合わないんじゃない、早く出会いすぎただけ。
最近、好きな本と嫌いな本のほかに、「今じゃない本」が分かるようになった。
好き嫌いは、単純に内容の質だ。
面白いと思えば好きだし、つまらないと思えば嫌いな本。
一方で「今じゃない本」は、内容の質が良いか悪いか以前に、その本がやろうとしていることが、今の自分にあっていない。言い換えると、その本の読者に自分が当てはまっていない本だ。
ゲームにレベル1、レベル2と違ったステージがあるように、本にもレベルがある。しかし、学校の授業みたいに、誰かが管理しているわけでも、みんなが同じ順番で何かを学ぶわけでもない。
だから、番号を振ることができないのだ。
それでも、確かにレベルは存在する。
具体的に「今じゃない本」というのは、知識不足で今の自分には難しすぎるものや、まだ始めてもいないことのコツが書かれているものが当てはまる。
たとえば、高校生に専門家レベルの宇宙学の本は難しすぎるし、「絶対に成功する就職活動の特徴」は早すぎる。
では、今じゃない本を買ってしまったら、それは無駄遣いなのか。もちろんそんなことはない。
「今じゃない」と、使えないは違う。ただ、出会う時期が早かっただけなのだ。
出会う時期が早すぎたのなら、また会いに戻って来ればいい。
それに、その本が必要になるまでの間も、困ったら解決法はここに書いてあるから大丈夫だという安心感が、未来に対する不安を除いてくれる。
だから、たくさん出会おう。本も人も。