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エモいの、その先へ行きたい

久しぶりに本を読んだ。そうしたら、ふと、やっぱり今の自分は少し前の自分とずいぶん違うなと思った。

昔、とは言っても数年前だが、間をあけて繰り返し悩み続けていたようなことに悩まなくなったし、「生きる意味」や「運命」について自分なりの考えを答えられるようになった。

歳を取るごとに考え方が変わると思っていたけれど、今までを振り返ってみると、案外変わらないなと思うことの方が多い。

好きがわからないと疑ってみては、結局昔から手を伸ばしていたものが一番好きだったし、天職を探してみては、昔から一応これ目指しているんですと言っていたものがそれっぽい。

より正確に言えば、歳を取るごとに考え方が変わるというよりも、信じるもの、世界ってこういうことなんだなという納得できる真理が増えていって、それによって選ぶものが変わっていくのではないかなと思う。

今まで神様がいないと言っていたのに信じるようになるというのは、いるか、いないか不明だったものが、運命としか思えない巡り合わせにあったり、祈りが通じた経験をしたりして、神様はいるのではないか、そう思って自分は生きようと、自分なりの真理を見つけること、みたいな。

逆に考え方が変わったわけじゃないというのは、神様がいないと心から信じていて、それなのにやっぱりいるってなることって、あまりないよねって。

少し変わりながら、やっぱり変わらない部分もありながら、いつのまにか自分の芯のようなものができていく。それを振り返ると、別人になったわけではなくて、ずっと自分だけれど、やっぱりずいぶん変わったよなと、不思議な感覚になる。なくなったというより、たくさん注ぎ足されて、いつの間にか別のものになっているような。

自分の答えは探し終わったから、世界に出てみたい

より自分のことについて話すと、今までは、どうして生きるのかとか、自分は何をして生きたらいいのか、どうやったら幸せになれるのか、存在意義が持てるのか。そんなことをよく考えていた。

哲学も学び、自己分析や就職活動も経て、それらへの答えはある程度揃った。冒頭で書いた、「生きる意味」や「運命」について自分なりの考えを答えられるようになったという状態だ。

そうしたら次の島はなんだろう。そう考えると、他者を理解するとか、自分を伝えるとか、そういうことになるんじゃないかと思う。

今ままでは、とにかく矢印が自分に向いていた。他人の話は自分が問いの答えを見つけるための参考文献だったし、本や映画もやっぱり自分の世界を広げるためのものだった。

でも最近、映画を見ても、それを自分に活かそうというよりも、そういう人もいるんだ、そういう人生もあるんだと、外を眺める感覚になることが多い。

これから成長していきたいコピーライティングという分野も、自分が達成したいことがあるときに、それと他者を結びつけるために言うべきことを見つけて、それをどれだけ伝わる言葉で表現できるかが重要になると思う。

つまり、自分にとっての答え探しよりも、他者にとっても納得できる答えの広げ方、世界への提示の仕方が、次学ぶこと。な気がしている。

エモい世界に閉じこもらず、外にでる

少し話は変わるが、最近「エモいとは、自分たちだけの世界に閉じこもれること」なのではないかという仮説を見つけた。

エモい恋愛映画は、二人だけの世界があって、社会にはわかってもらえないことを二人が大切にすることで恋愛が進んでいく。逆に言えば、二人が相手から離れ、外の世界に出ようとしたときに、歯車が狂い出してすれ違っていく。

エモい青春も、エモい動画も、自分たちにしかわからない内輪ノリでつながっているということ自体に共感し、自分なりのそんな世界を思い出して、もしくは想像して、浸るものなんじゃないだろうか。

そう気づいたとき、ふと最近溢れるエモいを狙った映像や企画に飽きている自分に納得がいった。

エモいを否定しているわけではない。花束みたいな恋をしたは観に行って泣いたし、エモそうな下北沢舞台の映画はすぐチェックする。でも最近は、複雑な世界から逃げて自分の世界に閉じこもろうとする自分の弱さに、より目がいくようになっただけだ。

自分の考えを固めた私が、自分(たち)の世界に閉じこもるのは、少し早いし危険。そう感じる。

自分が固まったからこそ、きちんと自分を保てるようになったからこそ、外の世界に目を向けて、自分と世界をチューニングしていかなければいけない。いけないというより、そう在りたい。

そんなことを考えている。

就職活動中に、悩むとは自分の中に閉じこもることであり、考えるとは外に出ることだ。という哲学者の池田晶子さんの言葉に触れた。そして哲学は、考える学問だと。

そう考えると、外に出ることを選びたいという点でも、やっぱり自分は哲学が好きなんだなと改めて思ったりもする。

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