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不満や欲求。溜め込むと自分の首を絞める結果に。磨きたい、アサーション。

以前、通っている婦人科で怒髪天を衝く出来事があり、〝そば屋の出前か!というセリフを使う機会に、初めて出会った話”という記事を書いたのですが。

自分はHSP気質で細かいところまで気づくという特性から、ムッとしたりイライラしたりする頻度が高い、不満を感じやすいと自覚して以降、アンガーマネジメントについて情報を取るようになりました。


自分の怒りについての観察・考察

アンガーマネジメントについて知り、自分の怒りのパターン、怒った時に取る行動を思い起こすうちに、自分の癖に気付いて愕然としました。

私はどうも、母親のコミュニケーション方法を真似ているようで、事を荒立てたくないという思いや、相手への遠慮や配慮から、つい限界まで我慢をしてしまいがちです。

うつ病になった一因もそこにある。不満を感じた時、または将来的に不満を感じると予想される時、その時点でどういう対応を取るか、を考えることが大切なのでは、と思い始めました。

そのような話の流れから、精神科の医師にアサーションを勧められ、平木典子氏著の〝アサーション・トレーニング ―さわやかな〈自己表現〉のために”を読んでみました。

アンガーマネジメントとアサーション

この本を読んでから、こういった、友好的で建設的なコミュニケーションができている大人は一体何パーセントいるだろう?と考えさせられました。

突然キレる、大声で怒鳴ったりネチネチと何度も文句を言わないと人は動かせないと思っている、当てこすることで、自分の鬱憤を晴らしている…。

世の中、こんな人達に席巻されつつあるんでは?と悲観的になることもあります。

忌み嫌われるレベルの人は、日常的にそんな行為を繰り返しているのでしょうけれど、そのレベルでなくとも、その言い方…もう少し違えばこんなことにならないだろうに…と思う場面、たくさんありませんか?

私は、母親の、理不尽なことがあってもひたすら我慢の手法の他に、怒りを直接伝えず不機嫌な態度を取ることで相手に分からせようとする、“受動的攻撃”を受け継いでいたことにも気づきました。

怒鳴ったり物に当たったりする訳ではないので一見穏やかですが、強い攻撃性を内包しており、婉曲的な伝え方であるが故に、尚更厄介だったとひたすら反省しています。

この本を含めいろいろと勉強するうちに、以下のような学びがあったのですが、

①怒りの正しい扱い方。
②きちんと助けを求め過剰な負荷を減らすことが、人にも自分のためにもなるという健全な認識。
③相手に対する正しい依頼の方法。

大人達を見て子供は育つんだもんなぁ、と自分のケースも考慮に入れて考えると、この認識、具体的な対処法を、学校で教えて欲しかった…、と強く思うようになりました。

もちろんいろいろな学問的知識も必要だけれど、こういった“ライフスキル”を、体系的に学ぶ機会が欲しかった、と思います。

小さい頃に学び、何度も実践し身につけておくことで、以降の人生の価値が劇的に変わってくるだろう、と衝撃を受けています。

怒りや嫉妬、劣等感などの負の感情処理や、他人の気持ちも配慮しつつの適切な自己表現・自己主張についての学びは、時代や対象の相手の年代、また業界や環境にも関係なく、一生を通じて普遍的に有効だと思うのです。

身近で見た素晴らしいアサーション

アサーションについて読んだ時、以前、友人達との会食の際、隣に座っていた友人が取った行動が頭に浮かび、その時受けた衝撃についても思い出しました。

大きなテーブルを囲み、8人ほどのグループでワイワイ話していた時でした。私は右端から2人目の席に座り、話の中心になっている、左側の友人達に体を向けて話に聞き入っていました。

その時、私の右隣(端)に座っていた友人が、私の背中をトントンと叩きました。

どうしたのかと聞くと彼女は、「あのね、そんなふうに背中を向けられると、私は輪に入れていないような気がして寂しいの。入れてもらってもいい?」と言いました。

言われて暫くは、何て酷いことをしてしまったんだ…!と落ち込みました。HSP気質で、日頃から、よくよく周りの人の感情には配慮しているつもりだったのに、どうしてこんな当たり前のことに気づかなかったんだ…と1人で茫然とブルーになっていたんですが苦笑。

その後徐々に、彼女のその、素直な気持ちの伝え方とシンプルで明快な頼み方に、感銘を受けました。

今思い出しても、彼女の、恐らく生来の素直さと、これまでに習得してきたであろう、気持ちや要求の伝え方を、心から羨ましく思います。

怒りの感情の裏には、いろいろな感情が隠れているんですよね。子供の帰りが遅くなった時、親が子供を怒鳴りつけるのは、心配したからですし、家事育児で疲れ切っている時に旦那さんに嫌味を言ってしまうのは、辛いから手伝って欲しいのに、という苦しさから。

私が、以前の職場で周りにイライラしていたのは、もっと準備しておかないと、何か起こった時に困るのに、という不安から。

上記の彼女が私に一言伝えたのは、寂しかったから。

彼女は、その裏の感情を、私にぶつけるのでなく、当て擦るのでもなく、イライラや怒りの気持ちを乗せないで、ただ伝えた。

これは本当に素晴らしいことで、皆がお互いにこういうコミュニケーションを意識したら、気持ちの行き違いや争いがずっと減るだろうに、と思います。

私に、物腰柔らかくサラリと伝えた後の、彼女の笑顔がずっと頭に残っていて、私の中で、今も最良の見本となっています。

自分の希望や要望を相手に伝え叶えてもらえることで、先々自分にかかる負荷を減らすことができる。

結果、ネガティブな気持ちを溜め込まずに済む。溜め込み過ぎ、漏れだして周りの人に悪影響を与えることも減らせる。

もちろん全て叶えられるかどうかは状況次第で分かりませんが、我慢癖がついている人は、こんなこと言ったら失礼、頼むのは申し訳ない、自分が我慢すれば済むんだから、と考え、そもそも頼むという選択肢を思いつかない状態なのではと思います。

アサーションを頭の隅に置いて生活するうちに、少しずつ、相手に助けを求める、または何かをお願いする、が実践できるようになってきました。

そうするうちに、ああハイハイ、全然いいですよ、という返事が結構多いということに気付くようになりました。

相手にとっては、何だそんなこと?言ってくれれば喜んで協力したのに、とか、別に他の日に変えれば良いだけのことですよね?みたいなことも実は多いんですよね。

もっと気を遣ってくれても良いのに、と相手に忖度を期待したり、こちらが一方的に我慢している…、と被害者意識を育てないように、爽やかな自己表現、磨いていきたいと思っています。

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