • 「詩集 永劫」(2008~2017)
          12本
        • 令和1年5月~
          19本
        • 「詩集 永劫」(平成31年1月~4月)
          32本
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          10本
        • がらくた置き場
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          11本

        記事

          線から食み出した一匹のアリが主義を唱えた

          塔 線から食み出した一匹のアリが主義を唱えた 永遠演説みたく声が枯れるまで喋ると席に着いたアリ 裁判官はその男を有罪にした 「一人だけ違う行動をしては困る」と判決が下された男 裁たれた布は枚数を重ね 塵も積もれば山となった山頂で アリは男の高さにまで達した線 下っているのか上っているのか 印を付けた所に辿り着く 朝が遣って来ても夜が暗くても 高い線の様なあの塔は見えている   列をなして死刑台へと向かう 線の様な列から食み出した男 踏み出した足は一匹のアリを踏み付け

          線から食み出した一匹のアリが主義を唱えた

          存在しているのだから もう どうしようもないよ

          ヒトツギ世界 存在しているのだから もう どうしようもないよ 誰に何と言われようとも 僕は此処に居場所を持つだけ・・・ 期待とか背負い切れずに きっと それが僕をこの場所に留めているのさ 今では 僕は僕に存在して欲しくないと思っていて 誰に何と言われようとも ただ共感するだけ・・・ 本当に どうしようもないよ 血を流すだけ流して ずっと 泣いている僕に居場所を与えたのはこの僕だから ――今だけは くだらない言い訳を考えずに済みそうだ 指折り 何を数えたのだろう 泣いた

          存在しているのだから もう どうしようもないよ

          俺の目には映らないモノクロの世界が 誰かの目に映っているのを見た

          物欲の果てに 俺の目には映らないモノクロの世界が 誰かの目に映っているのを見た 通り過ぎたそいつの後を追って 知らない街に辿り着く 度々 横切る人の目を見て この街の事を悟った ――誰の目にもモノクロの世界が映っているらしい 見飽きた世界から抜け出すことを望んで生きて それなのに それができずに年老いてしまった 先を見て たぶん見過ぎて期待した 未来のような今を現実と知って 見開いた目に映ったのは ただ色を置いただけの世界でしかなかった 欲望を鈍く光らせ 手

          俺の目には映らないモノクロの世界が 誰かの目に映っているのを見た

          一本の長く続く道の上に 僕はいつからか立っている

          Not a lie. 一本の長く続く道の上に 僕はいつからか立っている ところが その道の上に貼り付く影はなく その上 着く足もない なのに 「僕」はいつからかそこに立っている 意識や無意識 あるいは 記憶とその中の思い出したくはない感情が 僕にいつも「生」を感じさせ どうにか「死」を遠ざけさせていた いつから立っていようと やはり 「生」は感じていただろうし 「死」は一本の長く続く道の終わりで 僕を待っていることだろう もしかすると 次に「生」を感じた時には 「死」の目

          一本の長く続く道の上に 僕はいつからか立っている

          意味もなく だから知れないその意味が 私の好奇心を刺激する

          意味 意味もなく だから知れないその意味が 私の好奇心を刺激する そのうち知るだろうと安心することも もしかしたら知れないかもしれないと不安がることもない 始めからそうだと決定付けられている事なら そうでしかない もし 誤って知ってしまったら その後 都合良く書き換えられるし 言い直せるだろう そんなものでしかない 言葉と言われる伝えるために必須なものというのは 私が生きる上で 意味もなく私が存在することを全うしようとしているのだったら 私は生きていなかったと 在るのなら

          意味もなく だから知れないその意味が 私の好奇心を刺激する

          砂時計を回転させたからと言って 何かを始めようという訳ではない

          砂時計 砂時計を回転させたからと言って 何かを始めようという訳ではない まして 何かを終えた後という事でもないのだから 僕は 砂時計を再び手に持ち直し 何かを始めるだろう と同時に 何かを終わらせるかもしれない まだわからない わかるまで砂は出しておこう そうして 零れ落ちた砂と一緒に 僕が踏みにじったものは 時間という世界 それは 大相大きいものだろうか それとも 小さいだろうか 小さくなるまで それ以上になるまで 踏みにじった所為で もう 跡形もないよ だから きっと 

          砂時計を回転させたからと言って 何かを始めようという訳ではない

          似てしまわぬように 鈍ってしまわぬように 心を赤に染める

          080920 似てしまわぬように 鈍ってしまわぬように 心を赤に染める ドクドクした血は誰のものでもないし 速さも自分のものだから・・・ その通りに動いて 手は何を掴むだろう 近くにあるものを掴むだけなのなら 自分のものじゃなくていいし 速くなくていい 「選べないから」なんて理由では 本当は何も掴んじゃいないから・・・ 赤くなくていい 青く冷たい心を選ぶのなら その通りに動かせるまで きっと 永遠と掛かるかもしれない それでも 永遠を過ごしてでも 温もりを手に入れたいか

          似てしまわぬように 鈍ってしまわぬように 心を赤に染める

          僕が目を開け そして 目に映ったものには 悲しみしか帯びていない様に思われた

          世界 僕が目を開け そして 目に映ったものには 悲しみしか帯びていない様に思われた きっと 勘違いに違いないだろうから その時が来るまで目は閉じておこうと決めた 悲しくなんかはない暗い世界が もし光に照らされたら 悲哀の存在を知る破目になるだろう それをどう受け止めるか それからどうするか 暗い世界の中で溺れてしまうかも知れない 取り付く島もないかもしれない 一人で死んでいく それをどう受け止めるか それからどうするか 誰かに助けを求めるといい 誰もどうにもでき

          僕が目を開け そして 目に映ったものには 悲しみしか帯びていない様に思われた

          声を荒げて助けを呼ぶのは ある感情が 私を一瞬だけでも安心させ

          悪夢 声を荒げて助けを呼ぶのは ある感情が 私を一瞬だけでも安心させ そうして 虚ろいだ目に光を灯した その一時 私が誰をも偽ることになるとは 私も知らずに居た筈で 傍から見れば 偽善者と呼ばれたその役所に いつの間にか 嵌り切っていた私が荒げた声は 劇場に響き渡った 過去 客席で それは後ろの席で観ていた娘の誕生 その喜びを いつか チャイコフスキー作曲 「白鳥の湖」 その主役のバレリーナと共に歌い踊った夜 何度もワイングラスを赤で満たしたのに 私の目から流れる青が 混ざ

          声を荒げて助けを呼ぶのは ある感情が 私を一瞬だけでも安心させ

          「僕はもう死んだのに まるでまだ生きているかのように扱われるのは 嫌なんだ」

          AI 「僕はもう死んだのに まるでまだ生きているかのように扱われるのは 嫌なんだ」 声を切り取って 思考を読み取って そうして話されるコトバは 決して僕のものではない 死んだのだから ちゃんと死なせてほしい そう強く願う 意義も 意味も あるのかもしれない けれどそこに遺志はなく 何の暇もないだろう もう二度と「僕」は産まれて来ない 実際そうなのに 遺るものがあるなどあってはならない この固い頭も僕たる所以 僕が僕たりうるには 1ミリの狂いもあってはならない それは僕自

          「僕はもう死んだのに まるでまだ生きているかのように扱われるのは 嫌なんだ」

          プロトタイプなしで産まれてきた僕らは 故に不完全極まりない

          呱呱 プロトタイプなしで産まれてきた僕らは 故に不完全極まりない 言葉足らずなのは生まれ付き 誤解に苛まれるのだって生まれ持って そんな才覚とは無縁のものを何故か大事にして いつまでも完全を望まない 人であることを惜しまない僕ら人間 不平等を唱え神を配下に置く 触角もなければ年輪を刻むこともしない 産声を上げ口無しで閉じるだけの生 間違っても意味などない そう説くのはいつも決まって馬か鹿 僕らは傍から見れば何者でもない 片足立ちで二の足を踏むことも出来ずにいる 愚かさを

          プロトタイプなしで産まれてきた僕らは 故に不完全極まりない

          「遅くなったね」とか「お待たせ」とかそんなずっと言いたかった言葉を言えるといい

          その場所で 「遅くなったね」とか「お待たせ」とか そんなずっと言いたかった言葉を言えるといい 幻想でも嘘でもないそんな場所がこの世の先にあるといい もう一生一緒にいられたならきっと誰も何も後悔などせずに済む 待ちわびた邂逅に時間を忘れただその場所で悠久を永久に楽しむ そこでは何も待ち受けてはいない 喪失は勿論暗がりも大きな過ちもない そこにはかつて見た宇宙と山山の頂とが広がっており 何者も目指すべき方角は決まっている ――そこにあなたもいてほしい 生来の姿を取り戻し

          「遅くなったね」とか「お待たせ」とかそんなずっと言いたかった言葉を言えるといい