理一の数学事始め

静かな数学の世界をゆっくり巡る遊子です。数学は、学生の頃の苦い経験が頭を過り敬遠されが…

理一の数学事始め

静かな数学の世界をゆっくり巡る遊子です。数学は、学生の頃の苦い経験が頭を過り敬遠されがちですが、本当はたのしいものです。もう一度学び直したい人のためにと始めました。大学数学で躓いている場合は、中高数学を理解せず、暗記に頼ってしまったのかもしれません。

マガジン

  • 数学好きでも本は読む

    学而不思則罔。 思而不学則殆。(學びて思はざれはすなわりくらし。思ひて學ばざればすなわちあやうし。) 読書はこれに加えて、たのしむものですね。哲学、歴史もおもしろいけれど、小説もおもしろい。もちろん、数学はもっとおもしろい。

  • マガジン5 図形と方程式, ベクトル、2〇、複〇、数〇

    (工事中)数学的には代数と幾何が結び付き、どんどんおもしろくなります。その一方で、暗記、暗記に頼ってきた人にとっては公式もどんどん増え、悲鳴を上げたくなる分野です。

  • マガジン6 数Ⅱ【三角関数、指数関数と対数関数、微分と積分

    中学数学と高校数学の違いが明確になるのはここからです。これまで学んだ多くの知識を踏まえて話が展開するので理解するのは容易くありません。でも必要な知識を補いながら進めば、理解不足の部分がどこなのかも判るので知識を見直すこともできます。そうなるように知識の確認をしながら話を進めていきます。以前に学んだ知識が不足していると感じたら、無理に先に進まず戻ることも大切です。一回読んだだけで理解できるのは超理想で、実際は何度か繰り返すうちに理解がだんだん深くなり定着していくものです。

  • マガジン3 関数をはじめから学ぶ 中学から高校数学Ⅰまで

    関数を1から知るためのものです。中学数学の内容であっても、高校、大学の数学を見据えて書きました。中学生には難しい内容ですが、高校数学を一度でも触れたことのある人にとっては理解が深まるはずです。

  • マガジン4 二項定理、方程式、証明、場合の数(高校数学)

    マガジン1は高校数学Ⅰまでの内容です。このマガジンはより高度な数学をする上での道具を紹介しています。3次以上の展開・因数分解、数学的帰納法もここで紹介しています。組合せ記号は大学以降と同じ記号を使っています。

最近の記事

疑惑の始まり

            柴田哲孝 著『暗殺』 疑惑のはじまりは孫崎享氏の話でした。 昨年4月に岩上安身氏のIWJ(2023.4.10)と時事放談(2023.4.17)が配信されたのです。最初は疑惑の銃弾ということでJFK暗殺を連想しました。1週間後には問題点を指摘するような本を書いてくれないかなと思っていました。どちらの配信動画でもその繋がりでウクライナとプーチンの話になりました。 このことをすっかり忘れていた頃に、深田萌絵氏(2024.6.26)が『暗殺』を紹介したので

    • 31.11 ベクトルの初歩(内積の性質とその利用)

      計量するために内積を導入しました。けれども、内積を使いこなすにはその性質を知らなければなりません。 今回の目標は、内積の性質を使って計算ができるようになることです。 練習問題までがこれに当たります。練習問題の次からは、高校数学や受験数学で扱われますが、少し難しい内容になっています。 想定するベクトルは、これまで通り、平面上または空間内のベクトルです。 内積の性質を紹介するために、まずはベクトルの長さ (大きさ) に関する性質を紹介します。 ベクトルの長さの性質について

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      • 31.10 ベクトルの初歩(内積の目的と定義)

        これまでは、長さ、角の大きさ、面積、体積を測ること(計量)をしませんでした。長さについては触れていますが、比として使っただけで長さを測ることはしてません。 では、その長さや角の大きさを測るのにはどうすればいいのか。そのための準備をします。 なお、三角比や弧度法を忘れてしまった場合は、三角比の話または三角関数をご覧ください。 計量する (測る) ために内積というものを導入します。このように理解しておくと、長さ、角の大きさなどを求めたいときに、「内積が使えないかなあ」という考え

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        • 31.09 ベクトルの初歩(図形への利用 その3)

          ベクトルの一意性を用いる解法についての話です。 ベクトルの一意性平面上の任意のベクトル$${\vec{p}}$$は、与えられた2つの平行でないベクトル $${\vec{a}\neq\vec{0}, \: \vec{b}\neq\vec{0}}$$によって             $${\vec{p}=k\vec{a}+\ell\vec{b} \:\: (k, \ell \in \mathbb{R})}$$ と表すことができます。しかもその表し方は1通りだけです。この1通

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        マガジン

        • 数学好きでも本は読む
          16本
        • マガジン5 図形と方程式, ベクトル、2〇、複〇、数〇
          64本
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        • マガジン6 数Ⅱ【三角関数、指数関数と対数関数、微分と積分
          99本
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        • マガジン3 関数をはじめから学ぶ 中学から高校数学Ⅰまで
          109本
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        • マガジン4 二項定理、方程式、証明、場合の数(高校数学)
          116本
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        • マガジン2 三角比を含む平面幾何の話
          132本
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        記事

          31.08 ベクトルの初歩(図形への利用その2)

          平面上または空間内のベクトルにおいて、3点が同一直線上にある条件をベクトルで表現する方法を理解し、それを利用する話です。 3点が同一直線上にある条件3点 A, B, P が同一直線上にある状況を考えてみましょう。 見やすいように、点Aを始点とするベクトルを考えてみます。このとき、2つのベクトル$${\overrightarrow{\mathrm{AB}}, \: \overrightarrow{\mathrm{AP}}}$$は、向きが同じなので実数倍の関係になっています:

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          31.08 ベクトルの初歩(図形への利用その2)

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          31.07 ベクトルの初歩(図形への利用)

          平面上または空間内のベクトルの続きです。三角形ABCとあった場合、平面上の図形と捉えても構わないし、空間の図形と捉えても構いません。 今回は、線分の内分点、中点、外分点および三角形の重心に関するものを扱います。 ベクトルは、向きと長さが等しいければ同じものと考えるので、1点を固定し、それを始点としたベクトルで考えることをよくします。 内分点と中点 例1 3点A, B, Cを頂点とする△ABCを考え、$${\vec{b}:=\overrightarrow{\mathrm{

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          31.07 ベクトルの初歩(図形への利用)

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          "名を正す" ことからはじまる

          名を正す 論語の子路第十三の三の一部「子曰、必也正名乎」のことです。弟子の子路が孔先生に「政治をするなら最初に何をされますか」とたずね「名を正す」と答えたとのことです。 「立憲」国家のはずなのに憲法で国民を縛ろうとしたり、「戦争が平和」で「裏金が還付金」だったりでは議論が成り立たないからです。このように名を正さなければめちゃくちゃになってしまうので、ここからはじめなければならないのです。 論語にはいろいろ訳がありますが           安冨 歩 著『生きるための

          "名を正す" ことからはじまる

          31.06 ベクトルの初歩(空間図形の話)

          各自の直観に頼って、ベクトルの話を進めることも可能だと思うのですが、その直観はこれまでの生活の中で育まれるものなので、どうしても理解のできないことも出てくると思います。 多くの場合は直観でわかると思いますが、いざというときのために、論理を準備しておきます。高校数学では定義・公理・定理が曖昧に書かれていますが、ここでは明確にします。 なお、この話を読み飛ばしても、特に空間ベクトルで困ることはないと思います。高校数学の教科書 (昔の中学数学の教科書) で十分です。 大切なこと:

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          31.06 ベクトルの初歩(空間図形の話)

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          31.05 ベクトルの初歩(基本演習2 空間ベクトル)

          前回の平面ベクトルの続きで、今回は空間ベクトルの基本演習です。 ベクトルの考えは、平面でも空間でも利用できるという点が優れています。大学以降の数学ではこの点に着目し、より一般化した世界を考えます。その世界は線形空間またはベクトル空間と呼ばれているものです。 質問 幾何ベクトルの定義を述べてください。 答えられるようになりましたか。答えられなくても気にしないでください。何度か確認しなおしている中に覚えられます。 基本演習(空間ベクトル)5⃣ 立方体ABCD-EFGHにおい

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          31.05 ベクトルの初歩(基本演習2 空間ベクトル)

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          アニメの原作小説

          斎藤 惇夫 著『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』 はアニメ「ガンバの冒険」の原作です。岡田斗司夫氏の動画でこの原作を知りました。アニメの第1話~第3話は動画で観られます。岡田氏はアニメをすこぶる評価していて一気見を薦めています。その岡田氏が原作もたいへん良かったと言うので読んでみたのです。 アニメと原作の設定は異なりますが、助けを求めに来た忠太、白イタチから救うために島 (ノロイ島、夢見が島) に向かうガンバたちという流れは保たれています。大きく異なるのは、忠太ととも

          アニメの原作小説

          31.04 ベクトルの初歩(基本演習1 平面ベクトル)

          ベクトルの修得には、幾何ベクトルの基本を身に着けることだと思います。最初の部分を軽く流しがちですが、躓く要因は、基本の理解にあることが多いものです。今回は平面ベクトル、次回は空間ベクトルの基本演習で基本の理解を深めましょう。 質問 幾何ベクトルの定義を述べてください。 ※ この答えは各自で確認してください。 基本演習(平面ベクトル)1⃣ 平行四辺形ABCDの対角線の交点をOとし、$${\vec{a}:=\overrightarrow{\mathrm{OA}}, \: \

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          31.04 ベクトルの初歩(基本演習1 平面ベクトル)

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          31.03 ベクトルの初歩(ベクトルの代数的性質)

          ベクトルの計算について1節入れます。もちろん、幾何ベクトルを考えるときにも使われます。 これまでに、ベクトルの演算として "和" と "実数倍" を導入しました。 差も演算じゃないの?と思ったかもしれません。確かに1つの演算ですが、差は逆ベクトルの和として定義したので和に含めて考えます(※1)。 ベクトルの代数的性質 ベクトルの和およびベクトルの実数倍によって、新たなベクトルが生まれました。平面または空間内の2つのベクトルを$${\vec{a}, \: \vec{b}}

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          31.03 ベクトルの初歩(ベクトルの代数的性質)

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          31.02 ベクトルの初歩(ベクトルの和・差)

          前回はベクトルを導入し、その後、逆ベクトル、零ベクトル、実数倍されたベクトルを紹介しました。今回はベクトルに "和" と呼ばれるものを定義し、それから派生することについて話をします。 質問 幾何ベクトル (ベクトル) とは何でしたか。 こういう場合は定義を述べるものですが、その述べ方は一字一句教科書通りでなくても構いません。自分自身がどう理解しているかが大切なのです。 ポイントとなるのは、これまでの量とは異なり、2つの量を持っていたことです。その2つの量とは、向きと長さ

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          31.02 ベクトルの初歩(ベクトルの和・差)

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          マガジン6について と その目次

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          シリーズ30 積分の初歩の目次

          目次をクリックするとその部分に飛びます。 下線部をクリックするとその記事に飛びます。 積分の歴史と基本計算 30.01 積分の初歩(微積分の入口) 30.02 積分の初歩(不定積分とその計算) 30.03 積分の初歩(定積分とその計算) 30.04 積分の初歩(定積分の計算とその工夫)

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          シリーズ30 積分の初歩の目次

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          31.01 ベクトルの初歩(幾何ベクトル)

          「ベクトル」は、理科(物理)の「力」の表記や「力の合成と分解」だけでなく、日常においても「物事や考え方の方向」の意味で使われているので、耳にしたことがあると思います。 このシリーズは、主に高校数学「平面・空間のベクトル」の話をします。  ①幾何ベクトル ②数ベクトル ③図形への応用 ④大学数学の入口 を予定しています。 ベクトルは数学者のハミルトン (W.R.Hamilton) (※1)が、ギリシャ語をもとに名付けたもののようです ([飯高])。英語で vector と書

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          31.01 ベクトルの初歩(幾何ベクトル)

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