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夏だからこそ、こんな本も!

夏祭りの屋台では、いろいろな味のたのしめるソースせんべいが売られているようですが、可能性豊かな、素のえびせんが好みです。

さて、身体を焦がすように痛い夏の陽射しを避け、こんな本は如何ですか。


この夏、何を読むかは決まっていますか。

大学生なら夏の課題図書として、指導教官が指定しているかもしれません。そうでなくても大学の図書館で教授からの推薦図書を紹介していることと思います。

学生でないのなら、読む系統もだいたい決まっていると思いますが、夏だからこそ、ふだんは手にしない本を読むのもたのしいと思います。

月に1、2回、おもしろかった本を紹介していますが、今回はこれまで避けてきた分野の本を紹介したいと思います。図書館に行けば数冊は見つけられると思います。


文学好きにお薦めの本たち

「整数論」の世界を魅了させる小説
        小川洋子 著『博士の愛した数式』
        ソートイ 著『素数の音楽』
      ドキアディス 著『ペトロス伯父と「ゴールドバッハの予想」』

「方程式」と対峙してきた数学者たちの闘い
        木村俊一 著『天才数学者はこう解いた、こう生きた』

「数学の研究」方法を垣間見る
        伊原康隆 著『志学 数学』

「太宰の世界?」
        藤原正彦 著『天才の栄光と挫折』
          S. シン 著『フェルマーの最終予想』


人狼・将棋好きへお薦め

「論理」の初歩
        山下正男 著『論理的に考えること』(岩波ジュニア新書)
        野崎昭弘 著『逆説論理学』(中公新書)


数学に泣かされた人へ

スウ」の発展
        吉田洋一 著『零の発見』(岩波新書)

「1+2=3」の仕組み
        瀬山士郎 著『数をつくる旅5日間』

訳の分からん「実数」を組み立てた数学者による解説
        デーデキント 著『数について』(岩波文庫)


中学・高校の数学とは違う「数学の世界」

手頃な「数学入門」
        遠山 啓 著『無限と連続』(岩波新書)

数学者から「愛」を込めて
        小針睍宏 著『すべての人に数学を』


※ ここまでは、現在も所有し過去にたのしんだ本たちです。
  次の4冊はそうでない本たちです。


数学科の1,2回生が孤独にたのしむ本。もしくは、小学算数指導者への課題図書

改めて「数」とは
        笠原章郎 著『自然数から実数まで』
        成木勇夫 訳『数 (上)』

現代数学の基本の「基」
        上江州忠弘 著『集合論入門』
        松坂 和夫 著『集合・位相入門』

上2冊が難しいようなら、既出の手頃な「数学入門」
        遠山 啓 著『無限と連続』(岩波新書)


夢十一夜

『零の発見』や『無限と連続』は、算数・数学のおもしろさを確認させてくれます。難しい話も入っていますが、全部を理解する必要はありません。

元来、算数・数学も小説のようにわくわくしてたのしいものです。江戸時代には、仕事そっちのけで数学(和算)にのめり込んだというので、数学禁止令が出たという話もあります。それくらい魅力のあるものだと思います。

しかし、それを破壊しているのが、おかしな採点と選別のための難問です。


1つの価値観を植え付けるための、丸暗記したものを書かせるだけの試験、興味関心を失わせる課題、読書嫌いを育む読書感想文

         「精神的に向上心のない莫迦」

を量産するのが現代教育の目的なのか。吾輩のおもしろさを教えてはならないような動きが新教育課程にみられる。『三四郎』や『こころ』は古臭くて詰まらなぬものと思わせたいのか。

と旧千円紙幣が訴えている・・・こんな夢を見た。▢


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